このシリーズは、TOA(株)が、関西の小・中学生および音楽教師向けにジーベックホールにおいて提供しているワークショップシリーズです。神戸をはじめ阪神間の参加校を募集しています。詳しくは、ジーベック(078-303-5600)までお問い合わせ下さい。
主催/TOA(株)
後援/兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会
企画顧問/岩井正浩(神戸大学発達科学部音楽表現論講座教授)
企画/世界の民族楽器紹介企画委員会
制作/ジーベック、天楽企画
2004年度のワークショップで取り上げるのは、インドネシア、特にジャワの伝統楽器、ガムランです。
これまでのワークショップでは、主に独奏あるいは小編成アンサンブルに使われる楽器を取り上げてきましたが、世界の民族楽器のなかにはそうしたものばかりではなく、集団でしか演奏しないものがあります。その典型的なものがガムランです。
ガムランの楽器は、主に青銅製の鍵盤やゴング類からなっています。それらをバチで叩いて(インドネシア語でガムルgamelは、叩くの意味)音を出すことから、ガムランと呼ばれています。ガムランはインドネシア各地の宮廷音楽、古典舞踊や影絵芝居ワヤンの伴奏音楽として古くから伝わり、現在も広く演奏されています。また、ドビュッシー、ラヴェル、プーランク、オルフ、ブリテンといった西洋クラシック音楽の作曲家に影響を与えただけではなく、ジョン・ケージ、マイケル・ナイマン、ルー・ハリソンなど、いわゆる現代音楽の作曲家たちもガムランのための作品を創作しています。このように、今日では、ガムランは単なるインドネシア固有のものとしてだけではなく、幅広い音楽表現の一つとして世界的に認知されてきています。
それぞれの楽器の音域は広くはありません。また、複雑な演奏技法やリズムを使うわけでもありません。しかし、それらが集団で演奏されるとき、実に複雑で味わいのある響きが生まれます。ガムランでは、演奏者一人一人が特に高度な技術を要求されるわけではありませんが、他者の音を注意深く聴いて全体の音楽的調和を考えなければ成立しません。一人一人が突出したことをやっているわけではないのに、全体として極めて複雑で有機的なわたしたちの社会になぞらえることができるかもしれません。
本シリーズにガムランを取り上げたねらいは、インドネシアの音楽や楽器を学び、体験し、感動すると同時に、学校教育の目的の一つである、一人一人が固有の価値をもつという認識を子供たちに学んでもらうことでもあります。