フランとダギーがそこで初めて出会った、ルネ・マッキントッシュデザインの石造りの建物には細長く入念に細工された鉄の装飾がついている。それは「パスト・タイムズ」というギフトショップのチェーン店を広めた人物を思い起こさせる。しかしその中の神聖なホールではアート気質がいつも喜んで受け入れられるわけではなかった。

「問題は」ダギーが慎重に言う。「その二つの言葉が矛盾してるってこと。“アート”と“スクール”っていう。」 「アートに点や評価をつけ始めたんだ。」アンディーは嘆く。「悪い講師はそれにこだわるんだ。これだけの量のスケッチを描かないといけない、これだけの量の作品を仕上げないといけないってね。するとほんとに形式的になっちゃうんだ。」

「アートスクールって、髪の毛を伸ばして、自分を表現する場所だと思うでしょ？」とフランは快活に言う。「そこには規則なんてないんだって。でも、僕がそこを離れた原因の一つはある講師が僕の絵について、“そんなもの壁になんて掛けるわけないだろ”って言ったこと。僕は聞き返したよ、「ここはアートスクールだろ、何したっていいじゃないか」ってね。でもほんと、そこには悪い講師がいたんだよ。