■海外のアーティスト O-Z■

(編集担当 いさつ)

O P R S T V W Y

O

Lynn Oliver

Johnny Otis

残念ながらリーダー作であるフェデラルの数枚のSP盤(ピアノがハンプトンホーズ)は、ヨーロッパのR&Bレーベルから『Strictly Cash』というタイトルで発売されていたが現在は多分入手困難。Piano,Vibとクレジットされることが多く、メインは多分ピアノか?完全2本マレット、時代もあって、スピードコントロールのない高速ファン回転の楽器を使用。『熱い』を超えて『暑い!暑苦しい!』ところまできていますが、回りのサウンドがさらに暑苦しい方々なので逆に『ほー、Vibでもここまでいけるかー!』と感動した記憶あり。参考アルバム『Preston Love/Omaha Bar-B-Que』

P

Marco Pacassoni

『VIBRAFONIA』というバンドに参加。ヴァイブとマリンバを半々に弾き分け。四本マレット、楽器はサイトーのセンチュリータイプ?。フレージングやコンセプトはオーソドックスなスタイルだが参考アルバム『Fairy Tales/VIBRAFONIA』では、バックを努めるメンバーがフレットレスの6弦ベースやシンセギターだったり、デジタルを全面に押し出した録音、音響処理により聴き慣れたBeautiful Love、Autumn Leaves、Someday My Prince Will Comeなどが何だか妙に新鮮に響いてきます。

Jack Patton

アタックの強い硬質な乾いたサウンドは少しデイブパイクを思わせるところもありますが、こちらの方が色々な意味でかなりマニアっぽい印象を受けます。見た目もアキバの裏道をうろうろしてそうだし・・・。ルーツはハードバップにあるであろうコンセプトは個人的にも好みのタイプです。参考アルバム『Jack Patton Quintet/Don't Go To Strangers』ではスタンダードナンバーからグラントグリーンのオリジナルナンバーまで幅広く取り上げ、そのいずれもがニヤリとさせられてしまう選曲と、ひとひねりしたアレンジと音響処理に唸ってしまいます。初心者の方が聴いても十分楽しめますが、マニアさん大喜び(!?)のヴァイビスト。

Bobby Vince Paunetto

1944年ニューヨーク生まれ。1964年にカルジェイダーの推薦でバークリーに入学するも翌年の徴兵で中断。楽器購入に際してはジョンレイとカルジェイダーがディーガンオーロラを買ってあげ、カルを通してシアリング、リーモーガン、ラロシフリン、クレアフィッシャー、ゲイリーマクファーランド、ガレスピー、ブレイキーなどスゴイメンバーと共演の機会を与えられ67年に兵役終了後69年にバークリー再入学しアランドーソンにヴァイブ、ドラムを習う。またゲイリーバートンがバークリーに戻った際に最初の生徒となる。参考アルバム『Paunetto's Point』は76年グラミー賞ラテンジャズ部門にノミネートされる。78年多発生硬化症を発病し、活動停止。

Giuliano Perin

イタリアのプレイヤー。楽器はサイトー、4本マレット。ピアニストとしての活動もあり。参考アルバム『Giuliano Perin/Into The Vibes』はアコースティックギターの3リズムにヴァイブという編成です。選曲はバドパウエルからチックコリアまで幅広く、基本的なコンセプトはオーソドックスなところにあり、確かに自分の言葉で語っていると思いますが、ブルースはあまりピンと来ませんでした。ジャケットに写ってはいませんがピックアップ臭プンプンの音色と合わせて、好みが別れるところかもしれません。

Alan Petersen

ナイスジャズトリオ/カルテットとはこれまたナイスなネーミングでございます。このAlan PetersonなるVib奏者はこのCDで初めて知りました。CDにNJT-1というナンバーがついていたりするので多分自主製作盤と思われます。ジャケットのどこをみてもメンバーのプロフィールなど書いてありません。演奏は、普通のジャズコンボが普通にスタンダードナンバーを演奏して、凝った仕掛けやリハモなどは無し。超絶技巧というわけでもなし。でも聴いていて、なんだかホッとする演奏が淡々と続きます。

Bosko Petrovic

ユーゴスラビア出身。楽器はマッサーMー55。マレットはアルブライトのミデイアムソフト。参考アルバム『Tiffany Girl/Bosco Petovic Quartet』は録音のせいもあるのか、少しダンパーのセッテイングがあまい感じ。バックはケニードリューやアルビンクイーンなど結構ゴツゴツしたサウンドだからよけいそんな感じに聴こえるのかな?ソフトな音色でよく歌うソロは、スーパーマリオ実写版といった容姿と同時にかなり印象に残ります。他にもユーゴスラビアのピアニストとのデュオアルバムが数枚あり。

Craig Peyton

Dave Pike

1938年デトロイト生まれ。生演奏は記念すべきJVA初オフ会で初めて見ました。昔から良い意味でラフな感じのプレイヤーというイメージがありましたが、まさに。楽器やマレットには、特にコダワリはなさそう。バリーハリス、トミーフラナガンなどと共演、少し意外なところではポールブレイのバンドに参加。一般的な認知度を高めたのはハービーマンのバンドに参加するようになってから。1968年にヨーロッパに渡ってからピックアップ付Vibを使用したデイブパイクセットなるジャズロックコンボを結成。このバンドはシタールがいたりする怪し気なバンドだが、リミックスネタとしてDJや若者に人気だそう。へんなの。いいのか?若者!?。4本マレットを持ってプレイする写真も見ますが基本的にはBopスタイルの2本人。良く歌うプレイと独特のスピード感のあるBeBop直系のアプローチは基本的にデビューから変わらず。代表作となると、やはりエバンスをゲストに迎えた『Pike's Peak』となるようですが、参考アルバムとしては『Bop Head』をどうぞ。LIVEで目にしたホテルの受付から持ってきたベル(?)連打が再体験できます。

Ted Piltzecker

ジョージシアリングのバンド出身。楽器はMusser M-55。マッシュルームヘッドのマレット使用。テクニックはかなりありそうだが、安定したフレージングでかなり早いパッセージも無理無く聴かせる。発想はオーソドックス。参考アルバム『Destinations/Ted Plitzecker』ではVib以外にもピアノ、パーカッション、ハープシコード、シンセサイザーもプレイ。1曲スタンダードのHere's That Rainy Dayを演っている以外は全曲オリジナル。サイドメンはJack Wilkins(Gt)などの若干新し目のアプローチをする方からAndy Simpkins(Bass)といった渋めのところまで、幅広く参加しており、バラエティーに富んだサウンドが楽しめます。軽くてポップな聴きやすいフュージョンといった感じ。

Mark Piper

Werner Pirchner

オーストリア出身。初リーダーアルバムは1973年に『Ein Halbs Doppelalbum』を発表。オーストリアでは進歩的なミュージシャンの集まりとされるウイーンアートオーケストラのメンバーとしても活動中。参考アルバム『Triangle』(ECM)はヴァイブ&マリンバ、ギター、ドラム(ジャックデジョネット!)というトリオ編成。ECMというレーベルとこの編成でイメージできる方には多分そのとおりの音世界。なんだか癒されちゃうーって感じ。でも、意外とポップ。

Florian Poser

ドイツのヴァイブ奏者。4本マレットプレイヤーですがバートン系という印象は無く、比較的オーソッドックスなアプローチで『しっかり』弾くお方で、やはり若干アクセントは頭にあるので、よく聴くとドイツ系というのが判ります。参考アルバム『Florian Poser/Plays His Favorite Standards』ではサケバラ、アナザーユー、ソフトリーとジャズ研スタンダードが満載で聴きやすくオススメ。普通の12小説ブルースもやっていますが、ここに独特の語り口が聴けて、『ふ〜ん、なるほどねぇ〜。』という感じが・・・。

Terry Pollard

1931年うまれ。デトロイト出身。1955年にピアノでのアルバムをベツレヘムに吹き込んでいるが1956年にはダウンビートの批評家投票でVib奏者としてトップを獲得するも、53〜57年はテリーギブスのバンドのピアニストとして活動。参考アルバム『Soft Winds/The Swinging Harp of DOROTHY ASHBY』はHarp,Vib,Bass,Drumsという編成でMisty,The man I love等のスタンダードを中心にプレイ。ドラムがジミーコブ、ベースがハーマンライト、テリーポラードもバップの人なので、逆にリーダーのハープがどうしても楽器の構造上、クロマチックやディミニッシュ分解といったアプローチに一番向いていないことから、ダイアトニックなスケールにはしりがちで少し浮いて聴こえるが、繊細な仕上がりの小粋なアルバム。

Severi Pyysalo

一体何とお読みするのでしょうか?カタカナ表記は難しいフィンランドのヴァイブ奏者です。楽器はマッサー、マレットはVic Firthで4本マレットプレイヤー。比較的柔らかな音色とオーソドックスで安定したフレージング。経歴などはわからず。参考アルバム『New Moods-New Sounds/Antti Sarpila Severi Pyysalo』はピアノの3リズムにギターサックスのクインテットにストリングスカルテットを
加えたもの。妙に暗いストリングスのアレンジが何ともいえない場末感を醸し出して、いつ晴れるとも知れぬどんよりと曇った空を強烈にイメージさせられ、朝聴いたらその日は欠勤したくなる程落ちむ。

Tito Puente

いわずと知れたラテンの大御所。バイブ奏者というよりは、パーカッショニスト(特にティンバレス)という肩書きが一般的でしょう。したがってこの人の中で、ヴァイブというのは自分が操れるパーカッションの一つという位置付けであり、自分を表現するためのメイン楽器という訳ではない感じ。同じラテン系といっても、カルジェイダーとは明らかに違い、すべてがパーカッシブなアプローチ。どのアルバムでも統一感のあるスカッとした演奏は、さすがの貫禄!参考の『TitoPuente/On Broadway』はグラミー賞ベストトロピカルラテンに輝いたもので、コンコードピカンテというレーベルということもあり、エリントン、フレディーハバード、トゥーツシールマンス、ミルトンナシメントなどの曲を演奏する少しジャズ寄りのテイストが嬉しいアルバム!

R

Bernard Rabaud

フランスのプレイヤー。楽器はM55、マレットはグッドヴァイブスのマイクマイニエリモデルを使用している様子。参考アルバム『Claude Tissendier Tentet/HamptonVibrations』ではタイトルからも想像できるように完全スイングスタイル6thの使い方のプレイを展開していますが、経過音の使い方がうまく、フレージングが滑らかで、柔らかな音色、余裕のある乗りなどからすごく優雅な印象を受けます。リーダーアルバムがあれば聴いてみたいと思わせてくれます。

John Rae

1930年生まれ。ニューイングランド音大でピアノ、ボストン音大でティンパニー、バークリーでジャズパーカッションを学んだとのこと。25歳でジョンルイスの推薦でシアリングのバンドに参加。録音はシアリング、ジョニースミス、ハービーマンらのサイドマンとしてのものがある。そしてこの参加アルバム『John Rae/Opus De Jazz Vol.2』はあのMilt 氏の代表作Opus De Jazzと同じサヴォイからリリース。Vol.2とありますが?元祖から5年後の録音故、最初から企画されたシリーズものではなかったと思われます。元祖と比較すればブルースの音の拾い方は白っぽいというか、あまりこぶしをきかせずあっさりと。ヘッド軽めのマレットを使用の爽やかなサウンド。

Christos Rafalides

ジョーロック氏が絶賛のバンド。参考アルバム『Manhattan Vibes』では、ランディーブレッカーをゲストに、楽器はマッサー、4本マレット(ピックアップは使用せずオンマイクでの録音)で実にガッツのあるプレイが爽快!オリジナルもユニークで聴きごたえあるし、あの『キャラバン』ってこんなにカッコイイ曲だった〜?という変拍子アレンジもグー。

Louis Ramirez

他にも3枚のLPがあるが、必ずコンガ、ボンゴ、ティンバレスを加えドラムはいないという編成。いわゆるラテンジャズというかもろラテン?古い録音ゆえ、サウンドや楽器についての情報はあまりないがジャケットにはマッサーセンチュリーが写っています。たぶんスペイン語(?)で絶唱する間をぬって、Vibがソロをとっていきます。

Enzo Randisi

マレットはプロマークのミルットジャクソンタイプを使用。参考アルバム『EnzoRandisi/Mister vibes plays Milt』はミラノ、シリンダー、ジャンゴ、スケーティングインセントラルパークなどミルト〜MJQゆかりのナンバーをプレイしていますが、あくまでもミルト氏とは別のコンセプトのヴァイブ奏者が、彼をリスペクトしての作品と思っていただいて正解。純粋モダンというよりは、少しスイング系の、軽やかさに欠ける骨太のテリーギブス(?)といった感じかな。

Steven Raybine

Chuck Redd

ドラマーとしての活動が中心だが、Vibもなかなか。完全2本マレット、楽器はマッサーM55。ドラマー出身らしく、パーカッシブなプレイかと思えば意外とメロディアス。デイブパイク氏をわかりやすくした感じ。参考アルバムの構成も、バラードをバイブソロを1曲入れるという昔のパイク氏のアルバムパターンを踏襲している?ヘッドの軽いマレットを使用していると思われるサウンド。ペダルは曲のエンディング以外、ほとんど踏まず。参考アルバムのピアニストはトミフラ。このアルバムの雰囲気はモダンスイングといった感じ。参考アルバム『Chuck Redd/Stop ,Look & Listen』

Emil Richards

6歳頃より木琴をはじめ、中学生頃より年齢を偽り地元のクラブ等で演奏。16歳で正式に交響楽団に誘われプロデビュー。映画音楽のサントラなどに多数参加。確か日本にも兵役で数年滞在していたはず。1955年から4年はジョージシアリングのコンボに参加。映画『真夏の夜のジャズ』で映像が見れます。プレイヤー以外にも打楽器のコレクターとして有名。最新作は70歳を超えようという人のアルバムとは思えぬ程、にぎやか。 参考アルバム『Emil Richards/LunTana』

Tom Rickard

Frank Ricotti

Gary Burtonの影響を受けているヴァイブ奏者は数多く存在しますが、ここまである時期のバートングループのコンセプトの再現に賭けている人も珍しいのではないかと。本人いわく『私のこのグループのコンセプトはバートンのそれより早かった』ということなので何とも言えませんが・・・。参考アルバム『Our Point Of View』はラリーコリエルと一緒に活動していた頃のバートンカルテットにクリソツ!ギターがコリエルの30倍ぐらいうるさくて、リーダーがヴァイブ以外にもアルトを吹いたりしてますが・・・。

Orphy Robinson

Nils Rohwer

バ−トン系。ぜったいぜーったいバートン系。まあ、そう強調することもないかもしれませんがピアノ+ヴァイブというコンセプトを定着させたChick〜Gary初期のECMの名盤クリスタルサイレンスの世界を再現というか追求している感じ。数枚の既発CDのほとんどがピアノとヴァイブのデュオアルバム。そして、ほとんどが自己のオリジナルですが、その曲想がほっんとーに『クリスタルサイレンス』の世界!これがまた、後期デュオのチューリッヒあたりのライブやストリングスを加えたあたりの作品のイメージとは明らかに異なるところが面白い。しかし、アクセントをつける場所がほとんどアタマ寄りにガッツンガッツン来るところや、ユニゾるところは御国柄でしょうか、ガチガチに決めないと気がすまない(?)ほどしっかり弾いてくれちゃっているところがさすが鉄板ドイツ系?!参考アルバム『Piano Meets Vibes /Bilder einerReise』あの辺りの世界に興味のある方、是非御一聴下され!はまりますぜ!

Bob Rogers

プロフィールにはディスクジョッキー、アレンジャー、コンポーザー、ドラマー、
ヴァイビストとあり。1959年に27歳で自己のビッグバンドを設立。参考アルバム『All That & This Too With The Bob Rogers Orchestra』ではよく聴かないとどこにVibが鳴っているのかわからない程度。ソロスペースはなし。ベースに若き日のゲイリーピーコックが参加してますが・・・。

Adrian Rollini

Burkhard Ruckert

Greg Runions

カナダのヴァイブ奏者。参考アルバム『But Not Forgotten』では、ゲストにKenny Wheelerを迎えていることもあってか、サウンドはかなりECMちっく。ヴァイブ奏者としては4本マレットを駆使するテクニシャンという感じですが、あまりそれが全面にでなくて、基本的なコンセプトは、自己のオリジナル指向のようですが曲想はそれほど難解なものではなくけっこう聴いていてさわやかな印象がグーです。

S

Fats Sadi

知る人ぞ知るといった感のある、マニアックなベルギーのヴァイブ奏者。1927年生。基本的にはオーソドックスなスタイルに分類されると思いますが、この時代の人ですでに音をベンドさせるマニアックなテクニックなど随所に細かい小わざを聴かせてくれます。参考アルバムは一応、彼が26歳時の初リーダーアルバムということになっている『Fats Sadi and his Combo』をどうぞ。当時としてはかなりモダンなアンサンブルとやや固めのトーンでゴキゲンにスイングするスタイルが楽しめます。

Bill le Sage

1927年ロンドン生れ。レニートリスターノに師事。ヴァイブ以外にピアノもこなし、アレンジャーとしても活躍。演奏スタイルはこの時代としてはオーソドックスなもの。サウンドはエッジが効いて堅め、フレージングは純モダンというよりはスイングよりの中間派といった感じです。少しテディーチャールスに似ているかな。最近、バリトンサックスのロニーロスとの双頭コンボのアルバムがCDで再発されたので、こちらが入手しやすいかもしれません。新譜も出しており、こちらはギターベースヴァイブのトリオ編成。なんだかジャズ研の部室で録ってみましたといった感じの貧乏くさいサウンドですが、この編成でキャラバンとかスティービーのアナザースターが聴けるというのも珍しいのではと思い、参考アルバムは『The Right Vibes/Bill le Sage Trio』をオススメ!

Ed Saindon

デビュー当初は4本マレットを駆使し、少し前衛の香りのするかなり大胆なアプローチの印象があった4本マレットプレイヤー。音色自体は柔らかい。参考アルバム『Ed Saindon/The Great American Songbook』は、Warren Vache,KenPeplowskiらと小粋なアレンジにのって軽快なモダンスイングの世界。楽しく聴けます。

Dave Samuels

1950年生まれ。ドラムからバイブへ転向したパターン。一般的には1978年から参加したフュージョングループ、スパイロジャイラでの活動が有名。4本マレットプレイヤー、カナダのピックアップメーカーのモニターとして、現在廃刊の某雑誌によく広告をみかけました。また、4本マレット奏者に特定した視覚的な要素を取り込んだ教本を書いたりと活動の幅は広い。参考アルバムのカルジェイダートリビュートでは、カル本家に欠けていたペダリングの問題を当然クリアーしたDave氏がマニアックなプレイを披露。かなり研究熱心なプレイヤーではないかと思われますが・・・

Bobby Sanabria

Breno Sauer

ブラジル出身。もともとアコーディオン奏者としてスタートするが、アートバンダムのコンボを聴きヴァイブに転身。音色はけっこう太いので、比較的大きくて重いマレットを使用している気がしますが、詳しいところは不明。キャリアは比較的長く、1965年あたりから録音はあり。リーダー作以外ではジョアンジルベルトのもの確か3作ほど参加し、活動をしばらく供にする。その後、奥さんと2人の娘さんを含んだ自己のバンドでかなり長い間アメリカを中心にツアーに出る。参考アルバムはピアノトリオをバックにボサノバを中心に演奏しており、すごく聴きやすくお勧め。 参考アルバム『Breno Sauer /4 Na Bossa 』

Woody Schabata

ウイーンのベテランミュージシャン。楽器はマッサーM55、4本マレット。Gary Burton氏をオーソドックスにした感じ、というか初期のトリオを組んでいたころのBurton氏に雰囲気は似ています。スタジオの仕事が多いようで、リーダーアルバムがあるのかは不明。参考アルバム『高樹レイ/Here's That Rainy Day』では、やはりウイーンのRoland Batik(P)とのトリオで歌伴に絶妙のコンビを聴かせる。

Carl Schulze

オランダの歌姫アンバートンの伴奏等でお馴染みのLouis Van Dykeのアルバム『Bluesette』に参加。詳しい経歴や使用楽器等はわからず。演奏スタイルはテディーチャールズのヨレヨレ感をしゃっきりさせた感じ(?)で結構硬質なサウンドだが、細かいフレージングもしっかりしたテクニックで、難解な印象を与える事なく聴かせてくれるオーソドックスなモダンジャズプレイヤー。

Arturo Serra

1967年スペイン生まれ。1989 年にマドリッドで開催されたバークリーセミナーでバートン氏のセミナーを受講し、本格的なJAZZ活動に入る。それまでは、クラシックのオケとか色々やっていたもよう。影響を受けたミュージシャンは第一にバートンを挙げ、後にレッドノーボとジャクソンの影響を受け、ボビハチも好き、新しいところではスティーブネルソンにジョーロックも好み、デクスターやチェットベイカーにも感化され、メッセンジャーズやOTBのサウンドも目指したいって、あなた誰でもいいんじゃないの?セニョール!と突っ込みのひとつもいれたくなるようなことをインタビューで語っておりました。参考アルバム『Confidencial/Arturo Serra Sextet』はほぼ全曲オリジナルの少し新主流派よりのハードバップといった感じだが、どこかパエリヤを連想するスペイン風(?)ジャケットもサフランで染めたような感じだし。

Steve Shapiro

Harry Sheppard

60年代にベニーグッドマンのコンボに参加。他クラークテリー、アルコーン、ズートシムズらと共演。70年代にはNYでアバンギャルドロフトシーンでフリーライフのメンバーとしてまたCottonmouthという自己のバンドを組んで活躍。参考アルバム『The Harry Sheppard Group/Symbiotic』ではVib,Bass,Drums,Percという編成で全編ディーガンエレクトラを4本マレットでプレイ。スタンダードは割と普通に、オリジナル曲はかなりフリーにアプローチ。  なんだか不思議なお方です。

Mark Sherman

最初に聴いたのは、確かRodney Jones のThe Undiscoverd Fewというアルバムに参加していたものだったかと。その時の印象はサイドマンということもあったのでしょうがカル〜イ感じのクラブ系、チャラチャラ系(?なんだそりゃ)という感じでしたが、リーダーアルバム『Mark Sherman/The Motive Series』を聴いてビックリ。あ〜ん、お兄さん硬派な方だったのね〜、ス・テ・キ〜?っー感じ。エッジの効いたサウンドはほとんどノーペダルで綴るイーブンな8分音符のゴツゴツ感と相まって、これぞ男のジャズ!イェイ!

Charlie Shoemake

この人もジョージシアリングのコンボ出身。見た目の割に、キャリアは長い。楽器はいつの時代の写真を見ても、必ずM55。4本マレットだが、ピアニストがいる時はほとんど和音弾かず。ピアノがいないセッションなどでバッキングはしている。演奏は比較的穏やかな印象で、スイングからモダンまでこなすという感じ。

Altfrid Sicking

Cecilia Smith

黒人女性ヴァイブラフォンプレイヤー。バークリー卒。4本マレット。楽器はマッサーM48。自己のリーダーアルバムがカナダのブラウンストーンというレーベルから確か4枚程出ていたはず。日本製作のCDで香取良彦さんと2ヴァイブというCDもあり。あまり4本マレットを駆使してどうこうという感じではなく、普通の新主流派ジャズ(?)といったところ。参考アルバム『Cecilia Smith Quartet/High Standards』(Brownstone)
http://www.ceciliasmith.com/

Warren Smith

Mattias Stahl

スウェーデンのvib奏者。4本マレットプレイヤーで、参考アルバム『Stahls Bla』では、2本目を中指と薬指にはさむタイプとお見受けしました。このアルバム以外に資料がないのでなんとも言えませんが、ヴァイブ、ベース、ドラムにテナーサックスという編成で聴かせてくれる世界は、かなりフリーでアバンギャルドながら、物凄いスピード感としっかりした構成の自己のオリジナルで固め、例えば、プラグドニッケルの頃のマイルスが好きな方などにはかなり気に入っていただけるのではないかと。シリアスでカッコイイ!

Rupert Stamm

Guga Stroeter

ブラジルで活躍中のプレイヤー。芯がありながらソフトな印象を残すトーンとよく歌うフレージング、ちょっとルーズなペダリングまで似ていることもあり後期コンコードの頃のカルジェイダーを彷佛とさせます。で、意外と丁寧で上品なんです。国内盤での入手が可能かどうかわかりませんがリーダー作および参加アルバムは数多く残されています。お国柄もあってかボサ系の曲にはさっすが〜と感心してしまうことしきり。

T

Jerry Tachoir

マッシュルームヘッドの4本マレット+マッサーM-55.。ジャケット写真では本体に取り付けるタイプのバータイプのピックアップが付いています。参考アルバム『Forces/The Jerry Tachoir Quartet』は自主製作のもの?。細かい経歴が一切記されていないので詳細は不明ですが、アルバムの雰囲気がアトランティックのキースとバートンの双頭アルバムに酷似していたり、ファンは回さず、またアルバム参加メンバーがTony Germain(p)Kari Juusela(e-b)に斉藤純(ds)氏が参加ということで、バートン氏に師事したバークリー出身のプレイヤーではないかと思われますが・・・。

Yancie Taylor

Don Thompson

カナダのパウエルリバー出身。ピアノ、ベースもこなす。というより、ジムホールグループのベーシストという認識の方も多いと思われます。19歳でバンクーバーへ出てプロ入り。どの楽器を弾いても、丁寧ですごく品のいい演奏をする音楽家という印象だが、初録音がジョンハンディグループのモンタレーのライブとは意外。楽器はマッサーセンチュリー、マレットはマイクバルターエミールリチャーズモデルミデイアムソフトを巻きなおして使用。2本マレット。参考アルバム『Don Thompson/ Days Gone By』

Heribert Thusek

1933年ポーランド南部のシレジア生。1962年に西ドイツに移住、フルート奏者を兼ねるスタジオミュージシャンとして活躍する傍ら、TV番組の編曲も行う。MPSからリリースされたジョージシアリングのアルバム『The Way We Are』に参加。このアルバム『やさしく歌って』や『アローンアゲイン』やビートルズナンバーなどなどお馴染みの選曲と聴きやすいアレンジなどなど結構魅力的。ただ、ヴァイブは例のシアリングサウンドのための一員として参加。ソロスペースはなし。他にMPSレーベルのアートヴァンダムのアルバムに録音あり。(2004.4.30追加情報)

Bobby Timmons

そうです、今さらどうこう言うのもおこがましい?あのモーニンの方なんですが、ちょこちょことVibをプレイしているアルバムもあるので御紹介いたします。Buddy Montgomeryほど気合いをいれて取り組んでいる訳ではないようですが、ピアノと同じ鍵盤楽器としての発想による大変わかりやすい2本マレットでのスタイル。

Franck Tortiller

4本マレットプレイヤーで楽器はヤマハ。かなりヴァイブ単体での楽器の可能性に賭けているお方ではないかなという印象。活動のフォーマットがまず、ソロ、次にドラムやサックスとのデュオ、ヴァイブ、チューバ、コルネットのトリオ、ヴァイブ、ベース、ドラムとのトリオなどコード楽器を排した編成にコダワリ、確かにこれらの編成の特種性を感じさせることなく充実した音楽を提供してくれるところや、曲想により音色自体に変化を持たせたりすることのできるオタク系実力派(?)。昔はよくマイクギブスのオーケストラでフューチャーされていた記憶があります(参加LP数枚あり)。参考アルバムとしては中でも比較的聴きやすいと思われるベース、ドラムとのトリオフォーマットによる『Franck Tortiller Trio/Early Dawn』をどうぞ。この編成でのひとつの完成型がここにあるといっても過言ではないでしょう。

Gust William Tsilis

シカゴ出身。プレーヤーとして以外にもエンヤレコードのアメリカ支部代表としてプロデューサーとしても活躍。プレイはかなりとんがったコンセプトと四本マレットを駆使し、かなりテンションが高くシリアスでカッコイイ!80年代のウイントンマルサリスバンドなんかがお好きな方には、はまることまちがいなし。エンヤからは勿論3枚程リーダー冊をリリース。他にNYのケン・ミュージックからも2枚のアルバムを発表している他、ハーブロバートソンのJMT盤、リンゼイホーナーのグループ、アーサーブライスのアルバムにも参加している。

Cal Tjader

僕が高校生の頃ホームステイ先でお世話になった家庭ではクリフォードブラウンを知らないご家族でしたが、カルジェイダーのアルバムが何枚もありました。日本での評価とはかなり違うようです。ブルーベックのドラマーとしてキャリアをスタート。2本マレット、楽器は基本的にディーガンだが、以前見たブルーベックの記念コンサートでは39mm幅均一のマッサーで『A列車』とかをプレイしてました。ゲストなんだからもっと良い楽器用意してあげればいいのに!マレットは軽くて固めのタイプを好むよう。良く歌うフレージングや自分のバンドでのアレンジやセカンドリフなどは色々参考になります。参考アルバム『Cal Tjader/La Onda Va Bien』あ、でもこのアルバムのスピークロウはキーがDナチュラルでやんの。

V

Tom Van der Geld

Tommy Vig

1938年 ブダペスト生まれ。ハンガリーを代表するVibist。バルトーク音楽院とジュリアード音楽院に学ぶ。評論家のレナードフェザー氏をしてアメリカ音楽界のリーダーとして嘱望されるとの評価をいただき、ま1968,1969年のプレイボーイ誌バンドリーダーオブザイヤーに。参考アルバム『Tommy Vig In Budapest ! 』では地元ハンガリーのピアノトリオをバックに,枯葉、オレオ、ソフトリー、朝日のように〜と定番曲が並ぶ。スタイルは音の選びはオーソドックスながら、ソロの展開はよくいえばドラマチックというか、ちょっと大袈裟。バックのトリオがソロに大袈裟に反応することもあってかなり独特な雰囲気。

W

James Walker

Bill Ware

もともとエレベ。15歳でヴァイブに転向。'90年にグルーブコレクティブを立ち上げ。参考アルバム『Bill Ware/Sir Duke』ではなんとギターとのデュオでエリントン作品集。この辺りに位置するミュージシャンやフリージャズ系のプレイヤーはなぜかbe-bopを通り越して、トラディショナルなところにルーツがあるのが面白いところ。楽器はディーガン、4本マレット。

Rob Waring

ノルウエーのVib奏者。参考アルバムではVib,Bass,DrumsのトリオにVoを加えた編成でほとんどRob Waringのオリジナル曲を演奏。4本マレット、楽器は不明。 こういう編成で活動する場合はそのままそのスタイルがやりたい音楽ということで、ジャンルわけして解説することには意味無い感じ。音色や曲想はおだやかで、編成から想像される妙なテンションの高さはないので先入観無くワンアンドオンリーのRob Waringワールドをお楽しみ下さい。

Julius Wechter

1936年LA生まれ。シティカレッジで音楽を専攻し、和声、対位法、編曲を学ぶ。参考アルバム『Linear Sketches/Julius Wechter Quartet』ではVib.As.B.Dsというピアノレスカルテットなれど、自身のVibはコード楽器ではなく管楽器であるという考えだそう。そして、このバンドはVibとAsの対位法のラインが売りであるとも言っており、この時代にしてはちょっととんがったコンセプトのバンドかも。しかしサウンドは軽く、テリーギブスをもう少しモダンにした感じで、すごく室内楽的で聴きやすいです。

Kurt Weil

Lem Winchester

1928年生まれ1961年没。もともと警察官として仕事をしていたが、評論家のレナードフェザーに見い出され1958年のニューポートジャズフェスティバルに出演した時のライブレコーデイングが初レコーディング。楽器はジャケット写真や録音を聴くかぎりナローバーに近いのものではないかと思われるサウンド、某掲示板にあった『ピヨピヨ』という表現は実にナイス。ほんの2年半程活動したところでロシアンルーレットで死亡。というわけでリーダーアルバムは数枚。サイドでも数枚。ただ様々なタイプのミュージシャンとの録音が残されているのがせめてもの救いか。参考アルバム『Perform A Tribute To Clifford Brown』はラムゼイルイストリオをバックに綴った名盤。

Billy Wooten

グラントグリーン、リチャードエバンスらのバックメンバーとして有名(?)もともと残されている録音が、同じブルーノートでも後期の純ジャズファンがあまり注目しない頃に集中しており、ヴァイブ奏者としては前に出てバリバリソロをとるタイプではなさそう。本人の指向するところも参考アルバムに聴けるような軽い8ビートものではないでしょうか?現在もインディアナポリスを拠点に活動中。
参考アルバム『Billy Wooten/In This World』

Y

Steve Yeager