THE BACK HORN(2)



サニー

1. サニー
2. 異国の空
発売日 2001/4/25
品番 VICL-35236
メーカー SPEEDSTAR/VICTOR
価格 \1,155(税込)

メジャー第1弾シングル。
そしてこれが自分とザ・バックホーンの運命の出会い!!

ポップでラウドなロックンロール・ナンバーの1。魂が揺さ振られるサビのシャウトに圧巻。
2はミディアムテンポでどちらかというとおとなしい雰囲気です。

2001/8/5著


空、星、海の夜

1. 空、星、海の夜
2. ミスターワールド
発売日 2001/8/22
品番 VICL-35293
メーカー SPEEDSTAR/VICTOR
価格 \1,155(税込)

メジャー2枚目のマキシ・シングル。
スペースシャワーTVでプロモーションビデオを見た時の衝撃ったら無かったですよ、半裸で水浸しのところで歌ってる姿が最高にイカしてました!

静から動への盛り上がりが心にグサグサっと来る(いわゆる鳴きの演奏って奴っすね)、「空、星、海の夜」。ベースを弾いているのはなんとボーカルの山田将司師匠(と呼ばせてくれ)です。ピアノに引き続きベース…。マルチな才能を発揮していますよ!
反対に廃虚・近未来・地獄のような印象を与える「ミスターワールド」は、叫ぶ師匠に絡みつくリズム隊が面白いです(あ、趣があるという意味です)。
そしてシークレットトラック。クレジットから推測すると語りはドラムの松田さんのご様子(違ったりして)。何だかバックホーンのイメージがガラッと変わってしまうような曲です。

残暑の厳しい夜に風に吹かれながら聴きたい代物です。

2001/8/22著


人間プログラム

1. 幾千光年の孤独
2. セレナーデ
3. サニー
4. 8月の秘密
5. 水槽
6. ミスターワールド
7. ひょうひょうと
8. アカイヤミ
9. 雨
10. 空、星、海の夜
11. 夕焼けマーチ
発売日 2001/10/17
品番 VICL-60795
メーカー SPEEDSTAR/VICTOR
価格 \3,045(税込)

こんなにアルバムの入荷日が待ち遠しいと思ったのは、黒夢の『DRAG TREATMENT』以来4年4ヶ月振りの事でした。
ザ・バックホーン、メジャー1stアルバムです。

シングル『サニー』『空、星、海の夜/ミスターワールド』を含む、全11曲47分28秒のリアルな世界。
菅波栄純の奏でるギターは狂気に満ち溢れているが、時に優しい光のような音を与えてくれます。
松田晋二の刻むドラムは、心に杭を打ちつけるような痛みと、寂しげな心臓の鼓動にも似たビートを教えてくれます。
そして山田将司のかすれた少年声は、地獄を宣告する魔王の様に叫び、または危険を知らせる天使の囁きの様にも聞こえます。

”天国に空席はない”で始まる哲学的な内容の「幾千光年の孤独」。
妖しく優雅な「セレナーデ」。
青春の歌であるとドラム・松田晋二が語った「サニー」。
子供の頃、防空壕でかくれんぼをする様子を描いた「8月の秘密」。
「水槽」では、中で人間がもがいているような気がします。
ダークな残虐さを打ち出した「ミスターワールド」。
力強いが遺言のようにも聞こえる「ひょうひょうと」。
現代社会に潜む暴力・虐待と優しさの対比がすさまじい「アカイヤミ」。
人間の裏側と犯罪に、純粋だった頃の気持ちを思いだし胸の痛む「雨」。

この1〜9の流れに、非現実と現実の境目が分からなくなり、寒気と心にズキズキと来る痛みが自分を支配していました。
そして「空、星、海の夜」の冒頭で救われた気がしたものの、やはり現実は救われてはいない事を知り、感動ではなく、怒りや憎しみ、嫉妬、もちろん喜びでもなく、ただ涙が溢れてきました。
そして涙が止まらなくなりました。
気持ちが和らいだのは、沢山の方々が参加した「夕焼けマーチ」でした。

音楽で感動して泣く事は、橘いずみの『十字架とコイン』に感情移入した時ぐらいでした。
今作で泣くとはさすがに自分でも予想がつきませんでした。しかも、感動ではないのですから…。

話題を変えますが、今作での師匠(山田将司)の活躍をご紹介しましょう。
ベースは2、4、8、10、11で弾いています。そして今度はなんと、11でトランペットに挑戦しています。
し、師匠…。自分は一生付いて行くであります!!

2001/10/16著


世界樹の下で

1. 世界樹の下で
2. サイレン
発売日 2002/5/29
品番 VICL-35394
メーカー SPEEDSTAR/VICTOR
価格 \1,155(税込)

2001年8月発売の『空、星、海の夜』以来約9ヶ月振りとなるバックホーンのメジャー3rdシングル。
今までに比べて、よりエモーショナルに心に響く山田の声、菅波の指、松田の足。
雑誌で語っていた「120%ではなく100%を詰め込む」という言葉のように、本当に欠けているところも無駄なところもない、完璧なまでのサウンドがある。

「世界樹の下で」
<若き兵士が愛しき者を守るため/殺し合うのは美しいことだと本当に言えるのか>
というリリックにグサッと来た。神様の発言を否定する人間という構図が頭に浮かんできた。
元々この曲は『人間プログラム』のレコーディング時にあったという。
約1年の時を経て完成されたこの曲に、3人の成長がひしひしと伝わってくる。

「サイレン」
オリコンの曲紹介では「縦ノリのパンク」と書いてあった。
THE BACK HORNはパンクではない。俺はパンクというジャンルに彼等を絶対に入れたくない。
詞が違うからだ。ただ反社会を訴えるだけだったり、易しい恋愛の歌を歌ったり。
ぶっちゃけた話、今のシーンにはうんざりしている。
この曲の詞はいつになく前向き、そして強さへの憧れを歌っている。
サウンドは近いのかもしれないが、絶対パンクとは呼ばせない。

シークレットトラックについてはよく分かりません。
多分松田さんがボーカルをとっているように思います。

2002/6/13著


心臓オーケストラ

1. ワタボウシ
2. ゲーム
3. 涙がこぼれたら
4. 夏草の揺れる丘
5. マテリア
6. ディナー
7. 夕暮れ
8. 野生の太陽
9. 世界樹の下で
10. ぬくもり歌
発売日
2002/11/13
品番
VICL-60993
メーカー
SPEEDSTAR/VICTOR
価格
\3,045(税込)

メジャー2枚目。
買ってから家に帰る間、ジャケットの心臓に自分の心臓がシンクロするか、期待でいっぱいでした。
コンポにCDを入れ、聴こえてくる「ワタボウシ」のイントロの不共和音。
「いつになく穏やかだ・・・・・・」
1回目、2回目、3回目・・・・・・としつこいほどリピートしてみる。
最初は1〜3と4以降の楽曲に溝のようなものを感じていたのだが、10回目を超えた辺りでようやく自分の心臓にシンクロしました。
毎日欠かさず、家はもちろん自転車で地下鉄で、いろんな場所で聴く度に自分のものになっていく実感が沸きました。

前作が勢いで強引にねじ伏せる“英雄の剣”ならば、今作は少しずつ削り取る“大工のカンナ”のようなものでしょうか。
聴くたびに染み込んでくる、やはりTHE BACK HORNというバンドに改めて惚れ直しました。

1.「ワタボウシ」
Aメロから一気に音が増えるところが気持ちよくて好きです。
2.「ゲーム」
<走り続けてく 人生はゲームなんかじゃない>がグサッと来るパンキッシュなナンバー。
3.「涙がこぼれたら」
シングルではあまり好きではなかったんですが、アルバムを通して聴くと重要さが分かります。
4.「夏草の揺れる丘」
幼い頃の友達と遊んだ山の風景が思い出される、今までで最も角の取れた作品です。
5.「マテリア」
イントロの鐘の音はギター音。途中のテッテケテッテケのギターパートは山田将司によるもの。
6.「ディナー」
岡峰光舟のゴリゴリのベースとエロティックでアブノーマルな詞が好き(笑)
7.「夕暮れ」
これは松田晋二がちょこっとギターを弾いているそうです。
ミディアムテンポで、前作でいう「ひょうひょうと」のような印象を受けます。
8.「野生の太陽」
本作では一番激しい。ドブネズミはブルーハーツの「リンダリンダ」が有名であるが、決してパクリではないとの事です。
9.「世界樹の下で」
シングルのレビューを参照してください。前作の「空、星、海の夜」の位置付けか?
10.「ぬくもり歌」
優しい、優しすぎて涙が出てきます。

余談ですが、タイトル『心臓オーケストラ』は「世界樹の下で」カップリング曲「サイレン」の歌詞の中に出てくるんですが、この曲は今作には収録されていません。
う〜ん、何故だろう・・・・・・・?

2002/12/13筆