(編集担当 のなか 情報提供 赤松敏弘Vibraphone Connection)

はじめに

ここではヴィブラホンを演奏するマレットとして現在流通しているをものを中心に、各社の製品一覧と実際使用しているプロの方、会員、サイト訪問者の方の御意見を参考に一般的な推薦マレットを挙げます。 ただし、マレットは基本的に個人の嗜好によることや、使用される状況によって一概にこれがいいと言い切れるものではないので、あくまでもマレット選択のガイドとして参考いただければと思います。
各社とも随時、新製品の開発や改良を行っていますので、ここにある商品の仕様や価格などに相違ある場合がありますのでご了承ください。
また4本奏法でのマレットと2本奏法を想定したマレットがありますので、それもガイドラインとして記載致しますが、必ずしもその使い方は限定されたものではないことをご了解下さい。
使用する楽器に関してはワイドバーもしくはユニバーの使用を前提として考えております。
一部の鍵盤の薄いタイプ(ナローバー、スクールモデル)には不向きのマレットがあります。

一般的なマレットの選択基準要素としては

(1)全体の長さ
一般的な長さとしては4本奏法をそうていしたものは380〜400mm。2本奏法専用のものは320〜350mmが多い。2本使用の場合長いものをカットして使うケースもあるが全体のバランスが崩れるので、切り過ぎには要注意。 カットした場合にはあと処理もやった方がよい。(角をとる、市販のキャップをするなど)

(2)ヘッドの堅さ
各社ほとんどS(Soft),M(Medium),H(Hard)はそろっている。細かくVS(Very Soft),ES(Extra Soft),MS(Medium Soft),MH(Medium Hard),VH(Very Hard)あるいはJazzなどと分類されているが、スタンダードな規格基準はないので、好みによるところ。
つぶ立ちのいいクリアーなタッチはM、MHあたりソフトな音色はS、MSあたりの選択か。
芯材の構造(二重構造)などでツートーンの出やすい構造のものもある。

(3)糸の材質
主として綿(コード)糸もしくは毛糸(ヤーン)捲き。一般的にはヴァイブには毛糸捲きだが、綿糸のクリアーな音色をこのまれる方も多い。

(4)ヘッドの大きさ/形/重さ
形は様々。比較的丸いスタンダードなものや、長楕円形のもの、横幅のあるものや、マッシュルーム型と呼ばれる下方の角ばったものなど。
ヘッドの大きさは各社のデータはないが、4本奏法の場合は大体32〜35mmが目安。
2本奏法の場合はこれより若干大きいもの(34〜40mm)あたりを目安にするとよい。
2本の場合は専用のものもある。
重さは特に表示はない。ただ、4本奏法の場合はあまり重たいもの、逆にあまり軽いものは避けたい。(重すぎると手首に負担が、軽すぎると打撃の振動が伝わりやすく腱鞘炎等の恐れがでやすい。)
2本奏法の場合はヘッドの重量だけで音を出すケースの場合はある程度重たくても良いが、基本は腕のしなりとストロークで強弱を出すので極端に重いものは避けた方が良い。

(5)ハンドルの太さ/材質
ハンドルはラタン、バーチ、ファイバーなど、あるいは構造的にグリップ部分の太い(ツーステップ)のものなどがある。ハンドルは大まかに分別すると「しなる」タイプと「しならない」タイプがある。
鍵盤打楽器専門の人は「しなる」タイプ、打楽器全般を演奏する人は「しならない」タイプを選択する傾向にある。これは打楽器全般は概ね硬質のスティックを使うところからきていると予測される。籐材の不足もあって最近は各メーカーともハンドルが太くなる傾向が多い。太めのものはあまりしならないので要注意。 一概にどれがよいとは言えないが、お勧めはラタンハンドルのあまり太くないもの。

2本奏法専用マレット
メーカーによっては2本専用のメーカーあるいはワイドバーモデル等の名称で作られている。特徴はなんと言っても短めのハンドルと大きいヘッド。

特殊なマレット
スラップマレット:羊革でくるんだかなり大きいマレットというよりバチ。レッドノーヴォ考案のものでスウィングジャズではよく使う。
ゴムマレット:シロホンやベルに使うものだが、ベント奏法で鍵盤を押さえるのに使う。
ボウ:いわゆる弦楽器の弓。 現代音楽などで鍵盤を擦る奏法で使用。


各メーカー ヴァイブ用マレットを製造する主なメーカーと特徴

Good Vibes(Musser) http://www.ludwig-drums.com/concmal.htm
マイク・マイニエルモデル/デイブ・パイクモデル/ボビー・ハッチャーソンモデルなどもある。
赤松氏、バートン氏、マイニエリ氏など4本マレット奏者御愛用。
Mike Balter http://www.balter.com/

米国製、マリンバからヴァイブ用まで幅広いラインナップ。 ラタン、バーチなどハンドルの材質選択も可。

右の写真はワイドバータイプ(2本奏法用)

Inaki Sebastian Mallets http://www.cin.es/mallets/
スペイン製、低価格 マリンバ用、ヴァイブ用4本セット中心。
近年人気上昇中。赤松氏も、、
Playwood http://www.playwood.co.jp/

国産、バロックミュージック社製 柄は堅め。浜田均モデルも登場

Vic Firth http://www.vicfirth.com/product/keyboard.html
ボストン交響楽団打楽器奏者Everette Firth考案のもの。打楽器スティックメーカー
日本ではパール楽器扱い。
ゲーリー・バートン/テリー・ギブス モデルなど
John's Wood

マッシュルームタイプ、コード巻きが充実、のなか貿易扱い。

Albrightmallets http://www.albrightmallets.com/

2本奏法専用マレット。ヘッドの大きさが特徴。 オーダーメイドだが高くはない。
ミルト・ジャクソンモデル

Sato 

オーダーメイド中心の純国産マレットの老舗。多くの音大生から信頼されている。

Promark Mallets http://www.promark-stix.com/index.cfm

ミルト・ジャクソン/ライオネル・ハンプトン モデルなど

Malletech

マリンバメーカー 香取さんも使用
マリンバのスティーブンスモデルやヴァイブではデイブ・フリードマンモデル、デイブ・サミュエルスモデルなど
ヴァイビストの愛用者も大井。人気上昇中

Inovative Percussion http://www.innovativepercussion.com/htmlonly.html
Linwood Percussion http://members.shaw.ca/linwoodpercussion/

カナダ製 打楽器奏者向け

Yamaha http://www.yamaha.co.jp/edu/catalog/f/f_maretto.html

総合楽器メーカー。 マレットも幅広いライナップ。
初のシグニチャーマレット、安倍圭子モデルはマリンバ用だがヘッドは大きく、軽い。

Saito http://www.saitogakki.co.jp/mallet.htm

鍵盤打楽器メーカー。 
シグニチャーシリーズとして大井貴司モデルと浜田均モデル。

Zildjian

ご存じシンバルメーカー 日本には3種類が輸入されている。(日本楽器扱い)
柄はやや太めでしならないタイプ。

Encore Mallets http://www.encoremallets.com/

主としてマリンバやティンパニーのマレットメーカー
ナンシーゼルツマンモデルや三村奈々恵モデルなど。


比較表 上記メーカーの製品のうち、JVAで推薦する製品を一覧表にしてみました。

メーカー名 型番号 硬さ 備考
Goodvibes M-229(4p/set) MH Y
M-233(4p/set) MS Y マイク・マイニエリモデル
M-235(4p/set) MH Y
M-237(4p/set) MH Y ボビー・ハッチャーソンモデル
M-239(4p/set) MH Y デイブ・パイクモデル
Musser M-217 M C
M-218 S C
Mike Balter 22 MH C プロヴァイブシリーズ
23 M C プロヴァイブシリーズ
24 S C プロヴァイブシリーズ
25 Jazz C プロヴァイブシリーズ
2 32 M Y ワイドバーシリーズ
Yamaha MV-4020 MH Y ヴァーチュオーゾモデル
MV-4030 MS Y ヴァーチュオーゾモデル
SebastianMallets VCS-4 M Y コンサートタイプ
VCS-5 MH Y コンサートタイプ
2 Albrightmallets Order made MS Y ミルト・ジャクソンモデル
Malletech DS-18 MH Y デイブ・サミュエルズモデル

これら以外でお勧めのマレットがありましたら感想などをお知らせ下さい。


マレットの作り方

どーしても既成のマレットでは満足出来ないかた! もうこうなったら自分で作るしかないですね。
第一弾は4本マレット奏者に人気絶大の
●ッドヴァイブもどき編です。こちらへどうぞ。
こちらにも捲き方が載ってます。
http://www.thevibe.net/vn/vnfaq.shtml