お買い物報告書[拡大版]〜ワールド・ミュージック再入門

*2018.11.2
お買い物報告書@仙台 E-Beans + パラダイス・レコード(すべて中古)

Atlanta Rhythm Section - Dog Days (Polydor, 1975)

アメリカのサザンロック・バンド4作目。"STERLING RL" 刻印入り米盤LP。
職人的に完成度の高いアルバムだ。パワーポップな "Crazy"、ひねりの効いたバラード "Dog Days" など良い曲ぞろい。
歌詞はアルバムを通してストーリーのように構成してるみたい。
サザンロックというとルーズなノリの泥臭いものというイメージがあるかもしれないが、このバンドは洗練されていて、曲によってはAOR風。スタジオ・ミュージシャン出身らしく演奏が抜群に上手いし、よくできたメロディアスな曲が多い。
代表作「A Rock And Roll Alternative」「Champagne Jam」の一聴をオススメしたい。


Alan O'Day - Appetizers (Pacific, 1977)

山下達郎の英語詞協力者としても知られるアメリカのシンガー・ソングライター。"KENDUN" 刻印入り米盤LP。
プロデュースはスティーヴ・バリ&マイケル・オマーティアン。ジェイ・グレイドンとディーン・パークスがギター、リー・スクラーとスコット・エドワーズのベース、ジェフ・ポーカロのドラムス、と王道の70年代サウンド。メロディの味は薄いが、さすがに歌詞は凝ってるしジャケットもシャレてる。
"Undercover Angel" が全米一位と大ヒットしたらしい。


Ferris Wheel - Ferris Wheel (Uni, 1970)

若きリンダ・ルイスが在籍していたイギリスのフォーク?グループのセカンド&ラスト作。たぶん未CD化。これは米盤(12曲入)で、オリジナルの英ポリドール盤(11曲入)とは曲目が一部異なるようだ。ジャケットにドリル穴ありで傷みはあるが盤質に問題なし。安く入手できてラッキー。
多様な楽器を使う白人2人と黒人3人(うち一人女性)に管弦楽アレンジが加わった、ジャンル分けしづらい多彩で不思議な音楽。主に曲を作り歌ってるのは白人男性で、時折リンダの可憐な歌声が彩りを添える。スパイロジャイラやトレイダー・ホーンを思い出した。リンダ作は後に「Lark」で再び取り上げる "Little Indians" を含む2曲のみ。
"The Ugly Duckling" のイントロがまるでゴングのような浮遊空間で驚く。さらにはジリ・スマイスが乗り移ったかの如きリンダの恍惚ヴォイスに悶絶…


1910 Fruitgum Company - Hard Ride (Buddah, 1969)

"Simon Says""Indian Giver"、イントロがサザエさんの "Bubble Gum World" などで知られるアメリカのバブルガム・グループ(メンバーなど実体は曖昧)の末期。"Bell Sound" 刻印入り米盤LP。
お子様向けだったバブルガムも行く末は暴走族向けガレージロックか。このアルバムでは(同じブッダ・レーベルのレモンパイパーズに近い)ハードな演奏部分が多く、初期シカゴみたいなブラスロックだったり、ファンクロック風だったり、組曲的な展開があったり、と意外に聴きごたえあり。
オルガンのイントロが印象的な "The Train" は日本で昔ヒットしたから聞き覚えのある人も多いハズ。ちょっと「さらばシベリア鉄道」に似てる?


Luis "Perico" Ortiz - Sabroso! (Perico, 1982)

ニューヨークのサルサ。"JA" 刻印入り米盤LP。


Wilfrido Vargas - ...Ahora (Karen, 1981)

ドミニカのメレンゲ。"STERLING" 刻印入り米盤LP。
チャック・マンジョーネ「サンチェスの子供達」や「モナリザ」のカヴァーあり。


Beth Carvalho - De Pe No Chao (RCA Victor , 1978)

ブラジルのサンバ。ブラジル盤LP。カラーのインナースリーヴと歌詞カード付き。


Tabou Combo - New York City (8th Sacrement) (Barclay, 1975)

ハイチのモダン・コンパ。西ドイツ盤LP。ニセ・ライヴらしい。
"Come Back My Love" は英語で歌う(なんか場違いな)ソウル・バラード。切々と訴えるセリフが入ったりして。
そんなとこにアコーディオンが鳴ってるのが、なんか変な感じ。


マラヴォワ - ベスト第二集 (GD/オルターポップ, 1989)

マルチニークのズーク。フランス盤CDに日本語解説と帯を付けたもの。
素晴らしく優雅で豊潤な音楽。ヴァイオリンの響きが美しい。すかさず第一集もネットで注文した。
日本で知られるようになった当時から「ジュ・ウヴェ」は大好きだった。


ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン - スワン・ソング (東芝EMI, 1998)

パキスタンのカッワーリー。日本盤CD2枚組。
97年5月4日、地元パキスタンから衛星放送されたという最後のライヴを収録。
ロックバンドのような伴奏が加わっていて盛り上がる。

ついに終活の始まりか、長年の収集活動で溜まりに溜まったレコード・CDを少しずつ処分している今日この頃。理想としては、思い入れのある大事なもの・愛聴盤だけを手元に残して整理したい。将来(老後)のために取っといても普段あんまり聴かないものは結局ほとんど聴かないで終わりそうだし、資料として保存するにしても場所を取る。いざとなればネットで聞けたりする時代だからね〜

かさばる古雑誌もなんとかしようと、車庫兼倉庫に10年以上放置していた15年分(85〜99年)のミュージック・マガジンを、最後の点検がてら再読し始めた。そしたら…ハマってしまった…今さらながらワールド・ミュージックに…

バブルと共に盛り上がりバブルと共に萎(しぼ)んで行ったワールド・ミュージック・ブーム。ぼくも80年代末のブーム直前あたりから(中村とうように影響されて)ブルガリアン・ヴォイス他あちこちに手を出したのだが、徐々に興味を失っていった。愛聴盤として残ったのは結局マラヴォワくらい。

ブーム以降もポツポツと思い出したように(ブックオフで安く見つけたときとか)買うことはあったし、全く聴かなくなったわけではない。数年前の中古レコードフェスで買ったウィリー・コローンの「ソロ」がメチャクチャ気に入って、ブーム後に手放していた「エスペシアル No.5」を買い直して聴きまくったり、周辺人脈(ルベン・ブラデスエクトル・ラボー)に手を広げたり、と局地的とはいえサルサにハマったりしていたのだ。再びワールド・ミュージック全般に本格的にハマる下地はあったと言える。

そういえぱ昔からラテン味の音楽が(ジャズやクラシックも含め)好きだったな〜って改めて思い知らされたりして、特に気になるのはラテン方面、中でもカリブ海周辺に注目している。ただしレゲエには興味なし。ブラジルもいいが、ボサノバは馴染みがあり過ぎて今さらという気がする。フォルクローレならユパンキタンゴならピアソラを経験済み。アフリカアラブはまだまだこれから。アジアは特にインドネシアに興味がある。怪しげな歌謡ポップスに溺れてみたい……興味の対象は多方面それこそワールドワイドに広がっていく。レコード収集の楽しみはしばらく終わりそうにない。ちょっと悩ましいのは、英語以外チンプンカンプンで人名・アルバム名・曲名をなかなか覚えられないこと(脳の老化も進んでるし…)

在庫減らしを進めようとしていたのに、今回のマガジン再読をきっかけに引っ込んでいた収集癖が再び頭をもたげ出し、またもやキチ買い道を邁進しそうな気配。でも、これは情熱(若さ)を取り戻したってことで喜ぶべきなのかもね。といっても最近のワールド・ミュージック事情までフォローしようとは思わない。30年近く前の古い情報だけで十分。だってそこで抑えておかないと在庫が増える一方だもの…

以下、ここ数ヶ月間のワールド・ミュージック関連お買い物報告書(すべて中古)

哀愁のメロディに涙

<ラテン>
Ensemble Nemours Jn Baptiste - Musical Tour Of Haiti (Ansonia, 1960)

ハイチの元祖コンパ。米盤LP。時代を感じさせるジャケットが最高。
なんとも暖かみのある素朴で心地よいサウンド。ホーン・アンサンブルにアコーディオンが入ることでイナタさが醸し出されている。


Ralph Thamar - Exil (GD, 1987)

元マラヴォワのヴォーカリストのソロ・デビュー作。フランス盤ミニLP。
マラヴォワよりモダンな音だが、これも優雅で豊潤、しかも超ポップ。すごく良い。


Perez Prado - Mambo Mania / Havana 3 a.m. (Bear Family, 1990)
Perez Prado - Voodoo Suite / Exotic Suite (Bear Family, 1990)

マンボの古典。ドイツ盤2in1CD2種。
録音は1949〜1953年メキシコと1954〜1962年カリフォルニア&ニューヨーク。ショーティ・ロジャースなどジャズ・ミュージシャンが参加している。
「ウッ!」という合いの手で有名だが、実際は「dilo! (say it!)」って言ってたんだと。

Tito Puente - Mamborama (Tico/Palladium, 1988)

"King Of Cha Cha Mambo" 再発スペイン盤LP。
50年代前半の録音。オール・インスト。ジャケットに魅かれて購入。


Eddie Palmieri - The Sun Of Latin Music (Coco, 1974)

ニューヨークのサルサ。再発LP?(おそらくリプロ盤)
B面冒頭は無伴奏ピアノ・ソロ。兄の故チャーリーもピアニスト。


Luis "Perico" Ortiz - Breaking the Rules (Perico/ポリスター, 1992)

ニューヨークのサルサ。日本盤CD。
82年の「Sabroso!」はオーソドックスなサルサだったが、87年作のこっちは控えめながらシンセドラムやヒップホップの手法(スクラッチ、ラップ)を取り入れたりして当時としては斬新なサウンドだったのかな。必然性のある適切な使い方で、今聴いてもそんなに古臭くは感じない。スマートなのだ。


Oscar D'Leon - Y Su Salsa Mayor (Top Hits, 1978)

ベネズエラのサルサ。"MIAMI TAPE" 刻印入り米盤2枚組LP。
Wladimir Lozano と主役(リード・ヴォーカル)を分け合う内容に見合った見開きジャケ。
とことん陽気で明るい世界。

<アフリカ>
King Sunny Ade - Live Live Juju (Ryko, 1988)

ナイジェリアのジュジュ。87年シアトルでのライヴ。米盤CD。
バカスカ鳴りまくるトーキング・ドラムなどのパーカッション類。軽やかなギターも特徴。
特殊なマイク設置のようで、位相が変だ。


Youssou N'Dour - Immigres (Virgin, 1988)

セネガルのトップスター、ユッスーが世界に進出し始める84年の録音。米盤CD。
Nelson Mandela」ほどの完成度にはまだ到達していない。


密林のポリフォニー (JVC, 1990)

ザイール(現在はコンゴ民主共和国)での現地録音(83年)。日本盤CD。
ピグミー族の自然発生的な合唱とリケンベ(親指ピアノ)の響きを生々しく収録したもの。
特に「夜のポリフォニー」が圧巻。大量の虫の声が広大な空間に響き渡り、夜のジャングルの気配が部屋中に充満して不気味。恐怖すら覚える。

<アラブ>
オフラ・ハザ - イエメン・ソングス (Overheat, 1987)

イスラエルの歌姫。84年録音。日本盤LP。金ピカの衣装でこちらを見つめる瞳にクラクラ…
透明感のある声でアラブの節回し、バックの演奏はポップ。その融合が気持ちいい。


Cheb Mami - Prince of Rai (Triple Earth, 1988)

アルジェリアのライ。英盤LP。
ライといえばシェブ・ハレドの「クッシェ」をブーム当時話題になってたから買ったが、あまりにも派手に作られた音に何度か聴くうちに飽きてしまった。最先端な音ほど古臭くなるのも早いものだ。
それに対してこのアルバムは適度にモダンなアレンジで心地よく聴ける。曲数が少ないのもちょうどいい。

<アジア>
ガムラン&ケチャ (Nonesuch/ワーナー, 1996)
バリのガムラン1ー世界の夜明けの音楽 (Nonesuch/ワーナー, 2001)

インドネシアはバリ島のガムランとケチャ。日本盤CD2種。観光地気分が味わえる。
前者は1986年、後者は1966年、どちらもデイヴィッド・ルイストンによる現地録音。ちなみにマスタリングはどちらもボブ・ラドウィグ。
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