享受

永遠の愛の誓いさえも及ばない

大いなる力が 今

あなたを遠くへ運び去ろうとしているのなら

*

僕はそっとこの手を離そう

白い翼に抱かれていく

あなたの受ける苦しみが

少しでも軽減されるように

*

思えばあなたが与えてくれた

いくつものものの大きさ

あの時 何も知らないまま

*

愚痴をこぼしやり過ごしていた自分の傍に

<それ>がずっとあったという そのことは

*

今になってみれば 何という

時の采配の不思議だろうか

*

いま 溢れ出す涙は

熱い河となって

古き故郷へと還っていく

*

元々の道へ戻された

この孤独な魂を

洗い流すかのように

*

そして それに身を任せるかのように

その中にこの身を浸す僕がいる

*

そこにかつて 音楽の中に座っていた

あなたの姿が重なる

*

僕は自分の二つの名前の間で

この運命をただ享受する