+++ハンダ付けについて+++
1:私が使うハンダ付けの道具達
ハンダコテ ピンセット スッポン 吸い取りブレイド ヒートストッパー フラックス ソルダーアシスト コテ台

工具名(写真左から)
詳 細
ハンダコテ
HAKKOのスイッチで30W〜60Wを切り替えられる物を使ってます。
ピンセット
握ると開く物と通常の物。大小一本ずつ。
ハンダ吸い取り機
通称スッポン(笑)誰がつけたんでしょう?この名前。これも大小一本ずつ
ハンダ吸い取りブレイド
フラックスが染み込ませてある網線。これできれいにハンダを吸い取ります。
ヒートストッパー
トランジスタなどに熱が伝わらないようにする為に使うクリップ。
フラックス
ステンレス、基盤用、汎用など、母材を洗浄して酸化皮膜を剥がす為の薬品。3種類使い分けてます。
ソルダーアシスト
HAKKO社の製品。色んな用途に使えますが、私のは先端を加工して使っています。
コテ台
スポンジ付き。コテ先を冷やすと良くないと言う人が居ますが、私は逆に冷やして常に綺麗じゃないと嫌です

2:ハンダ付けの手順
とにかく奥が深いわけですが、何事もやらなければ出来るようにはなりません。
練習有るのみだと思うのですが、闇雲にハンダ付けするより何かしら指針と方向性を見据えて練習するのが良いでしょう。
まず、一般的に良いハンダ付けというものがどういう物なのかを考えて見たいと思います。

@:富士山型である

A:ハンダが適量である

B:艶が有り曇った部分が無い

良いハンダ付けとはこの条件を満たしている事ではないかと私は考えています。

では失敗する例を考えてみると
@の富士山型とAの適量と言うのは連動しています。
ハンダが適量ではない→ハンダの送り量が多かったり少なかったり→富士山型では無くなる。

Bはハンダコテの熱が高すぎると、フラックスが揮発してしまい艶がなくなります。

成功するには、この逆をやれば良い訳ですが、これが又一筋縄ではいかない訳です。
何に一番気を付けていれば良いのかを簡単に書くと、

@:コテ先を綺麗に保つという事

A:母材を綺麗にする(酸化皮膜を除去する)

B:ハンダ送り量を母材とコテの温度に応じて変える

C:コテ先を母材から離すタイミングを図る

この四点では無いでしょうか? 以下は私のイメージとしてのコツの記述です

@:単純に金タワシクリーナーや水を含ませたスポンジクリーナーなどで綺麗に保てば良いだけです。

A:フラックスで母材を磨けばOKです。

B:これが一番難しいんじゃないでしょうか・・?
 母材の大きさ、母材の温まり具合、母材に対してのコテの角度、ハンダの溶けていく雰囲気によって
 ハンダの送り量を変える必要が有ります。
C:ハンダ付けは一瞬が勝負です。瞬間のタイミングと母材に乗ったハンダの量と形と艶などを
 瞬間で判断して、コテ先を離すというのが重要です。
 これには完璧なハンダ付けの状態を常にイメージしておくと良いでしょう。

写真を撮る機会が有りましたら、UPして写真を交えながら、説明文を加えたいと思います。
以下続く・・・









+++既製品の楽器のハンダ付けを見て思うこと+++
電気製品の精密電気回路基盤の大量生産工場などでは巨大なハンダ槽やハンダ付けマシンが稼動していて
恐ろしく均等にハンダ付け出来ています。艶に関しては今一つといったところですが・・

皆さんは、自分の楽器の配線部を覗いた事が有るでしょうか・・?
ここでは、配線材や電気パーツの性能の事は一旦置いて、ハンダ付けだけに焦点を絞って、考えてみたいと思います。
楽器工場を見学させて頂いたり、既製品の配線部ハンダ付けを見ると、恐ろしく汚い物が多いのには閉口してしまう事が多いです。
「日本製の楽器」だったとしても、他の工業製品に比べたら、汚い配線及びハンダ付けの物が多いことにビックリさせられます。
余談ですが、その昔某電気メーカーの下請けでハンダ付けの内職をやっていた身内が居ますが、その方にコツを教えて頂いた時、
とてつもなく美しいハンダ付けをされていました。その身内曰く「それ以下のハンダ付けだと検査が通らない」のだそうです。

市場で評価が高いとされている某社の物でも、この部分だけを取ったらお粗末な物でした。
やはり多くの楽器メーカーでコストダウンはこう言う「見えない所」で行われています。
そういった多くの楽器工場などの姿勢は
「見えないし、音が出ればいいし、正直その辺聞き分けられるの?高級パーツ使ってますが?」
はっきり言って本末転倒です。工場ならまだしもユーザーから直接お金を取ってるにも拘らず、こう言い放った工房も有ります。
(工房でもこういう所ってほんとに多いんですね。某有名工房でもこんなもんでした。ひょっとすると工房の方が酷いかもしれません)

通常楽器店で新品の楽器はこの状態のものが並んでいるわけです。
無論汚いハンダ付けによる「独特の音」が有り、それが「誰か」にとっては「良い音」である可能性が有るとは思うのですが、
残念ながら楽器は安くはありません。同じ値段の電気製品に比べたらはるかにコスト(いろんな意味で)が高いわけです。
そのコストがかかってる割りに件の内職の方より正直「ヘタ」なのです。

色々書きましたが、最後に、
多くのアマチュアエレクトリックギター・ベース演奏者は、楽器製造者があなた方の耳を
馬鹿にしているという事実にそろそろ気が付かなければならないのかも知れませんね・・
PU交換を考えるより前に、あなたの楽器の電気系統のポテンシャルはハンダ付けでスポイルされてませんか?