■海外のアーティスト A-F■

(編集担当 いさつ)

A B C D E F

A 

Ray Alexander

ドラマーとしての活動が中心であるが、シアリングやアニタオデイ、スタンゲッツ、ビルエバンス、ペギーリー、コールマンホーキンス、メルトーメと共演者は豪華絢爛。グッドバイブスのマレットを愛用しているが基本的に2本でのプレイ。参考アルバム『Cloud Patterns/Ray Alexander』はコンドンズでのライブということもあり、かなり観客を意識した楽しい演奏。、『朝日のように〜?を演奏中、バースでサイドマンで参加のペッパーアダムスがなぜか『ドボチョン一家』のテーマを引用し、客席が盛り上がると(しかし受けたからいいけど、はずしたらどうするつもりだったんだろ?)次の自分のバースで謎の単音高速連打で取りかえそうとしたり、オーソドックスなプレイヤーという印象とは裏腹に結構楽しいキャラかも・・・。

Doug Allen

Peter Appleyard

英国出身のバイビスト。完全なスイングスタイルですが、見事に教科書通り!跳ねる寸前までぎりぎりといったジャズの八分音符のリズム感を体感するのに非常に参考になります。音使いも変な癖や、難解なところはなくコピーして研究するにはもってこいと言った感じです。リーダーアルバムはあまりみかけませんが、ちょこちょこといろんなアルバムにサイドマンとして参加してますので入手は比較的容易かと思われます。参考アルバム『CalvinJackson At The Plaza』は猛烈にスイングするスイング系バイブカルテットのお手本!そうだ!きっとテリーギブスをもっと脱色したらこんな感じだな?

H. Clay Arnett

Brian Atkinson

サンフランシスコのヴァイブ奏者。マッシュルームヘッドのマレットではないかという輪郭のサウンドと明確で曖昧さのないフレージングが爽快な印象を残します。参考アルバム『 Jackie Cain & Roy Kral/Concerts By The Sea』ではお馴染みオシドリコンビの率いる息の合ったグループで、スキャットとユニゾン、細かいセカンドリフなどを楽々と弾きこなしバンドを盛り上げています。

Roy Ayers

数十年前の某SJ誌のM.Jacksonへのインタビューで今後最も期待するVib奏者は?の質問にボビハチに次いで名前を挙げられた程の当時はメインストリーマー。ウエストコーストのTs奏者C.Armyのコンボでプロ入り。その後PのJack Wilsonとの双頭コンボで活躍。そしてだんだんと芸風が変わり、一般的な人気を獲得するに至る。が、初期のプレイを知るジャズファンにとっては今の彼は歯がゆいものがあるかも。楽器やマレットに特にコダワリがあるタイプではないようで僕が最初に生で見たブルーノートでのライブはマッサーセンチュリーにグッドヴァイブスの緑色デイブパイクモデル、次に見た西麻布イエローのライブではKATに前記のパイクモデルでした。最近VoのTOKUのアルバムではマイクバルターのエミールリチャーズのミディアムソフト(のッチー御用達モデル?)を使用。一時、ロニースコットでのライブ映像がビデオ化されて西新宿あたりの怪し気なビデオ屋で、市場に流出していましたがその映像を見ても物凄いスピード感に圧倒されました、だのになじぇ〜(涙!)最近はカックンなディスコオジさんに。いやホント、往年の前記J.Wilsonとのアルバムではコルトレーンのインプレッションとかサイドワインダー、いそしぎ、ジェラルドウイルソンオーケストラのゲストソロイストでのPerdido、ハービーマンバンドで来日の際、リーダーを除いたメンバーで(ベースがミロスラフビトウス、ギターがソニーシャーロック!!!)録音した自己名義のカルテットでのAll Blues などのプレイはBop〜Mode〜Freeと様々なスタイルを消化し、必聴です。歌舞伎の『イョー!』とかサンプリングして喜んでいる場合じゃないよっ!ほんとに〜(泣!)。

Michael Ayres

B

Pasquale Bardaro

イタリアで活躍中。楽器はマッサーM48。4本マレットにしては、柔らかくヘッドの重いマレットを使用していると思われ、音色が暗く、何だかダリオアルジェントの映画を想起させる独特の雰囲気。オーソドックスなモダンジャズプレイヤーという印象だが、バンドの雰囲気もまた独特の色彩があり、一度聴くとかなり印象に残る。 参考アルバムでミッシェルルグランの『風のささやき』とか演ってますが、どうしてこのような雰囲気が出せるのか、不思議。参考アルバム『Quatetto Moderno/Ecco!』

Thurman Barker

Geni Barry

スペインで活躍中のヴァイビスト。詳しい経歴などはジャケットを見てもスペイン語なのでわからず。楽器は不明、参考アルバム『Giant Steps/Barry & Pereira Quintet』はAngel Pereria(ds)との双頭コンボによるもので曲目はコルトレーンの有名曲から,Green Dolphin、Pent Up House(S.Rollins)、Peace(H.Silver)Jeanine(D.Pearson)などなかなかにハードバップファンのツボを心得たものだが、演奏スタイルはBop言葉ではなく、独自の語り口によるもの。手はかなり早く動くが、弾かれるフレーズがそのスピードの必要性を感じさせず、明らかに肉体が頭脳を上回っている印象を受けますが、楽しさいっぱい、元気いっぱい!楽しく聴けます。

Franz Bauer

Stefan Bauer

4本マレットプレイヤー。自分がガンガン前に出てソロをとりまくるタイプではありませんが、指向する世界はかなり新しい感じ。細かい経歴は不明だが、参考アルバムでの共演者にAdam Nussbaum,Mick Goodrick,Tim Hagansとその筋のプレイヤーが参加しています。また、このCDにはエクストラCDトラックとして、御本人がピコピコ動く映像も楽しめます。

Roger Beaujolais

メインはヨーロッパ〜イギリスを中心に活躍。24歳でVibをはじめ、28歳でプロに。Vib以外にもマリンバ、MIDI VIB等も使用。ジャズフィールドに限らず、あらゆるシーンで活動中。数枚のリーダーアルバムがあり、ジャズ的にお勧めは『For Old Times 』というアルバムで、オリジナル以外にボビハチ、グラントグリーンのオリジナルなどを演奏しているが、なかなか日本では入手困難。よって、参考アルバムに挙げたのはほぼ全曲に参加している『土屋昌巳/森の人〜Forest』

Tom Beckham

Karl Berger

Jeff Berman

マイクマイニエリの影響を強く感じさせるプレイヤーですが、なにしろメインのMidi-Vibのサウンドや、参考アルバム『Jeff Berman/Things She Said』で聴かれるオリジナル曲がホントにステップスアヘッドにそっくりなのにビックリ!だまって聴かされたらぜ〜ったいそう思っちゃうことまちがいなし。あの手のタイプがお好きな方にはオススメ。

Donald Best

Willie Bivens

Guy Boyer

いやいや皆様!きてますよ〜この方!アーティストナビ初の『トホホ系』登場です!!!フランスのバイブ奏者。詳しい経歴などは不明。クラシックの曲を素材にするという発想は昔からありましたが、参考アルバム『Chopin New Time/The Jazz Vibes Of Guy Boyer』では全曲ショパンの曲をバイブ、エレベ、ドラムのトリオで演奏するというもの。基本的にピアノの右手をバイブが弾いていくわけで、素材が素材だけにテクニックはかなりのものがあると思います。やすっぽいエレベにチープなドラムの組み合わせでショパンとは?どこまで狙っているのかわかりませんが、かなりきてます。御本人的にはかなり真剣に臨んでいそうなところがイイ感じにはずしてくれちゃってます。でジャケットをみればへんてこなフリフリのシャツきて『オレってどうよ!』みたいに決めてますがよく見るとこれが写真裏焼きだもんでさらにトホホ感アップ!おいし過ぎ〜。

Harry Breuer

Jack Brokensha

オーストラリアのバイビスト。14才ですでにオーストラリアの交響楽団と共演、その後カナダを経てデトロイトを活動の拠点にするころにはミュージックマガジンでの人気投票でもベストテンに入る。7枚程リーダーアルバムがありますが、なかなか再発もされず入手困難。参考アルバム『Jack Brokensha/And Then I Said』はこの時代にあってすでにMJQをもっとモダンにしたようなグループでの硬質な音色とスピード感のマッチングがすばらし!

Evan Buehler

Larry Bunker

正しくはLawrence Benjamin Bunker。バイビストというよりはドラマーとしての活動が中心。初期のバートントリオやカルテットなどでの録音もあり。本業のドラムプレイ同様、あまり派手さや強烈な個性とかではなく、繊細な良く歌うプレイが身上か。音源は輸入盤で入手は容易です。参考アルバム『Lou Levy Quartet/Jazz In Four Colors』オススメ!

Roger Burn

まだ現在のところ情報も少なく未知数ですが参考アルバム『Matthew Von Doran/In This Present Moment』を聴いた限り、リーダーの嗜好もあるかとは思いますが、強いて例えるならステプルチェイスからリーダー作を連発していたころのジョーロックに似ている感じがします。ただしソロはこちらの方が内省的というか、展開がひとつのモチーフを大切に発展させていくといった感じ、かつ音色も少し線が細く繊細な印象があります。

Gary Burton

C

Dave Carey

Bryan Carrott

初めて名前を知ったのはラルフピーターソン(Ds)のアルバム。確かVib,Bass,Drums,Clという編成だったかと。従って主にそのアルバムでの役割はコード楽器ゆえ、当時ソロの印象はあまりなし。その後参加アルバムを追うと、けっこうとんがったメンバーのアルバムに名前が散見されます。参考アルバム『David Newman/Davey Blue』は自分のバンドに好んでバイブ奏者を雇うリーダーがSteve Nelsonの後釜に雇ったと思われますが、十分なソロスペースも与えられ、選曲もフリーダムジャズダンス、チャイルドイズボーンなど幅広く、さらにリズム隊がシダーウオルトン、デヴィッドウイリアムス、ケニーワシントンとくれば悪いわきゃないっ!ちょっとステフォンハリス系の硬質な音色でスピード感のあるスインギーなプレイが楽しめます。

Joe Chambers

Teddy Charles

革新派とか理論派、奇才・・・などなどヴァイブ奏者としての評価より、その位置付けに色々な形容詞がついてしまうため、代表作としては比較的大きな編成の十分なソロスペースがない実験作などが挙げられてしまう。2本マレット、楽器はいろいろだが残されているアルバムのいずれも録音が悪く、あまり音色にこだわりがないタイプかも。やや固めのトーンで淡々とスイングしていく演奏は,前記の革新派うんぬんという印象ではなく、決して聴きにくい難解なプレイというわけではない。ピアノ、ベース、ヴァイブというトリオでの『3For Duke』や『In Europa』などがお勧め。
参考アルバム『Teddy Charles/Coolin'』

Larry Chernicoff

Warren Chiasson

Damien Choice

Bobby Christian

Gary Coleman

グラントグリーンのライトハウスでのライブアルバムでのプレイが最も有名か?楽器や使用マレットなどの細かいセッティングは不明だが、2本マレット使用。がんがんソロをとる録音があまり残されていないので、Vib奏者としての実力は未知数。

Willie Coleman

The Latin Jazz Quintetに参加。参考アルバム『Latin Soul』ではVibとmelodicaをプレイ。演奏スタイルは音使いはオーソドックスなれど、カラッと明るいサウンドが特徴的で、ティトプエンテなどに通じる雰囲気があるのは、まわりにティンバレスとかのパーカッションが賑々しく参加しているせいでしょうか?ラテンジャズクインテットというネーミング程には、曲もマイルストーンとかレッドトップなどジャズファンお馴染みのナンバーもありでラテンラテンしてなくて聴きやすいアルバムです。

Tim Collins

ニューヨークのマンハッタンスクールオブミュージック卒。クラッシックのパーカッションも学び、マリンバのソリストとしてもBinghamton オーケストラにフューチャーされる。ヘンリーマンシーニオーケストラなどを経て、クリスチャンマクブライド、ベニーグリーン、ラッセルマローン、ウオレスルーニー、ルイスナッシュらと共演。現在は自己のカルテットとアフロキューバンジャズグループ『LosBandidos』で活動中。参考アルバム『The Duo Live』では白崎彩子(p)さんとCorea & Burtonぽいコンセプトでスタンダードから各自のオリジナルをプレイ。四本マレット、使用楽器はDEAGANのなんとあれ!(M.Jacksonの愛機として有名なアレ)

Jim Cooper

Delmarkレーベルから数枚のアルバムをリリースしている今40台半ばのVibist.基本的に4ビート系のプレイヤーだが共演者によくトランペットのIra Sullivanを選んだり、パーカッションを加えたりすることからも想像できるように過激なまでに明るい世界を目指している感じ?後期カルジェイダーをもう少しジャズっぽくしたらこんな感じ?ジャケ写真では4本お持ちですが演奏中は2本。で、確かに雰囲気は明るいけど、透明感のある赤ではなく、亜熱帯を想起させる濃ーい赤。ギンギンギラギラゲーハキャラの想像どうりの熱くて濃ーい演奏が繰りひろげられる参考アルバム『Nutville/Jim Cooper with Ira Sullivan』をどうぞ。

Eddie Costa

1930年ペンシルバニア生まれ。5歳でピアノを学び、18歳でジョーベヌーティーのバンドでプロ入り。ヴァイブ奏者よりピアニストとしての知名度が高く、『ヴァイブも〜』と紹介されることが多いがなかなかどうして、ほとんどペダルを使わずにゴンゴンくるスタイルはイロモノ、キワモノ的なプレイでは無いのに、かなり個性的。わずか32 歳で交通事故死しているのでレムウインチェスターと並んでつい『もし生きていれば・・・』を考えてしまうプレイヤーです。セッションマンとしても様々な録音が残されていますが、ビルエバンスをサイドに、ヴァイブ一本で臨んだ参考アルバム『Eddie Costa/ Guys And Dolls Like Vibes』が代表作と考えてよいでしょう。

Emanuel Cranshaw

Monte Croft

vibの他、piano、voも。現在2枚のリーダー作がある。サイドマンとしてはさらに録音あり。楽器はMusserで主にセンチュリー、マレットはアルブライト使用。自己初リーダーアルバムジャケットにミルトジャクソン、スティービーワンダーのジャケット写真、ネルソンマンデラ氏のポートレートをさりげに取り入れてます。政治的な活動にも関心があるのかも?スタイルは基本的にはオーソドックスだが、4本マレットを駆使するテクニックやサイドマンの人選もありトータルでは、結構新しくも聴こえる。全体の印象としてインディアナビゲーションからソロヴァイブのアルバムをリリースしていたころのジェイホガードと似ている感じ、ブラインドフォールドテスト等でも、一聴『あっ、これは○×だっ!』という超個性派でなく、サイドマンや録音データなどから推測して当てられてる感じ。(サイドマンはジーンジャクソンとかマルグリューなど結構豪華。)
参考アルバム『Monte Croft/A Higher Fire』(CBS)

Don Cunningham

世の中に500枚しか存在しないという伝説(?)のアルバムが遂に再発!先日、ジャズフロアーで先に発見、その後、クラブミュージックのフロアを徘徊していて発見。本人はVib以外にもmarimba、steel drums、conga、timbales、vocalと忙しく活躍、1曲目のっけから『デーオー!』あれ?!これハリーベラフォンテのアルバムだったっけ?という感じ、ライナー読むと本人が影響を受けたミュージシャンにハリーベラフォンテ、カルジェイダー、アーサーライマンなどとある。ふんふん、なるほど。vibはアドリブギンギンという訳ではなく、メロディーをゆったりとフェイクしていく感じ。参考アルバム『Something For Everyone』は黒いオルフェ、オルフェのサンバ、タブー(ちょっとだけよ?のアレね)など親しみやすい曲を、楽しく、にぎにぎしく演奏。数年にわたり、プレイボーイクラブの専属バンドとして活躍というのも納得。

D

Geo Daly

Alan Dawson

バイビストというよりはドラマーとして有名です。バイビストとしてのスタイルはスイング系のオーソドックスなスタイルで際立った個性とかはありませんが、曖昧なフレージングなどはなく、すごくわかりやすいソロをとります。最近出たCDでも彼のバイブを堪能できますが、参考アルバムとしては、ジョージベンソンやロンカーターなど蒼々たるメンバーとのセッションを収めた『Jaki Byard with Strings』をお勧めします。

Jan De Haas

ベルギーのバイブ奏者。楽器や使用マレットは不明。松本にエオンタというジャズ喫茶があり、そこのマスターがかなりヨーロッパ系に詳しい方。そこで『これ聴いたことある?』とかけてくれたのがこの『Jan De Haas/For The One And Only』ジャケットを一瞥して、なんだか線の細そうな感じだなー、ECMちっくな気がするなー、きっとそんな感じだろうなー、つまんなそうだなー(表現に不適切なところがあります謝罪)という印象からあまり期待せずに聴きはじめてビックリ!アララええじゃないのー!!!タイトルどうりのワンアンドオンリーな世界もさることながら、この録音はかなりグー!たぶん、ヴァイブを演奏する方ならこんな録音で自分の演奏を残してみたいと思わせる、硬質で透明感がありながらエネルギッシュな重量感も伴うもの。もちろん、他の楽器、特にアコースティックベースの質感も最高の録音。アルテックならA7や6048GまたはJBLだとD130に075といったシステムで大音量で聴きたいアルバム。(表現に一部オーディオマニアにしか解らないかもしれない不親切なところがあり謝罪)久しぶりに血が騒ぎました。

Bob DeSena

George Devens

Walt Dickerson

1931年フィラデルフィア生まれ。一度でも聴いたことがある人なら名前を聞いただけで『ああ』と思い出せる程個性派。ボビハチの10歳年上にしてこの飛び具合はかなりなもの。デビュー後何作かピアノトリオを従えたアルバムを録音して、しばらく消息不明。評論家悠雅彦氏のホワイノットレーベル第一弾『テルアスオンリーアビューティフルシングス』で再び現役へ復活。その後はデンマークのステープルチェイスからかなりの数のアルバムを発表。再デビュー後は主に様々なミュージシャンとのデュオとヴァイブ、ベース、ドラムのトリオ編成で活動。この辺りに本人のやりたい事を解く鍵がありそう。一般リスナーにはどちらかといえば、ピアノトリオをバックにした作品が聴きやすいと思います。マニアックな方にはこの参考アルバム『Walt Dickerson1976』(whynot)がお勧め。ちなみにここで数曲参加しているRudy McDanielというベーシストは若き日のジャマラディーンタクーマです。

Dany Doriz

フランスで活躍中のベテランバイブ奏者。楽器はマッサー、マレットはグッドヴァイブスのマイクマイニエリモデルの4本マレットプレイヤー。スタイルはオーソドックスなもので、難解なフレーズやアプローチは無しで、スイングからモダンまで幅広くこなす感じ。参考アルバムはハンプ、バートン、ボビハチ、テディーチャールス、マイニエリ、ノーヴォ、レム、ジャクソン、ジェイダー、ギブスの10名のヴァイブ奏者にそれぞれゆかりの1曲づつ捧げるという(例えばMoveはR.Norvoにという)マニアックな企画盤。バートン氏のアルバムに似た企画がありましたが、こちらの方が数年先に録音。

Andrea Dulbecco

イタリアを中心に活躍中のバイブ奏者。詳しいプロフィールはわかりませんが参考アルバム『Gerardo Frosina/Hi Note』はJAZZコーナーではなくてクラブ系コーナーで入手。だからそっち系の方かもしれませんが、すごくジャジーなソロが聴けます。ちょっとパタパタしたサウンドは大きくて軽めのマレットを使用しているのではないかと思わせます。音使いは結構オーソドックスでディミニッシュ分解などは定石通り。バックがドラムンベースとかバラエティに富んでいるので新鮮に聴こえます。ボサ、ラテン系がお好きな方にはオススメ!

E

Isla Eckinger

1939年生まれのスイスで活躍中のヴァイビスト。。最初はベーシストとしてプロ入り。アートファーマー、ジョニーグリフィンらと共演。っつーことはベーシストとしてもうまいわけじゃん。で、現在はなぜか持ち替え楽器がトロンボーンというユニークなお方。ヴァイブのプレイ自体は嫌みのない軽いスイング系。サウンドもあっさり教科書通りって感じ。強烈な個性派というわけでは決してありませんが、参考アルバム『Hot Mallets ・・・Live!』はエリントンナンバーをはじめ、
お馴染みのスイングナンバーを中心に収録され、安心して楽しめる一枚です。

Christoph Eidens

Don Elliot

10代の終わり頃から、ジュリアード音楽院で和声学、その後マイアミ大学でアレンジを勉強し、この頃よりトランペットとヴァイブを演奏するようになる。ジョージシアリング、ベニーグッドマン、バディリッチ等と共演するあたりから注目される。メイン楽器は多分メロフォーン。時代もあって、使用楽器の種類は特定できないが、ジャケットにはよくマッサーが写ってはいる。演奏スタイルは2本マレットによるオーソドックスなもの。参考アルバムはエバンスとデュオでのリハーサルの様子を収めたもの。
参考アルバム『Bill Evans〜Don Elliott/Tenderly』

Lars Erstrand

Gene Estes

テキサス生まれ。12歳から当初はドラム、ティンパニー、ヴァイブ奏者としてプロ活動を初めたとある(ほんとか!?)。共演者にはハリージェイムス、ジャックティーガーデン、ショーティーロジャースらが挙げられ、活動の中心はハリウッド周辺のクラブ、ナイトラウンンジやTV番組。飛び抜けた個性派というわけではありませんが、軽いサウンドで良く歌うソロはなかなか楽しめます。参考アルバム『Gene Estes/The Greatest StereoVibraphone In Recording History』では一部マリンバなどもプレイし、スイング7割モダン3割という感じでしょうか。

Ruben Estrada

参考アルバム『Estrada Brothers/Get Out Of My Way』ではいかにもへんちくりんなコテコテラテン系を想起させるセンスの悪いジャケットと担当楽器がバイブ、パーカッションまではまだしもトランペットとか書いてあるし、収録曲も『Besame Mucho』『TinTin Deo』ねぇ〜と腰が引けてしまいますが、なかなかどうして聴き進むに連れて好感度アップのプレイヤー。パーカッションメインのプレイヤーにありがちな『スカッとさわやか脳みそもカラカラ系』ではなく、豊かでやわらかな音色と丁寧な弾き方はかなりグーです!

F

Victor Feldman

Eli Fontain

Mike Freeman

Dave Friedman

1944年NY生まれ。10代初めにドラムをはじめ、ジュリアード音楽院で打楽器を学ぶ。同時にテディチャールズ、ホールオーバートンからヴァイブ、理論を学ぶ。60年代には主にクラシックの分野で活動し、70年代に入りヒューバートロウズらと交流を持ち、その関係でかCTIのアルバムに名を連ねるように。一般的な認知度は初リーダーアルバム『ウインターラブ、エイプリルジョイ』(イーストウインド)がホルストウエーバーの目にとまりエンヤからアルバムをリリース。デビッドサミュエルズとの『ダブルイメージ』というツイン、バイブ&マリンバのバンドでの活動も有名。参考アルバム『Of The Wind'sEye』かなり悪人顔ですが、ダンプニングなどの細かいコントロールにこだわりがありそうでプレイは繊細。教本もあり。

Laura Friedman