■海外のアーティスト G-N■

(編集担当 いさつ)

G H J K L M N

G

Dwight Gassaway

Terry Gibbs

1924年ブルックリン生まれ。ウディハーマンのバンドに参加したあたりから、広く知られるようになる。50年代初めには、自己のビッグバンドを結成。また、近年はバディデフランコとの双頭コンボでの活動が有名。楽器は一貫してディーガンを使用。そういえばディーガンにテリーギブスモデルというマレットがありました。アルバム数は数多く、1950年から1953年の4年連続でメトロノーム誌でハンプトン、ジャクソンを押さえて首位に選ばれているほど、あちらでは人気が高い。参考アルバム『My Buddy』は軽快なプレイと随所に細かいキメと粋なアレンジが光る!

Herb Gibson

ルイジアナ出身だが、40年にわたる活動のほとんどはサンフランシスコ。楽器はディーガン、マレットはアルブライトのミディアムソフトとかなりミルトジャクソンを意識したセッテイング。待望の初リーダーアルバムではJackson のHeart StringsというバラードからJimmy WitherspoonのVoをフューチャーしたトラックまでバラエテイに富む選曲だが、どちらかというとR&Bよりのプレイヤーという印象。参考アルバム『Herb Gibson &Friends』

Ronnie Gleaves

イギリスのミュージシャン。参考アルバム『Teddy Wilson/Stomping at Savoy』ではベニーグッドマンスタイルのクラを加えたコンボでの演奏。そつなく、役割をこなし、少しピーターアップルヤードに似ているという印象を受けましたが。ソロスペースが少なく、細かいところはなんとも。資料からは同地で活動のスタジオミュージシャンとのこと。

Richard Greenblatt

偶然入手したDVD映像で初めて知りました。使用楽器はマッサーセンチュリーのふっるーい奴。使用マレットは2本プレイ時はマイクバルターのっちー御用達モデル、4本プレイ時はグッドヴァイブス系。う〜ん今のところ、この映像しか情報が無いので何とも言えませんが、まだ色々と自分のスタイル探しの旅の途中ですかい?でもプロだもんで、これが彼のコンセプトといえばそういう芸風もありかと。ヘタとかそういう訳じゃないざんすよ。すごくやりたい事は解る気がするんです。最近、バークリーの助教授に就任されたそうで、まずはおめでとうございます。参考DVD『Hideaki Tokunaga Quintet/Adios Plaza』こわれかけ〜のRADIO〜♪の彼じゃありません、念のため。

Jack Gridley

ミシガン州サギナウ生れ。ヴァイブをメインとしながらもピアノ、トロンボーンも見事にこなす。基本的なスタイルは楽器を問わず特にぶっとんだ事をするわけではなく、比較的シンプルにうまく歌いあげていくスタイルです。参考アルバム『The Jazz Exponennts』では自身でヴァイブ、ピアノ、トロンボーンを演奏し、もうひとりのフロントにトロンボーン、とピアノを演奏させ後はベース、ドラムの不思議なクインテット編成で、ある時は2トロンボーンのJ&K風アンサンブルがあったり、MJQ風なアレンジがあったりとちと忙しい感じもしますがツアーなどではこれがエンタメイメント性を高め(?)聴衆を飽きさせず、結構好評だったそうです。

Earl Griffith

1926年ブルックリン生まれ。8歳から12歳までバイオリン、クラリネット、サックスを学び、1952年からVibをスタート。この年令で、どういうコンセプトのミュージシャンか興味のあるところだが、残念ながら、あまり録音が残されているわけではない。最も入手しやすい音源としては、初期のセシルテイラーのアルバム『Looking Ahead!』あたりでしょうが、そこでのプレイは、あまりバップ臭のない、どちらかといえばスイングをルーツに感じさせるもの。共演者や曲想がいずれも一癖あるので、ゴツゴツしたアプローチが、なんだかとても新鮮に響きます。

Alex Grillo

フランスのヴァイブ奏者。年齢不詳だが過去のアルバムの録音年月日から想像するに比較的若いのではないかと思われます。例によってジャケットライナーがフランス語ゆえよくわかりましぇーん。で、参考アルバム『Triplett』はVib+Piano+Bass Vib+Accordeon+Tuba Vib+Guitar+BarytonSax というジャズ的には異色と思われる編成の3つのトリオの演奏が納められています。ほとんどオリジナルですが中にはモンクのEpistrophyとかもやってたりします。で気になる演奏内容はというとジャズではなく現代音楽でしょう。ジャズのスイング感というよりも現代音楽のスピード感を楽しめる方には面白いかも。Vibのサウンドもかなり固めで、これもオケのパーカッション持ち替えの人のサウンドをイメージさせる要因かと。

Darwin Gross

別名『ダージ』。3枚の自主製作アルバムの後、この参考アルバム『Darji Meets Hank』をハンクジョーンズをゲストに製作。ただし、その3枚の自主製作アルバム中にジョンルイス、レイブラウン、メジャーホリー、ミッキーロッカーなど豪華メンバ?が参加しているので侮れない。が、実際、聴いてみるとそれほどウマイという感じもないがフレディーマッコイやジョニーライトルを白っぽくするとこんな感じ?うーん、向うではこのタイプはそこそこ人気があるのかなぁ?

Gerry Grosz

Claude Guilhot

フランスのバイブ奏者。一言で言い切るとすればズバリ『レム系!』。活動した世代が近くどちらがオリジナルかよくわかりませんが、ピョピョサウンドはもとより、アップテンポの曲等に聴かれるスピード感のある若干突っ込みぎみの八分音符などまで異常に酷似しています。参考アルバム『Belbology/Claude Guilhot et son Orchestre』ではオリジナルのタイトルナンバーはミルトジャクソンのブルーソロジーを意識してソロ中にそのテーマを引用したりしてます。本人的にはジャケ写から見ると短かめのマレットの端を手首から出さずに持っていたりして、アイドルはミルトだったのでしょうが、その吸収発展過程でこのような個性に成熟していったのはなんとも興味深いところ。ジャンゴのNuagesやキャノンボールのWabashをとりあげる選曲センスや細かいアレンジ、セカンドリフのしかけ満載でフランス産ハードバップの面目躍如!こりゃオススメざんすー!

Terry Gunderson

H

Lloyd Haber

Nasir Hafiz

このアルバム以外に全然情報がありません。Abe Woodley という別名でも録音あり。参考アルバム 『Charles McPherson/Horizons』はシダーウオルトン、ウオルターブッカー、ビリーヒギンズに何と!パットマルティーノが参加。キビキビのリズムセクションの上に乗るフロントはマルティーノを別にすれば、ビバップ語法にこだわり、微妙なヨレ方と重さで語るミュージシャンですので、ハードバップのお好きな方にはたまらない雰囲気があります。少しテディチャールスみたいな雰囲気

Dave Hagedorn

YAMAHAの契約アーティストのこと。だから多分使用楽器はヤマハ?芸風は珍しくマイニエリ先生のコンセプトを踏襲している印象を受けます。それはピックアップを使用した演奏自体からというだけではなく、参考アルバム『Dave Hagedorn/Solid Liquid』が自己のオリジナル以外に、ミンガスのブギストップシャッフル、チックコリアのマトリックス、ジョーヘンのインナーアージというあたりからアーサーブライス、ケニーホイラーといういずれも一癖あるマニアックなプレイヤーの作品からの幅広い選曲と、ヴァイブトリオという色々な制約を受けそうなフォーマットにも関わらず、安心して『音楽』を聴かせてくれる懐の広さを感じさせてくれるかも知れません。これから要注目のプレイヤーでしょう!

Gunter Hampel

フリージャズミュージシャンとしての認識が強いと思われるが、参考アルバム『Gunter Hampel / Heartplants』ではジャーマンジャズの重鎮、アレキサンダーフォンシュリッペンバッハ(すんげー名前!)らと、6/8,5/4といった変拍子を駆使するちょっとプログレちっくな曲想が面白い。フルートもプレイ。

Lionel Hampton

1909年生。細かいプロフィールや経歴、演奏スタイルには今さら触れずもがなの大御所ゆえ、ここではバンドリーダーとしての意義について少し。彼は1940年代に自己のビッグバンドで大きな成功を収めて以来、ヴァイブ奏者兼ビッグバンドリーダーとしての評価を確立、維持し続けています。尊敬すべきは経営難やジャズ界自体の景気の浮き沈みに左右されることなくこのスタンスを変えていないこと。そのお陰で、新人ジャズメンの登竜門として今だに輝きを失ってはいません。クインシー、デクスターゴードン、ブラウニー、アートファーマー、ウエスモンゴメリー、ジョニーグリフィン、MALTA 、クニ三上・・・。参考アルバムとしてはあえて定番のスターダストではなくスティービーワンダーからジョシュアレッドマンまで世代やジャンルを超えた人脈の参加がうれしい『For The Love Of Music』をどうぞ。

Hagood Hardy

Bill Harris

詳しい経歴などはよくわかりませんが、メイン楽器はSteelDrums、次いでマリンバがきて、最後にヴァイブというちょっとめずらしい持ち替え(弾き替え?)パターン。参考アルバム『Salsa Steel』は1曲目からIn A Sentimental MoodをSteelDrumsでサンバアレンジ、Take Fiveは四拍子でという意表をつくアレンジ。ジャケットからはセルフプロデュースということがわかりますが、録音、ミキシングも自分でとあり、しかもRecorded at Harris Studioとな。演奏は、テクニカルなフレーズも無理なく安心感をもって聴かせる技術はかなりのものと思われます。

Stefon Harris

1973年NY 生まれ。いや、若いなぁ。最近のヴァイブ奏者ではジョーロックに次いで参加アルバムの多いミュージシャンでしょうか。楽器はいろいろでしょうけど基本的にマッサー派。マレットはアルブライト使用。奏法はかなりパーカッシブ、アドリブはひとつのモチーフを自分で提示してそれを発展させていくというパターンが特徴的で、一聴「あ、彼だ」とわかる個性はあるが、少し好みの別れるところでしょう。個人的には凝り過ぎの感のあるリーダー作より、サイドマンで参加しているセッションにヴァイブ奏者としての魅力を感じます。お勧めは誰が何といってもチャーリーハンターのバンドでのこの1枚。なぜ、ホラー映画のキャンディマンを題材にしたのか不明で、ジャケットがかなりきてますから、通常のジャズファンはお店で手にとってもすぐ、棚に戻しそうですが、これがなんとレーベルはブルーノート。参考アルバム『Charlie Hunter/Return of the candyman』

Mathias Haus

詳しいプロフィールは現在調査中。4本マレットをかなり駆使する超絶技巧派。音を聴く限り、多分楽器はマッサーでマレットは、木綿糸巻のマッシュルームヘッドタイプの硬質でクリアーなサウンド。参考アルバムに挙げたのはギターとヴァイブのデュオアルバムだが、かなりテンションの高いCorea&Burtonのギターとヴァイブ版という感じ。『The Wind Up』というキースのオリジナルを演っていたりしてます、コンテンポラリーなジャンルを指向している感じ。ホームページhttp://www.hausvibes.de/index.htmlもありますが工事中でした。

Michel Hausser

フランスのヴァイビスト。ちょっと変わっているのはヴァイブとチェンバロを弾きわけるところ。参考アルバム『Michel Hasusser/Holiday For Vibes And Cembalet』ではVib.Cembalet+Bass+DrumsにViolinやFluteを加えて優雅にスタンダードをプレイ。なんだかちょっとおフランスの雰囲気(?)ざんす。Vibのスタイルはオーソッドックスでシンプルでわかりやすいソロはコピーネタにも最適、簡単でオイシイフレーズが満載で、どんな経歴か気になるところですが、ジャケットがフランス語ゆえ、ミーには読めないざんすよー!。シェー!!!

Tubby Hayes

1935 年ロンドン生まれ。15歳頃よりプロ活動を開始。ヴァイブ以外にも、テナー、フルートも、というよりこちらがメインという感じ。楽器問わず、スタイルは2本マレットの完全ハードバップ。全く迷い、陰りのないスカッとした演奏が実に爽快。最近CDが何枚か再発売されたので、音源も比較的入手しやすい。参考アルバム『JAZZ COURIERS Featuring Ronnie Scott & Tubby Hayes』

Glenn Henrich

Steve Hobbs

4本マレットプレイヤー、楽器はヤマハ。参考アルバムでのサイドマンはケニーバロン、ピーターワシントン、ビクタールイスと4つ系の重鎮が並び、リーダーアルバムはCANDIDからリリース、アルバムジャケットに記載されたデイブパイク、ジョーロック、デイブサミュエルズへのスペシャルサンクスうんぬんやマリンバもプレイするという情報から想像されるよりも、意外にバップ言葉のオーソドックスなスタイルとコンセプトのプレイヤー 。参考アルバム『Steve Hobbs/On The Lower East Side』

Jay Hoggard

サイドマンとしてはチコフリーマンのバンドでピアノレスカルテットで活躍。初リーダーアルバムはインデイアナビゲーションからなんとソロヴァイブでリリース。その後メジャーデビューをなんとGRPからリリース。ここではレーベルカラーもあるのでしょうがトロピカルフュージョン(そんなもんがあるのか?)路線に方向転換。で、次はなんとMPSからピアノ+ヴァイブのデュオ、これはエリントンとハンプトンにトリビュートした聴きごたえのある名盤です。で、次はコンテンポラリーからまた南国フュージョン路線といった具合だもんで、一部硬派(?)ジャズファン、評論家の皆様からはあまり評判がよろしくなかったりするようでしたが、粒の揃ったサウンドと前述のようにフリーからケニーバレルまで幅広い活動はVib奏者として実力はかなりなものと思われます。

Mike Horsfall

Bobby Hutcherson

1941年1月27日カリフォルニア、ロサンゼルス生まれ。9歳でピアノを始めたが、のちにヴァイブに転向。主に西海岸を中心に活動していたが1961年にニューヨークに進出し、ジャッキーマクリーン、エリックドルフィーなど数多くのミュージシャンと共演を重ねる。といったところが一般的に伝えられる事の多い、彼のプロフィールでしょうか。デビュー当時からパシフィックレーベルのカーティスアミーのバンドでの録音等では、ミルトちっくなアプローチも多かったが、ブルーノートに録音を残す頃になると現在のような、一聴して彼と判るシズル感のあるサウンドや、音価の長い8分音符、独自のフレージングなどが確立されてくるようになる。一般的な代表作としてはハンコックトリオと組んだ『Happenings』が挙げられる事が多いのですが、あえてここでオススメするのは、同じハンコックトリオとの『Oblique』(いずれもブルーノー
ト)前者のまとまり具合とはまた違った、荒削りで危ない魅力は絶対にお勧めです!見かけたら即GET!ですぞ。100人目記念期間限定ボビハチインタビュー記事
http://homepage2.nifty.com/isatsu/denty/bobihachi.html

Marjorie Hyams

J

Milt Jackson

Paul Jackson

ジャズヴォーカル界を代表するおしどりコンビ、ジャッキーアンドロイのバックを長く勤め1981年には日本にも来日している。バークリー出身。
参考アルバム『Jackie And Roy/HighStandards』は練り込まれたアレンジやおしゃれなセカンドリフとスタンダードな選曲でいろいろ参考になりますし、楽しめるアルバムとして広くお勧めできる1枚。

Bill Jacobs

Khan Jamal

1946年フロリダ生まれ。マリンバ、ビブラフォンをGranoff School Of Musicで学ぶ。バイアードランカスター、サニーマレイらと共演。ハンプトン、ジャクソン、特にレムウインチェスターに影響を受けたとあり、まだ学生時代に某ジャズ雑誌の輸入レコード評で、参考アルバム『Dark Warrior/Khan Jamal Quartet』を『まさに、これは黒いステップスだ!』と評してあり、さらにレーベルがステープルチェイスということもあって、その日のうちにバイト代握りしめて心ウキウキワクワクとレコード屋に走りました・・・責任者出てこいっ!!! ま、今となってはそんな激昂することもないと思いますけど、当時の印象はそんな感じ。なんだかオーネットがヴァイブを弾いたらこんな感じになるのかな?フレージングはある意味フリー系に特徴的な、スイング系にルーツを感じさせるもの。アルバム数はかなりあります。最近もCDーRで自主製作盤をリリースしてました。

Mark Josefsberg

Andre Juarez

K

Rickey Kelly

African Roots Of Jazzのパーマネントメンバー。リーダーとしての活動より、サラやカーメン、ダイアンリーブスのバックで活躍という印象が強いが、リーダーアルバムでは自身のオリジナルの曲想や選曲(ハンコックのドルフィンダンスとか)からハードバップ以降のスタイルを指向しているプレイヤーということが良く解る。その割にフレージングは解りやすく、サウンドもソフトで明るいところがヴォーカリストに好まれる所以か。参考アルバム『Rickey Kelly/Here's To Good People』

Anthony Kerr

ロンドンで活躍中の若手ヴァイブ奏者。使用楽器は不明。マレットはマッシュルームヘッドタイプ。4本マレットだが、リズム隊にコード楽器があるときはバッキングはせず。アルバム中、全くのソロバイブでのトラックで4本マレットをフルに活用。ツンツンヘアーのルックスとは裏腹に演奏はかなりオーソドックス。参考アルバムではヴァイブ、ハモンドB3、ドラムという編成で、Satin Doll, Laura,The Midnight Sun,Day In Day Out,That Old Black Magicなどかなり渋いところを演っております。
参考アルバム『Anthony Kerr/Too Marvellous For Words』(Zepher Records)

Tommy Kesecker

Frederick King

Eddie Koopman

全然経歴など不明。たまたま入手した参考アルバム『Clare Fischer/The Latin Side』というアルバムで数曲フューチャーされていました。このアルバム自体が最近の録音ということと、リーダーの活動パターンから推測すると多分スタジオ中心に活躍されている方ではないかと思われます。スカッと明るい抜けのよい聴きやすいサウンドが特徴です。

Philip C .Kraus(Phil Kraus)

詳しいプロフィールは全く不明。ヴァイブ奏者でもあるゲイリーマクファーランドの設立した知る人ぞ知るマニアックなSKYEレーベルからの参考アルバム『GradyTate/Feeling Life』は本来ドラマーであるグラディテイト氏がストリングスやフレンチホルンなどを加えた大編成バンドをバックにスタンダーを歌うという作品ですが、ここでパーカッションとヴァイブを担当しています。多分、スタジオワークを中心に活躍したプレイヤーでないかと思われます。

Harald Kundgen

L

Wolfgang Lackerschmid

4本マレット、ピックアップを使用したVibを使用。和音もオープンヴォイシングやクローズボイシングを絶妙に使い分け実に柔らかな世界。参考アルバムでは晩年のチェットベイカーとワンアンドオンリーな世界が楽しめます。

Frits Landesbergen

1961年オランダ生れ。小さい頃、アマチュアギタリストであった父親に連れていかれたモンティアレキサンダートリオのライブを見て、幼心にこの業界で食っていくのだ!と決意したとあります。当初ドラマーとしてプロ入り。心酔したのは当然、当時のモンティアレキサンダートリオのドラマー、ジェフハミルトン。これらの名前が挙がるということは、当然かのジャクソン氏とも交流がありオランダのTVショーでミルト氏と(ドラマーとして)共演も果たす。印象深いのはビクターフェルドマン氏をリスペクトする発言が数多く、オランダのコンセルバトワールで打楽器全般を学んだというアカデミックな経歴から想像されるであろうサウンドより、いわゆる『ジャズ』を感じさせるコンセプトは個人的にもかなり好きだわ?参考アルバム『Jeff Hamilton Trio / featuring Frits Landesbergen最高!

Alan Lee

Garry Lee

Carl Leukaufe

2本マレットプレイヤー。シカゴ出身。マレットはジャケットを見る限りでは自前で巻いた(巻きなおした?)ヘッドの小さい、軸の短いものを使用。スタイルはもろハードバップ一直線。選曲もその手のジャンルが好きな人に堪えられない。楽器はマッサーM55。あまり情報がないので年齢も?だが、写真から判断する限りそれ程若くはない感じ。極短期間ジョージシアリングとも共演暦あり。

Ulf Linde

1929年生まれのスイングとバップの間を行き来するスゥェーデンのプレイヤー。初録音は19才で経験。時代もあってスピードコントロールのない高速ファンの楽器を使用しており、基本的なスイングスタイルから受ける印象はやはりハンプトン系ではあるが、参考アルバム『Ulf Linde/JAZZ1948-1952』に残されたグッドマンスタイルやシアリングスタイルのコンボでの録音を聴く限り、テンポによりフレージングが別人のようにガラッと変わるところが特徴的。まるで昨日まで王子様のように優しかったホスト君が翌日お金がないと知るや手のひらを返したように冷たくなるような豹変ぶり。けっこうイケメンだし。

Erik Lindstrom

Arthur Lipner

アメリカのVib奏者。4本マレットを駆使するテクニシャン。マッサーのクリニシャンということもあり、当然楽器はマッサー、もちろんマレットも。ただ、マレットに関してはマイクバルターのモニタープレイヤーでもあります。当初、ピアノをはじめ、13歳の時に誰かの家にあるヴァイブを見て、まずその姿に一目惚れしたそうで、それがこの楽器との出会いとのこと。参考アルバム『And The World Jazz Group』ではマリンバを中心にプレイしていますが、明るい曲想の自己のオリジナル中心のアルバムで、難解なイメージや超絶技工を売りにしている印象はなく、聴き終えて爽やかな後味が。録音がデビッドベイカーというのも好感度高し。

Joe Locke

初リーダーアルバムのインタビューではボビハチがアイドルで一番影響も受けたとのこと。参加アルバムは数知れずの売れっこプレイヤー。また最近はプロデューサーとしても活躍。4本マレットと基本的にはピックアップをつけた楽器を使用。ステープルチェイスからのリーダーアルバムが数多く、内容はピアノとデュオから、ギターや管楽器を加えた編成まで様々ですが、参考アルバムとしてはケニーバロンとのデュオを挙げてみました。内容はタッドダメロン からイバンリンスまでバラエティに富んだ選曲でなかなか聴き飽きることのない、大人の世界って感じ?オススメです。

Francesco Lo Cascio

イタリアで活躍中のヴァイブ奏者。4本マレット、楽器はMusser。かなりバートン系ですが、音色やプレイは本家より、もう少し柔らかな印象を受けます。自分やメンバーのオリジナルを中心にする事が多いコンセプトのようですが、Vib,Bass,Drumsを基本編成にした参考アルバム『Francesco Lo Cascio/Vibes Trio』は『マイクセッティングや録音の雰囲気を5〜60年代のような感じでやってみないか?』というコダワリを持って製作したというスタンダードも含む、なかなか聴かせる作品です。

Matthias Lupri

1964年ドイツ生まれ。楽器はマッサーM48で4本マレットにピックアップ。初めはロック、ブルース、カントリーのドラマーとしてデビューしたが、G.Burton氏の『Times Square』を聴いてVibeに開眼。バークレーに学ぶ。同アルバムにあるようなVib,Bass,Drumsのリズムセクションにフロントを乗せるという編成に当初から自分のバンドのコンセプトを定めていたそう。1994年にバークレー卒業。参考アルバム『Shadow Of The Vibes』はフロントにGeorge Garzoneを迎えモーダルでスピード感溢れるオリジナルを中心にサムリバースのBeatrice等もプレイ。

Arthur Lyman

ハワイ出身のエキゾチック音楽の巨匠、アーサー・ライマン。というのが一般的な認識でしょうか。90年代に巻き起こったラウンジ・リヴァイヴァルの影響を受け、近年再評価の波が高まりつつあるようです。ソロがどうこうというよりヴァイブを含んだサウンドトータルで勝負といったところ。まーったりとした時間が心地よく流れていきます。参考アルバム『Lies Of Jazz/Arthur Lyman』ではジャケ写真もレイがあしらわれており、ワイハーって感じ。

Norbert Lucarain

フランスで活躍中のヴァイブ奏者。楽器はソナーを使用し4本マレットを駆使。参考アルバム
『Norbert Lucarain Trio/Noctrambule』では、なんだか『ドリフの大爆笑’98』といったふざけた感じのジャケットとは裏腹に、ヴァイブ、ベース、ドラムというシンプルなトリオ編成を感じさせない高度なテクニックを駆使した大変カラフルでポップなもの。ヴァイブにエフェクターをかませたトラックがあったり、わざと安めのピックアップで拾ったような少し歪んだサウンドのトラックがあったりと、全然飽きる事なく、アルバム1枚を聴ききってしまいました。

M

Mike Mainieri

1938年生まれ。12歳でヴァイブをはじめ、なんと14歳でプロ入り。一般的にはバディリッチと活動するようになってからの活動が認知されているが、その前にすでにポールホワイトマンのバンドでツアーも経験。プロデューサーとしてもカーリーサイモンやベンシドランのアルバムにも関与。スタイルは基本的にオーソドックスなものだが、コンスタントファンクションなどのアプローチや、各種エフェクター等も取り入れて新しくてカッコイイじゃん。んーこんなオジサンになりたい。ボビハチより年上だが、早期からピックアップの可能性について提唱し、現在廃刊の某パーカッション専門誌でも『バイブの将来はピックアップうんぬん・・・』と語られておりました。楽器はディーガン、マレットは薬指と小指に2本目をはさむスタイル。参考アルバムとしては『LovePlay』を挙げましたがStepsの六ピのライブがNYC レーベルから未発表テイク満載で再発売されており、こちらはフュージョンではありませんが、ある意味でハードで良質なジャズアルバムとしてもオススメ。

Vesta Maxey

Fernanndo Jorge Semi Maxnuk

1942年うまれ。2本マレットプレイヤー。詳しい経歴や楽器については時代もあってよく解らず。余韻から判断するにダンパーの効きの甘いセッティングと軽く固いマレットを使用か? 参考アルバム『Zumba Cincco』(んー、カタカナ読みは危険?)のジャケット裏にはMilt Jacksonをアイドルとしたとあるとおり、同氏作曲のBluesologyのラテンバージョンやDjangoのボサノヴァバージョンが収録されています。

Freddie McCoy

1932年NY生まれ。当初はドラマー志望であったが、兵役中の26歳でヴァイブに転校。プレスティッジにオルガン奏者とのコンビネーションを中心に、10枚近いアルバムがあり、その殆どはいわゆるソウルジャズ路線。楽器はディーガン。マレットは自家製の妙に軸の短いもの。アドリブフレーズどうこうというより、メロディーをフェイクして雰囲気を盛り上げるといった感じ。少しジョニーライトルとかぶっているところがあるが、こちらのほうがソウル度コテコテ度は高くジャズ度少し薄い。
参考アルバム『Freddie McCoy/Spider Man』

Gary McFarland

1933年ロサンジェルス生まれ。ヴァイブ奏者というよりはアレンジャーとしての知名度が高く、後年マニアな方にはたまらないスカイレーベルを設立。指向する音楽がアドリブギンギンという世界ではもともとなかったようで、当時としてはかなり柔軟なコンセプトを持った音楽家という感じ。バークリー在学中の渡辺貞夫氏がかなり影響を受けたということ人間的にかなり魅力的な方であったということは色々と伝えられているが、コンボでソロをとる作品があまり残されていないのでどうしてもヴァイブ奏者としての評価は『?』となりますが、彼の指向していた世界は十分解ります。
参考アルバムとしては『Gary McFarland/Point Of Departure』(impulse)

Rick McNutt

Victor Mendoza

4本マレット、楽器はマッサー。カルジェイダーに影響を受けたとのこと。マリンバも。ボストンで活躍。残念ながら、参考アルバム以外のリーダーアルバムは聴いたことがないが、これはホーンセクションを加えた、全編ラテンアレンジの賑やかで楽しいアルバム。マッシュルームヘッドのマレットで輪郭のくっきりしたサウンドが印象に残る。

Jon Metzger

Tony Miceli

Jerzy Milian

ポーランドで活躍中のベテランヴァイビスト。2本マレット楽器はプレミア。本国ではかなりの数のアルバムをリリースしたり、ラジオ、テレビ出演、スタジオワークと超売れッ子らしいです。参考アルバムとしてタイトルもそのまんま『JAZZ』ではスタンダードやオーソドックスなブルースナンバーにて硬質なサウンドですこしヨタッたようなスイング感が特徴的。自己のオリジナルを演奏している方が何だかいきいきしてますが・・・。フレージングはもとより、あまり、マレットや音色にはコダワリがなさそうなサウンドからもちょっとテディーチャールスのような感じもします。

Bill Moersch

Vince Montana

Buddy Montgomery

言わずとしれたウェスの兄弟でピアノもグー。モンゴメリーブラザーズやマスターサウンズというバンドで活躍。ヴァイブ奏者としては、2本マレットで変に難しい事はせず、明るく小粋にスイングするスタイル。楽器やマレットは不明。というか、色々なセッティングの写真があり、特にコダワリは無かった?参考アルバム『The Mastersounds』は長らく入手困難であったスタンダード集『Swinging with the mastersounds』『A Date with the mastersounds』の2 in1CDでお買得。

Wilson Moormon

Matt Moran

N

Jon Nagourney

当初アコーディオン奏者を目指し、アートバンダムに師事。22歳でヴァイブに転向し、チャーリーシューメークに師事。ドラムのディックバークのバンドで初レコーディングを経験。楽器はマッサー。マレットはアルブライト。基本的にソロは2本で。コンセプトはかなりオーソドックスなハードバップ路線。リーダーアルバムはすべてピアノトリオを従えたカルテットで数枚あり?そのいずれもケニーバロンとかシダーウオルトン、マイクルドーンなどミルトジャクソンつながりの人選と選曲も正にハードバップの王道を行く感じ。強烈な個性派という訳ではないが、安心して聴ける。
参考アルバム『Jon Nagourney Quartet/Featuring Kenny Barron.Dick Berk.John Clayton』

Bobby Naughton

参考アルバム『Anthony Braxton/Ensemble Victoriaville 1988』での音源を聴く限りたぶん白人たぶん4本マレットたぶんマッサー。すいません詳しいプロフィールは不明。アンソニーブラクストン、エバンパーカー、ジョージルイスといった共演者の名前から音が想像できる方は多分その通りの音だと思って下さい。フリー系でテクニックはかなりのもの。音も綺麗でよく鳴っています。こういう人がスタンダードやったりするとすごく面白いのでそんなリーダーアルバムの登場を期待しつつ・・・。

Jim Nelson

参考アルバム『Wiilis Jackson/The Way We Were』に参加。ビッグバンド、ストリングス、コーラス隊をバックにコテコテホンカーの親分が吼える!メーモリ〜ギョエー♪ホゲホゲ〜(すいませんわかりますか?この感じ)といったかなり脂っこいアルバムにちょっとカウンターメロディーを入れたりしてます。ソロスペースが特に与えられていないのでVib奏者としての実力はよくわかりませんが、アルバムのコンセプトから想像するにスタジオを中心に活動のミュージシャンでしょうか。

Steve Nelson

1955年ピッツバーグ生まれ。4本も使うが基本的に2本マレット。ボビーワトソンとの双頭コンボでの2枚のライブアルバムを除くと、ここに挙げた参考アルバム以外、あまり単独リーダーとしての印象に残る作品はあまりないが、ボビーワトソン、デビッドニューマン、ジェームススポルディングなど少しアクの強いサックス奏者によく誘われてサイドマンとしての録音は数多い。スピード感のあるソロをとるが、サウンド自体は比較的柔らか。楽器はマッサー。マレットは、以前ジョージシアリングのコンボで来日した時はグッドヴァイブスのマイクマイニエリモデルを使用し、モーターは廻していなかった。(普段は曲により廻したり廻さなかったりする。)参考アルバム『Steve Nelson/Full Nelson』(sunnyside)

Mike Noonan

Kjell Nordeson

詳しい経歴などは不明ですが、参考アルバム『Atomic/School Days Nuclear Assembly Hall 』では、シカゴと北欧の強力バンド、アトミックとスクールデイズが合体!ト
ランペット、トロンボーンサックス2本という編成のフロントに混じってさらにその存在感を主張するパワフルなヴァイブは好みがはっきりと別れるとは思いますが、ニッティングファクトリーとかの常連ミュージシャンがお好きな方には鳥肌もんのコンセプトを持つヴァイブ奏者です。こういったジャンルに存在するための芸風を学ぶためには大変参考になりますです。決してイロモノというわけではなく確かなテクニックとスカッとしたサウンドが身上!昔のカールベルガーあたりのトンガリ具合に似ていますかね〜。

Red Norvo