プロフィール
 
 
●ハンドルネーム、 生年
    しゅう         昭和4X年

●好きな作曲家
    バッハ。将来無伴奏シャコンヌを弾くのが夢

Vnレッスン歴
   通算8ヶ月。
   2006年2月より再び独習。 


その他の趣味
    ゴルフ、スキー、釣り。

●バイオリンをはじめたきっかけ
   
    (はじめる決意から半年間の奮闘を書きました。)

 第一章  パンドラの箱
それは2004年正月。暮れにBS2で再放送した「冬のソナタ」を録画してたDVDを
観てた時のことだった。物語にすっかりはまり、涙してるときにBGMで聞こえる
バイオリンの素敵な音色。
この曲弾ける人は羨ましい→弾けたらいいな→弾けるかな?→弾いてみたいと
想うようになってた。

そんなある日、バッタ市のチラシが入りバイオリンセットが3900円で載っていた。
万一音が出ない粗悪品でも、部屋のインテリアになるしこれは買うっきゃない!
ということで、手に入れたバイオリン。
アパートに持ち帰り、期待に胸を膨らませケースを開けた・・・       だが、
まさにこれがパンドラの箱を開けた瞬間だったのだ。


 
 第二章  眠り
初めて見るバイオリン。その美しい曲線、気品が感じられ、手に入れた喜びに
しばし浸っていた。
バイオリンを取り出し調律を試みるが、上手くいかない。ペグがギターのように、
歯車が付いてるわけじゃなく、単に穴に突っ込んである構造。こんなのでちゃんと
した調律ができるのか不思議に思えてきた。
早く音を出してみたいので調律は途中で止め、弓に松脂を塗ることにした。
毛を松脂の上で5〜6往復させる。
これで音を出す準備が整った。楽器を顎で挟み、弓を添え弾いてみる・・・・ ?
???? 音が全くでない。
綺麗な音は到底無理としても、せめてギーコギーコとノコギリ音くらい出ると思っ
てたのに何故?
原因は松脂が足りないのか調律か? それとも他に原因が? やっぱりバッタ物
だったから?
まわりに聞く人がいないので、自分で解決するしかない。
毛を松脂の上でさらに20往復させる。調律もそこそこまでやった。
でも、音が全くでない。  困った。

バイオリンの先生のホームページを見つけ、掲示板に書き込み質問してみた。
松脂、調律、弓の毛の張り具合のどれかが原因との回答もらう。
松脂をさらに20往復くらいさせ、調律、毛の張りもOKのはず。
でも音は鳴らない。途方にくれた。
ゲームで謎解きの壁にぶち当たり、前に進めなくなった心境。

哀れにもバイオリンはケースの中で一ヶ月の眠りに就くことになった。



 第三章  つかの間
手に入れた喜びはどこへやら。すっかり意気消沈してしまい、飾ることも忘れ一ヶ月
経ったある日、教育番組で「バイオリンが鳴るのは松脂を付けるから。これがなけれ
ば、絶対に鳴らない」と言っていた。
松脂なんか既に何十往復もさせてるのだから違う原因だな。と、最初は思ったが、
もしかしたら、付け方が足りないのかも知れないと考え、再び付けてみることにした。
5分往復させ弾いてみる。やはり全く音がでない。
10分続ける。弾いてみる。・・・ん? かすかに音が出てるような感じが・・・。
さらに5分後、往復させてる弓が急に重くなった。かなりの抵抗。もしかして。
期待を胸に弾いてみる。 ぎぃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!       !!!
やったーーー! ついに音が出た。 いきなりの大音量にびっくりやら嬉しいやら。
いったい何百往復させたのだろう。疲れた。

最初に馬の尻尾の毛に松脂をつけて音を出すことを発見した人は、どういう人なの
だろうか?
これでようやく・・・・・・ との思いもつかの間、次なる障害に阻まれることになる。


 第四章  10倍
前章で読者の気を引こうと「次なる障害」と大袈裟に書いたが、何のことはない日本
のお家事情でよくある、近隣への騒音対策のことである。
新しい鉄骨造のアパートではあるが、壁が薄いらしく隣室の音がよく聞こえる。
こちらの音も筒抜けみたいで、深夜電話してただけで壁をドン!とされた。
これでは練習できないので皆はどうしてるのかネット巡回。結果、ゴムと金属の消音
機なるものを購入。早速駒にかぶせ弾いてみるが金属製消音機を付けても隣室に聞
こえるみたいで、22時以降の練習は諦める。が、帰宅が20〜21時なので夕食後に
何分も弾けない。

そんな環境の中でいよいよ練習を開始。先ずセットに付いてた教本で楽器や弓の持
ち方等読み試行。
しっくりしないが、とりあえず弓を動かしてみる。
予想どおり難しい。まっすぐひけないし元弓になるとガリガリと嫌な音。
左手は、フレットは勿論何の目印もない指板の上でどこを押さえればいいのやら。
以前弾いてたギターに比べ、5倍 いや10倍難しい。
うすうす難しいとは思っていたが、とんでもない楽器をはじめてしまった。



 第五章  笑顔
何もわからないが、とりあえず曲が弾きたい。
冬ソナの「あなただけが」はまだメロディーを完全に覚えてないので耳コピで弾くには
難しい。
思いついた曲が、欠かさず観てるプロジェクトXの「地上の星」だ。
ガリガリ、ギコギコひどい音を出しながら毎日練習。
一ヶ月後に家族の前で披露する。最初は「難しい楽器をよく弾けるね〜」って言って
もらったが、後日「音程がひどい」と、本音を言われ凹む。

3月に入りいよいよ「あなただけが」の練習開始。
楽譜もないし、あっても読めないのでCD聞きながら押さえる場所を探す。
音感がないのでこれが難しくなかなか進めない。
ギターは楽譜は読めなくてもTAB譜という便利な譜面があり、押さえるフレットを数字で
表示してくれるので、すぐに弾けたのに・・・

下旬に友人に聞いてもらう。当たり障りのない感想をもらう。
へただと思ったけど本人目の前に言葉を選んだのだろう。お気の毒に。
今後感想を求めるのは止めよう。

4月に「My Memory]練習開始。
ひたすら曲を弾くだけで、他の練習は一切なし。

そんな時某大手楽器会社の「グループレッスン生募集。無料体験実施中」のチラシ
が入り、独学に行き詰まりを感じてたこともあり早速体験レッスン申し込む。
当日は複数と思っていたが、一人だけでの体験レッスンだった。

20代前半の先生が開口一番「肩当はないの?」 俺「?????肩当って何?」 
そんな中、先生に肩当と調律をやってもらい、構え方、持ち方、弓の軌道等
教わり、開放弦を弾く。ひどい音だが先生は笑顔で一緒に開放弦を弾いてくれる。
あっという間に時間になり、楽器の拭きかた、しまい方を習って終了。
当然入校を勧められたが、考慮時間をもらう。



 第六章  先生
ネットで教室の情報を調べた結果、仕事柄時間が不規則のこともありグループより
融通の利く個人が合ってると考え、タウンページで先生を探しレッスン見学することに。

一人目の先生は年配女性。当日の生徒さんは歴10年の主婦。
30分の間ひたすら二人で一緒に楽譜を見ながら曲を弾いている。時たま先生が音程
を高いだ低いだ言うだけ。それで終わり。
歴の違いがありすぎたためか、想像してた個人レッスンとかけ離れてた。

もう一人別の先生に見学をお願いした。
当日先生宅へ伺うと、予定の生徒が所用で欠席。
急遽二人で話し合う場になった。

雑談も交え40分位経ったころ、先生にばよを弾いてみなさいと言われる。
「何の曲でもいいので」って言われたので、「あなただけが」を弾く。
すると先生はそのメロディーをピアノで弾いて「その曲はハ長調でピアノなら一番楽
だが、バイオリンの場合初心者には難しいんだよ」と。
初めて聴いたばかりの曲が何故ハ長調とわかるのか? 何故ハ長調は難しいのか?
頭の中は???。
ハ長調は1と2の指(人差し指と中指)が、くっつき3と4(薬指と小指)が開くので、
押さえづらいんだと教えてもらう。



 第七章  90度
さらに先生に弓の持ち方、傾け方が違うと指摘される。
なんと90度も持ち方が違っていた。
毛を親指の先方向から爪側方向に90度位置を変える。すごい違い。
傾け方は、先弓では弦に全ての毛をつけるが、元弓になるほど指板側に傾けるよう
にと。
なるほどと思った。それまで先弓では、か細い音で逆に元弓ではガリガリ音。それを
しだいに傾けることにより調整できる。

この先生なら・・・ と決心し、6月からレッスンをお願いすることにした。
先生「もう一回無料でレッスンするから2〜3日後に来なさい」と。 ありがたい。



 第八章  購入
いよいよ来月からレッスンだ。 で、ふと思った。
こんなバッタ市仕様の安物楽器でいいのか?
f字孔から表板の断面を見ると、最初は気づかなかったがなんと合板。
それにペグ、顎当、指板までもがプラスチック。
やはり3900円。 こんなものなのだ。

楽器店にばよを見に行くが、3台しかない。
しかたなく鈴木のカタログを貰って、自宅で検討。
500番代を買うつもりで、前回と違う楽器店へ。
こちらは品揃えも豊富で店員の対応も良い。1時間も相談に乗ってくれて、チェコ製を勧められる。
つげ材のペグ、テールピース、顎当。調律が驚くほどやり易い。顎当てもテールピース
を跨ぐ形のため中心で挟みやすい。

鈴木の500番代はなかったため330(だったかな?)とチェコ製2種類の
計3台、試し弾きさせてもらう。
結果、チェコ製の高いほうが一番いい音だと、店員さんと意見が合う。
ということで、購入。


 第九章  初日
レッスン初日。 先生「しゅうさんは移弦時の右肘の高さを変える動きは既に
出来てるので、開放弦の練習を飛ばしてイ長調の音階を弾きましょう」
いきなりイ長調? と思ったけど聞けば1弦と2弦だけを弾くには一番易しい指の
位置とのこと。

弾く度に音程が違う。押さえる感どころもわからない。 汗

左手首が甲側に折れすぎてることと、弓の持ち方が浅いので、この2点を注意する
ようにと言われる。

簡単な宿題もらい初日終了。

宿題で渡された教本、なんとドイツのもので音符以外全く読めない。
いや、音符も読めないと先生に言うと指番号をふってくれる。
この教本、先生がドイツの楽団にいたとき、現地の子供達を教えてた時に使ってた
とのことで所々落書きがしてある。

ドイツ語の教本とにらめっこの日々がスタートした。


 第十章  届け
レッスン2回目。
最初に宿題の簡単なフレーズを弾く。 それについて先生が様々なアドバイスを
くれる。
3回目、4回目も同じ。
4回目になっても全部の音符に自分で指番号を書き込んでいたが、先生「そろそろ
指番号は最初の音符だけに書いて後は読めるように」と言われる。

宿題曲を弾く時、先生はピアノやビオラで伴奏してくれる。
まれに音程が合うと自分の演奏が上手く聞こえ嬉しくなる。

7月になり、宿題の量が増えてきた。
相変わらず音符がすらすら読めないが、指番号の書き込みが制限されてるので、
譜読みがしんどくなってきた。
それに加え、2オクターブや転調の練習曲まで出され、一週間で弾けないまま
レッスンをむかえることに。
そうなるとレッスンは滅茶苦茶で、情けないし先生にも申し訳ない。

じきに出張があることと、秋に大イベントがある理由を告げ休学?届けを出した。

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話は以上です。

その後2005年1月に2台目のバイオリン(アラン君と命名、たぶん中国製)を買い、現在のメインとして弾いてます。
憧れの一枚裏板で虎杢が綺麗に入ってて、音も良く気に入ってます。ただ仕上げは雑です。
値段はチェコ製(ラベルにはメイドインジャーマニーとなっててドイツ製?)の約半値の68,000円(ばよ本体、弓、角ケース、松脂、クロス、肩当て、ドミナント弦込み価格。ばよ本体だと4万円以下か)で当時の先生があまりの安さに驚いてました。

音は当時の先生の300万のイタリア製に音量は劣りましたが、音色は同じ感じでした。

チェコ製はルドルフ君(ルドルフフィドラーなので)と命名しインテリアになってます。