めんこい通信
2011年
1月18日号 | 5月4日号 | 8月11日号 | 11月17日号
11月17日号
ええ、バーンスリーのHIROSです。
この通信はBCCでお送りしています。皆さまの生活向上にはまず役に立たないと確信していますが、ふとお時間のあいたときにでも一読下されば幸いです。
ふと気がつけば11月も半ば過ぎ。まったく時間の経つのは速いものです。
節電しないと停電になりますよ、というような電力会社のキャンペーンは、彼らにすればそれなりに切実なものかもしれませんが、停止中の既存原発の再稼働が難しい状況のなか「だから原発は必要なんだ。あんたら分かってるんか」という「脅し」にしか思えない電力会社の傲慢さが際立ち、「やらせ」メール事件の九電は「それのどこが悪い」といわんばかりに強引に玄海原発を再稼働させて既成事実化をはかり、これほどの被害をばらまき犯罪会社といってもいい東電はひたすら事故の過少性を強調しつつ社員にはちゃっかりボーナスを支払い、政治家たちは本当は福島でなにが起きているのかも分からぬまま、冷温停止だ、放射能も大丈夫だからもう家に戻っても問題ないなどといいつつTPPがどうしたなどと震災対策そっちのけで騒ぎ、そうした姿にマスコミはあくまで寛容というかジャーナリストというよりは責任回避と自己保身の鎧を着た単なるサラリーマンだったことがじわじわとあぶり出されるという状況は震災発生以来かわらず今日まで続き、そうした状況に本来はもっともっと怒っていい人々の声はあまりに小さく、そうこうしているうちにギリシアやイタリアなどの経済危機でヨーロッパは変調を来たし、スティーヴ・ジョブズが他界し(アップルにはこれまでずいぶんゼニを貢ぎました)、アメリカは高い失業率による世論の突き上げを自由貿易でなんとかしのごうと外国の市場を強引に広げようとし、あれほど威勢の良かったカダフィが殺され、トルコではまたまた地震がおき、バンコクは水浸しとなり、株価はがんがん下がり、つくづく絶望的な気分になってしまうなどと生半可な情報でぶつくさつぶやき、おいボーマン君、いい加減に去ってくれんかなどといっているうちに、もうじき62歳になる久代さんに久々の仕事が舞い込み、と、将来を考慮にいれなければ中川家は極楽ともいえる日々を送っているのでありますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。===これまでの出来事===
■8月26日(金)、27日(土)、28日(日)<トルコの音楽3夜連続トーク>/CAP CLUB Q2、神戸/はなし:Abdurrahman Guelbeyaz(アポ)、聞き手:HIROS
超厳選受講者を相手にアポがトルコ音楽について解説しました。トルコの音楽は国というか地域の歴史と同じように単純に語ることができないということがよく分かります。アポにとっては音楽理論も含めたややこしいことを母語ではない日本語でプレゼンするのは難しかったとはいえ、もうちょっとの工夫でより分かりやすくなったのではと反省しています。
下記に庭火祭のプログラムに書いたものを掲載しましたので興味のおありの方はどうぞ。
http://sound.jp/tengaku/MusicalEssay/TurkishMusic.html■9月2日(金)/トルコ音楽アンサンブル・学校訪問/八雲小学校、忌部小学校/松江
■9月3日(土)/第19回庭火祭「トルコ音楽」/トルコ音楽アンサンブル(Turan Vurgun: Oud+Kanun, Tolga UNALDI:Ney, Sefer SIMESEK:Balam+Vocal, Abdurrahman GULBEYAZ:percussion)+石川利光(尺八)/企画制作:天楽企画
この庭火祭のために招聘予定だったカーヌーン奏者のトゥランが予定便に乗れなかったり、コンサートそのものが台風12号の直撃を受けて取りやめになったりと散々でした。第1回から関わってきた庭火祭がキャンセルになったのは初めてでした。さいわいトゥランは予定日の次の日に来日したので、熊野大社での奉納演奏や打ち上げでの演奏に間近に接することができたスタッフは満足したのではないかと思います。八雲村の実行委員会のホスピタリティーにはいつも大満足です。お世話になりました。■9月4日(日)19:00~/トルコ音楽コンサート/CAP CLUB Q2、神戸/トルコ音楽アンサンブル+石川利光
前夜の打ち上げでどろどろのころ、台風の影響で中国縦貫も国道も不通というニュースが入りどうなることかと思われましたが、八雲村から神戸へ無事移動でき、寝不足やら疲労やらのまま神戸でコンサートでした。神戸もやはり雨模様だったせいか、聴衆は50名ほど。演奏がすばらしかっただけにもったいなかった。
この日から、イスタンブールのネイ奏者トルガは8日まで我が家に滞在しました。トルガというのは、七聲会が昨年イスタンブールに行ったときいろいろと案内してくれたネイ奏者。日本が大好きで、神戸や京都の街に出かけるたびに写真を撮りまくり、七聲会による歓迎宴会の後は涙ぐむほど。■9月11日(日)<七聲会コンサート>“Colors of Voice, Colors of Wind”/ルールトリエンナーレ/Jahrhunderthalle Bochum、Bochum(ドイツ)/七聲会:聲明、石川利光:尺八
トルコ人演奏家を送り出した次の日、同じ関空から今度はドイツへ向かいました。ワダスにとっても久しぶりのドイツでした。公演は素晴らしかったしアイスバインもビールもソーセージもおいしかった。
主催者がエミレーツ航空便をとってくれたのでドバイ経由になりました。ドバイ空港でのてんやわんや、ボーフムに着いてからの顛末、ケルン観光などなど、例によって「よれよれ日記」に詳しく書いています。ご興味と御意思のおありの方はお読み下さい。
http://sound.jp/tengaku/Shichseikai/bochum11/bochum11Diary.html■9月24日(土)14:00~/レクチャー・コンサート・シリーズ「音楽世界旅」〜インド/岸和田自泉会館、大阪/西岡信雄:解説/柳田紀美子(東インド古典舞踊=オリッシィ)、ナリニ・トシニワル(カタック)、田中峰彦(シタール)、田中りこ(タブラー)、HIROS(バーンスリー)
岸和田にお城があるとは知りませんでした。会場は有名なだんじりのスタート地点に近い洋館でした。
司会・解説の西岡さんにお会いするのは実に久しぶりでした。相変わらずお洒落でお元気でした。4曲の舞踊伴奏曲のリハーサルに3日も費やしましたが、本番は、ま、なんとかなりました。準備に時間とエネルギーを費やした田中夫妻にも感謝。■9月25日(日)田中泯による「場踊り」/摩耶山天上寺
神戸の古くからの仲間たちと摩耶山天上寺での田中泯の「場踊り」を見に行きました。田中泯さんの踊りは2度目です。ずっと昔神戸で見たときはほぼ全裸で床をのたうっていましたが、今回は「たそがれ清兵衛」風の薄汚れた着流し。会場の麻耶山天上寺と涼しい風との組み合わせもよく、力の抜けた踊りが良かった。
一緒に行ったのは、現代美術の植松奎二夫妻、絵本作家の岡田淳夫妻、建築家の幸田庄二さん、曽我さん(雀鬼)、建築家の橋本健治夫妻、も一人どうしても名前の思い出せない古い知人。三宮往復のバスは意外と時間がかかり、ちょっとしたバス観光旅行という雰囲気だった。打ち上げはガード下の海鮮居酒屋でした。■10月9日(日)India Mela/ハーバーランド、神戸/大橋一慶:タブラー、Mukesh Khemaney:カホン、HIROS:バーンスリー
去年に引き続きインディア・メーラーにちょこっと出演しました。去年と同様、カレー粉をまぶしたごった煮状態でありました。■10月15日(土)/妙心寺・大心院 元気のつどい 第二回/妙心寺塔頭・大心院、京都/HIROS:バーンスリー
妙心寺には初めて行きました。広い敷地を塀で囲まれた塔頭が高級住宅街のように並び、それをつなぐ石畳の道が美しい。大心院の小さな枯山水の庭も素晴らしい。花園駅で帰りの電車に乗るところでなんと喉歌の等々力さんに会いました。これだから油断ならない。■10月21日(金)/「30℃〜オールナイトパーティ」/CAP CLUB Q2、神戸/HIROS:芋煮調理指導
今年4月バリ島で亡くなったアニメーション作家、相原信洋さんのオールナイトパーティーでした。ご本人にお会いしたことはありませんが、夜通し上映された作品はなかなかよかった。下田バンドも絶好調でしたね。ワダスは50人分の芋煮を作りましたが完売でした。■10月23日(日)/今西玲子・岡野勇仁結婚式/大阪倶楽部
昨年の「1000人で音楽する日。」のスタッフだった筝演奏家、今西玲子の結婚式でした。お相手はピアニストの岡野勇仁さん。二人の出会いがなんと「1000人で音楽する日。」の打ち上げだったということもあり、ワダスは花嫁側来賓代表てなことになっちゃっていました。笛と歌で「秋田長持歌」を披露しました。二次会は小島剛さんらの司会でライブ宴会になり、楽しかった。■11月12日(土)/大谷大学課外教育行事「インド舞踊と音楽」/野中ミキ+ジョバ・ラニ:オリッスィー舞踊、岩下洋平:シタール、藤沢バヤン:タブラー、HIROS:バーンスリー
京都在住の若手インド音楽演奏者たちと演奏しました。オリッスィー舞踊の伴奏もなかなかに楽しいものでした。===この間に読んだ本===
8月以降に読んだ本は以下。なんだかざわざわした状況のせいなのか、それなりに「重い」本が多かったような気がします。とくに重かったのは『慈しみの女神たち』でした。それぞれ厚さ4cm、2段組み、ほとんど改行なしの上下巻でおよそ1000ページです。スターリングラード戦やユダヤ人虐殺を通して進行するドイツ軍や個人の精神崩壊の変化をナチス親衛隊将校の独白という形で描いた小説です。主題のナチスによるユダヤ人絶滅の思想も恐るべしだが、より普遍的な問題を考えさせる記述が随所にあり傑作といっていいと思います。印象的なのは、当時のドイツの官僚機構。国家的「悪」の組織化と個人の問題は、原発推進や事故後の隠蔽とリンクして読んでいました。フランスでは100万部を超えるベストセラーだったらしいが、どれだけの日本人が読んだでしょうか。ものすごく時間とエネルギーを要する小説ですが、おすすめです。
もう一冊は『脳のなかの幽霊』。事故で肘から下のない患者が、ないはずの手の痛みに苦しむのはなぜか。自分の両親や自分の身体の一部さえ偽物と思ってしまうカプグラ・シンドロームなんて病気があるなんて初めて知りました。自己とは脳が作り上げた幻想なのだという。一度読んだだけではとても全容を理解できないので、これから何度か読むことになる本です。著者はインド系アメリカ人の精神神経学者です。すごい人がいるものです。
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『ゴールド 金と人間の文明史』(ピーター・バーンスタイン/鈴木主税訳、日本経済新聞社、2001)
『「おじさん」的思考』(内田樹、角川文庫、2011)
『決定版 原発大論争』(宝島編集部編、宝島SUGOI文庫、1999)
『隠される原子力・核の真実』(小出浩章、創史社、2010)
『帝国の落日・下』(ジャン・モリス/池央耿+椋田直子訳、2010)
『放射能汚染の現実を超えて』(小出浩章、河出書房新社、2011)
『音楽史を変えた五つの発明』(ハワード・グッドール/松村哲哉訳、白水社、2011)
『官僚の責任』(古賀茂明、PHP新書、2011)
『生命の秘密』(柳澤桂子、岩波書店、2003)
『われわれはなぜ死ぬのか』(柳澤桂子、草思社、1997)
『響きの科楽』(ジョン・パウエル/小野木明恵訳、早川書房、2011)
『音楽の話をしよう』(寺内大輔、ふくろう出版、2011)
『100年の難問はなぜ解けたのか』(春日真人、新潮文庫、2011)
『宇宙は何でできているのか』(村山斉、幻冬社新書、2010)
『脳のなかの幽霊』(V.S.ラマチャンドラン+サンドラ・ブレイクスリー/山下篤子訳、角川文庫、2011)
『慈しみの女神たち』上下(ジョナサン・リテル/菅野昭正、星埜守之, 篠田勝英, 有田英也訳、綜合社、2011)
『大国の興亡』上下(ポール・ケネディ/鈴木主悦訳、草思社、1988)===これからの出来事===
週一のジュギョーをのぞけば、ほとんどローゴ的リタイア生活です。見事になあーんも予定がありません。散歩、読書、練習、ときどき老両親付き合いの日々が続きます。ここ2年はインドへ行ってましたが、毎回参加していたプネーの音楽祭がなくなってしまったこともあり、今シーズンは神戸でじっとしている予定です。遊んでください。
■11月23日(水)10;30〜16;30/てあての学校・秋/京都市生涯学習センター山科・和室/HIROS:バーンスリー/主催・問い合わせ:気功協会
めんこい通信2011年8月11日号
ええ、バーンスリーのHIROSです。
この通信はBCCでお送りしています。皆さまの生活向上にはまず役に立たないと確信していますが、ふとお時間のあいたときにでも一読下されば幸いです。
前期のジュギョーもすべて終わりやれやれ感に浸りつつだらだらした夏を過ごしていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
例年ならば、テイシューニューにもかかわらずそれなりに平安かつ怠惰な生活を送っているはずでありますが、今年は状況が違ってしまいました。京大の小出先生によれば「世界が変わった」。相変わらずハラハリ君はしっかりと定住し腹部不愉快感はあるものの、そういうものとは違った重苦しい気分を起こさせるのは、やはり大震災と原発事故です。
それにしても、政府や電力会社の事故処理および被災者支援対応があまりに絶望的です。なぜこんなことになってしまったのか。ほぼジョブレス・ミュージシャンがぶつぶついってみたところで何の力にもならないとはいえ、考えざるを得ません。
起きた出来事をできるだけ小さく見せたい。被災者の状況よりも保身や責任回避を優先したい。根拠のない願望によって現実認識を歪める。大戦時の大本営、公害や薬害に対処すべきときにも共通すると思える態度の根本的原因はなんだろうか。そうならないようにするにはどうしたらよいのか。いろいろと指摘する本も読んでみましたが説得力のあるものは見当たりません。
この国の指導者というのは、専門分野ではそれなりに優秀なんでしょうが、知恵のある自立した社会人とはとても思えない。でなければ、「炉心溶融可能性は想定不適当だ」(つまり考えないことにする)とか、九電や保安院の「やらせ」など、あんな見え透いた子供っぽい発想は出てこないはずです。しかもばれてしまってからの往生際が悪い。証拠書類なんかもばんばん処分する。で、コクミンはそうした姿を何度見ても、そのときはちょっと騒ぐけど、大きな変化につながる動きはせずいつしか大人しくなってしまう。同じことが指摘され続けても変わらない社会。ホースから勢い良く放水して腸内のひだひだまで洗い流したい気分です。
もっとも、この現象は日本社会だけの特殊なありようではなく、現代の巨大化した科学技術のシステムにはらむ問題でもあるのかもしれません。
「技術は悪を匿名にした。科学と技術によって、悪は官僚的に組織され、どんな個人も生じた事態に対して責任をとらなくていいようになった」
これは、物理学者フリーマン・ダイソンの『宇宙をかき乱すべきか』にある言葉です。
ともあれ、われわれの生活も含め、今のあり方を根本的に問い直す必要があるような気がします。とりあえず、お腹はすっきりさせたい。===これまでの出来事===
■5月14日(土)「まちカフェ京都・第2回 原子力ってホントにいるの?」/百万遍知恩寺山内瑞林院、京都/小出裕章:講演
原発事故以来すっかりファンになり、ほぼ毎日ネットで彼の発言を聞いている京大原子炉実験所助教小出裕章さんの話を聞きに久代さんと京都へ出かけました。会場はわがお坊さんバンド<七聲会>メンバーの河合真人さんのお寺でした。ナマ小出さんのお話は、ほとんどすでに聞いて知っている内容とはいえとても説得力のあるものでした。150人くらいの聴衆のなかには気功協会の天野夫妻、堺町画廊のふしはらさん、山科居候先の奥山さん、首固定コルセット姿の痛々しい岡本さんなど知り合いもチラホラ。帰りがけに今や大忙しの鎌仲ひとみさんも現れ久しぶりに再会。
散歩しながら鴨川沿いの途中の汚い居酒屋でビールを飲み、地下鉄「烏丸四条」駅で、なんと、おおたか静流さんと遭遇。まったく世の中は油断がなりません。
■5月21日(土)15:00~21:00/ガムランエイド「震災から5年、そしてこれからの5年」/大淀アートセンター、大阪/主催:ガムランを救えプロジェクト/ダンス:佐久間新、バーンスリー:HIROS他
岡野さんのやかんパフォーマンスが不思議でしたね。ワダスもちらっと演奏しました。メンバーのパフォーマンスから例によってたらーっとしたミーティングでした。■5月25日(水)、26日(木)/金比羅参り
西明石に住む久代さん両親サービスとして車で金比羅さんへ。スポンサーは義妹の駒井家。金比羅一豪華な「紅梅亭」の豪華ディナー付き宿泊。次の日は、途中までタクシーで上がっただけの両親を待たせて金比羅さんにお参りしました。讃岐といえばうどん。10年以上ぶりに「わら家」で釜揚げを摂食し無事戻りました。久しぶりの長距離運転はちとくたびれました。■6月4日(土)ガムランエイドうどんパフォーマンス/西真奈美、西田有里、西岡美緒、佐藤高仁、岡部太郎
前日から仕込んだ1kgのうどんを7人で消費。■6月15日(水)「岩手県沿岸地方の民俗芸能-東日本大震災以降の現状と課題」/大淀アートセントー、大阪/講師:橋本裕之氏(盛岡大学教授)
被災地沿岸の村々を巡業する黒森神楽や鵜の鳥神楽のありようが実にユニーク。ほとんど練習もしないがハイレベルの芸能者たち。「あの人たちはみんな天才です」(橋本)もうなづける。知らないことがいかに多いことか思い知らされました。橋本さんは機関銃のようにしゃべりまくりました。■6月17日(金) 世界音楽における即興シリーズその1
<北インド古典音楽3夜連続トーク+コンサート>第1夜「ラーガ:即興の旋律」/CAP CLUB Q2、神戸/はなし:HIROS、聞き手:下田展久
・6月18日(土) 第2夜「ターラ:循環する拍節」
・6月19日(日) 第3夜「インド音楽のたのしみ
・6月25日(土) インド音楽〜竹の笛、バーンスリー/タブラー:田中りこ、バーンスリー:HIROS/CAP CLUB Q2
テーマが超オタク的だったからか、宣伝が行き届いていなかったせいなのか、トークもライブも超厳選聴衆でありました。広島から寺内大輔夫妻、西洋音楽がご専門の椎名亮輔さん、京大でサンスクリットを教えていらした元教授など、油断ならない人たちでした。レクチャーの模様はネットで映像が流されました。
http://www.youtube.com/watch?v=KBFS_3y1Ffw&feature=player_embedded■6月30日(土)奥山家来宅うどん
いつも週1居候でお世話になっている山科の奥山隆生さん、雅子さんが来宅、うどん摂食大会。■7月1日(金)井上想、岡林立哉来宅
インドで音楽修行中の井上想君がいきなり「セエーンセー」と訪ねてきました。彼はたいていアポなし訪問なのです。相変わらず元気がよく大声。その夜実家のある東京へバスで戻る井上君と入れ替わりに、最近高知に移り住んだホーミーの岡林さんが来宅。2時くらいまで飲みました。岡林さんもよく飲む。■7月9日(土)3組合同結婚パーティー「コトブキ・シックス」/CAP CLUB Q2
けっこういい年なのに独身が多いなあと思っていたCAPのメンバー、鳴海さん、林延子さん、松田晶子さんの3人がいきなり結婚を表明し、コトブキ・シックスなる合同結婚パーティーが開かれました。ワダスは例によっておめでたい秋田長持ち唄を披露しました。結婚式は久しぶりでした。■7月18日(月)大谷大学前期最終講義
小レポートの日。収容人数300人の教室に入りきれない学生には別室を用意してもらいました。それにしても、最大教室に収容しきれない学生数が受講登録されているというのは釈然としません。普段のジュギョーに出席していたのは150人ほどなので、登録した半数以上の学生のほとんどジュギョーに出ないで単位を取ろうという魂胆はけしからん。■7月20日(水)ガムランエイド勉強会/大淀アートセントー、大阪/プレゼンター:中川真
ガムラン・エイド活動の意義、今後の活動指針についてのプレゼン。震災支援の新しい形の模索です。
■7月23日(土)20:00~/サズ・カフェ・ライブ/サズ・カフェ、大阪/森内清敬:トルコ・パーカッション、アポ:トルコ・パーカッション、セファ:バーラム・歌、HIROS:バーンスリー
アポからの誘いでトルコ音楽とセッションしました。場所は心斎橋商店街に近い小さな店「サズ・カフェ」。前夜にアポから大量の楽譜が送られてきたのですが、何をどうするかも分からぬままにお昼過ぎに店に。かなりアバウトなリハーサルでしたが、本番はまあまあでした。バーラム演奏家のセファが経営する「サズ・カフェ」はなかなかに落ち着く店でした。阪大からトルコに留学したという森内青年のパーカッションは安定感がありました。■7月27日(水)大淀アートセントープレゼン「Acte Kobe運動」/大淀アートセントー、大阪/プレゼンター:HIROS
プレゼンのために過去の資料を整理したのですが、マルセイユやベルンの人たちと毎日宴会したりセッションしたりという幸福な日々を思い出しました。===この間に読んだ本===
ラインナップを見るといかに脈略のない読書をしているか歴然です。ベスト・ファイブをあえて挙げれば、1.『傍観者の時代』2.『苦界浄土』3.『マイトレイ』4.『空気と戦争』5.『虐殺器官』というところか。
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『最終謀略』上下(トム・クランシー+スティーヴ・ピチェニック/伏見威蕃訳、新潮文庫、2009)
『時間の発見』(コリン・ウィルソン編著/竹内均訳、三笠書房、1990)
『街場の中国論』(内田樹、ミシマ社、2011)
『アジャストメント』(フィリップ・K・ディック/大森望編、ハヤカワ文庫、2011)
『封印された系譜』上下(ロバート・ゴダード/北田絵里子訳、講談社文庫、2011)
『核燃料サイクルの闇』(秋元健治、現代書館、2006)
『日本の国境問題』(孫崎亨、ちくま新書、2011)
『マネジメント』(P.F.ドラッカー/上田惇生編訳、ダイヤモンド社、2001)
『傍観者の時代』(P.F.ドラッカー/風間?三郎訳、ダイヤモンド社、1979)
『TPP亡国論』(中野剛志、集英社新書、2011)
『滅びゆく国家』(立花隆、日経BP社、2006)
『日本人が誤解する英語』(マーク・ピーターセン、光文社知恵の森文庫、2010)
『紛争屋の外交論』(伊勢崎賢治、NHK出版新書、2011)
『苦界浄土』(石牟礼道子、講談社、1969)
『マイトレイ』(ミルチャ・エリアーデ/住谷春也訳、河出書房新社、2009)
『軽蔑』(アルベルト・モラヴィア/大久保昭男訳、河出書房新社、2009)
『日本辺境論』再読(内田樹、新潮新書、2009)
『虐殺器官』(伊藤計劃、早川文庫、2010)
『異端の数ゼロ』(チャールズ・サイフェ/林大訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2009)
『ハーモニー』(伊藤計劃、早川文庫、2010)
『空気と戦争』(猪瀬直樹、文春選書、2007)
『インド夜想曲』(アントニオ・タブッキ/須賀敦子訳、白水Uブックス、1993)
『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』(大沢在昌他、集英社、2007)
『9.11の標的をつくった男』(飯塚真紀子、講談社、2010)
『夜想曲集』(カズオ・イシグロ/土屋政雄訳、ハヤカワepi文庫、2011)
『ホルモー六景』(万城目学、角川書店、2007)
『ピュタゴラスの復讐』(アルトゥーロ・サンガッリ/冨永星訳、日本評論社、2010)===これからの出来事===
■8月26日(金)19:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第1夜
<トルコの音楽3夜連続トーク+コンサート>/CAP CLUB Q2、神戸/1回1000円/問い合わせ:CAP 電話078-222-1003/はなし:Abdurrahman Guelbeyaz、聞き手:HIROS
・8月27日(土)19:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第2夜
・8月28日(日)16:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第3夜
6月に行った集中講義+コンサートの第2弾です。今回はトルコの音楽がテーマです。日本では一般にトルコの音楽に関してなじみがありません。この際、集中して勉強してみたいという人はぜひおいで下さい。講師は、阪大准教授にしてトルコ音楽のエキスパートであるアポことアブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ氏。■9月2日(金)/トルコ音楽アンサンブル・学校訪問/八雲小学校、忌部小学校/松江
■9月3日(土)/第19回庭火祭「トルコ音楽」/トルコ音楽アンサンブル(Turan Vurgun: Oud+Kanun, Tolga UNALDI:Ney, Sefer SIMESEK:Balam+Vocal, Abdurrahman GULBEYAZ:percussion)+石川利光(尺八)/企画制作:天楽企画
「HIROSっさん、今年なにしましょ」という松江の瀬古さんからの相談がきっかけでトルコ人を招聘しての庭火祭が実現しました。セファとアポは関西在住ですが、トゥランはハンブルグから、トルガはイスタンブールからやってきます。来日する二人ともワダスは知っています。とくにトルガは、昨年<七聲会>イスタンブール公演で現地でいろいろとお世話になったネイ奏者です。「あんたを日本に呼ぶからね」が実現することになりました。かがり火に照らされた熊野大社境内でのコンサートです。
http://www.niwabi.jp/■9月4日(日)19:00~/トルコ音楽コンサート/CAP CLUB Q2、神戸/トルコ音楽アンサンブル+石川利光
八雲村から移動してすぐに神戸でコンサート。ワダスはずっと運転手というかお世話係なんですが、最後の曲でセッションに合流する予定です。
http://www.cap-kobe.com/club_q2/2011/07/17171932.html■9月11日(日)<七聲会コンサート>“Colors of Voice, Colors of Wind”/ルールトリエンナーレ/Jahrhunderthalle Bochum、Bochum(ドイツ)/七聲会:聲明、石川利光:尺八
トルコ人演奏家を送り出した次の日、同じ関空から今度はドイツへ向かいます。去年イスタンブールへ行った七聲会が今度はドイツで公演です。ウェブサイトを見るとすでにチケットは売り切れとありました。奇しくも公演は9.11です。
今回は去年ワダスのコンサートにゲスト出演していただいた尺八の石川利光さんにも演奏してもらうことにしました。
http://www.ruhrtriennale.de/en/programm/2011/colors-of-voice-colors-of-wind/■9月24日(土)14:00~/レクチャー・コンサート・シリーズ「音楽世界旅」〜インド/岸和田自泉会館、大阪/西岡信雄:解説/柳田紀美子(東インド古典舞踊=オリッシィ)、ナリニ・トシニワル(カタック)、田中峰彦(シタール)、田中りこ(タブラー)、HIROS(バーンスリー)
短いソロと、久しぶりに舞踊の伴奏をします。
http://www2.sensyu.ne.jp/fontaine/event/event.htm
めんこい通信2011年5月4日号
例年なら初夏の新緑になんとなくわくわくする季節なのに、通奏低音のような重苦しい気分が続く日々でありますが、皆様はいかがお過ごしでありましょうか。
ムンバイのミニ音楽祭で演奏とレクチャー、プネーの音楽祭で途中停電ありのレクチャー、音楽修行の場というよりも禅の修行道場といったおもむきのボーパールのドゥルパド・サンスターン滞在、デリーから700kmほど北東の田舎町カールゴーダムでの安楽居候などなど、ほぼ1ヶ月のインド旅行から帰国したのが2月20日。さて親友のハラハリ君との旅行記録でもまとめようかといろいろ整理したり、だらだらと読書したりテレビの映画を見たりという超絶ヒマ状況的幸福に浸っていた3月11日にとんでもないことが起き、以来、にわか科学者的に福島原発事故とその周辺の情報を消費する日々が始まり、それが未だに続いています。
みなさんもそうかも知れない重苦しい気分の原因は、復興途上の被災者のご苦労もさることながら、なんといっても福島第一原発事故です。
かねがねワダスは原発については否定的な気分でした。なので、広瀬隆の本を読んだり、チェルノブイリの悲惨なドキュメンタリーを見たり、知り合いの映画監督、鎌仲ひとみさんの映画を上映したりと、わりと意識的に反原発方面に関心がありました。しかし、連日更新される事故および専門的な周辺情報に接していると、これまでの「なんとなく反原発」気分では知り得なかったことが次々と分かってきました。もう今では、自慢じゃないけど、ウラン235とかセシウムとかヨウ素がどうの、プルトニウムがなんやらかんやら、圧力容器の鉄板の厚みが16cmもあるだの、格納容器がどうの、冷却システムがこうこうで、炉心溶融が起きていてうわーだの、再臨界が起きているのかもなどなどの専門領域はじめ、これまでの原子力行政のあやしげな実態とか、いわゆる御用学者の不誠実だの、理解しにくい菅政権や行政の対応、これからのエネルギー政策などの環境方面すらカバーする、センモンカに近いベンキョーをするほどになったのでありました。たいてい答えられないかも知れませんけど、なんでも訊いてけろ、といいたい高揚した気分なのです。というわけで、かつての「なんとなく反原発」から積極的反原発に変わりました。
広瀬隆の『ドイツの森番たち』を読んだり、最近配偶者ともども熱烈なファンになった小出浩章さんらのネットの情報からすると、高濃度廃棄物、つまり原発のゴミをどうするのかまったくめどが立っていないとのこと。となるとものすごく高価な「もんじゅ」やら六ヶ所村の再処理施設の存在はブラックジョークとしか思えません。
では、なぜこんな冗談のようなことをこれまで止められなかったのか。いつかは核兵器をもちたいというのが動機だという説もありますが、それならそれで議論できます。河野太郎がいっているように、原発の有り様が、責任の所在が曖昧で後戻りできないほどもつれあった利権構造なのだとしたら、いくら原発が危ないと論理的に主張してもだめだったはずです。失うものの多い人ほど、つまり欲の多い人ほどまともな論理から離れてしまうという構造が変わらなければどうにもならない。ではどうやったら変わるのか、悩ましい問題だなあ、とぶつぶつつぶやいているのであります。===これまでの出来事===
■1月22日(土)〜2月20日(日)インド
今回はムンバイ→プネー→ムンバイ→ボーパール→カールゴーダム→デリーというコースでした。各地の友人知人のおかげで全泊居候でした。ありがたいことです。この期間のいちおうシゴトもどきは、日本音楽紹介レクチャー2回、公演2回、ホームコンサート3回。わずかですがシューニューもあったので、今回のインド旅行費用は渡航費も含めほぼゼロ。
関係ありませんが、The Oxford Encyclopedia of the Music of Indiaが出版されました。全3巻総重量6kgのインド音楽百科事典です。これを20年以上がかりで編集したのはワダスの翻訳出版のときにお世話になったピライ博士。ラーガに関して参考にされたとのことでワダスの拙訳書『インド音楽序説』も巻末の参考文献に載っていました。■2月27日(日)〜28日(月)高野山
昨年に引き続き、ガムランを救えプロジェクトの「厳冬サマサマ」第2回目。参加者は青木恵理子、秋山浩太、岡部太郎、風間純子、小林江美、佐久間新、嶋和彦、ジャネット女史(米国)、諏訪晃一、中川真、林紕さ子、HIROSの計12名。ガムランを救えプロジェクトの活動を卒論のテーマにした阪大生の秋山浩太さんによるプレゼンを肴に、あまり寒くはなかった高野山の夜は更けるのでありました。■3月12日(土)生涯学習音楽指導員養成講習会「民族楽器演習」/大阪音楽大学/主催:財団法人 音楽文化創造/講師:HIROS
前日の東日本大震災発生でもキャンセルになりませんでした。参加者は女性のみ9名。■4月9日(土)花見大会/護国神社、神戸/主催:天藤建築設計事務所
■4月11日(月)大谷大学前期講義開始
月曜日の大谷大学、火曜日の龍谷大学と毎週出かける日々が7月まで続きます。===この間に読んだ本===
『神は妄想である』(リチャード・ドーキンス/垂水雄一訳、早川書房、2007)
『思想としての音楽』(片山杜秀責任編集/講談社、2010)
『アラブの音文化』(西尾哲夫・堀内正樹・水野信男編/スタイルノート、2010)
『ピアニストは指先で考える』(青柳いづみこ/中央公論新社、2010)
『後藤正治ノンフィクション集第7巻』(後藤正治/ブレーンセンター、2011)
『延長された表現型』(リチャード・ドーキンス/日高敏隆・遠藤彰・遠藤知二:訳、紀伊国屋書店、1987)再読
『巨人たちの落日』上中下(ケン・フォレット/戸田裕之訳、ソフトバンク文庫、2011)
『パチンコ裏物語』(阪井すみお/彩国社、2010)
『SWITCH STORIES』(新井敏記/新潮文庫、2011)
『鏡の荒野』(新井敏記/スイッチ・パブリッシング、2011)
『他人を見下す若者たち』(速水敏彦/講談社現代新書、2006)
『虹の解体』(リチャード・ドーキンス/福岡伸一訳、早川書房、2001)再読
『ドイツの森番たち』(広瀬隆/集英社、1994)
インドではまったく読書せず、かつ震災以来、テレビ&ネット漬けだったせいか読書量もぐっと減っちゃいました。このごろとみに忘却力がパワフルさを増したため再読本も新鮮に読めます。経済的だし。===これからの出来事===
週2日のジュギョーとレッスン以外はこれといったゼニ仕事はありませんが、たまに絶ヒマではない日もあります。■5月21日(土)15:00~21:00/ガムランエイド「震災から5年、そしてこれからの5年」/大淀アートセンター、大阪/主催:ガムランを救えプロジェクト/ダンス:佐久間新、バーンスリー:HIROS他
東日本大震災への取り組みも話し合われる予定です。■6月17日(金)19:00~/世界音楽における即興シリーズその1
<北インド古典音楽3夜連続トーク+コンサート>第1夜「ラーガ:即興の旋律」/CAP CLUB Q2、神戸/1回1000円/問い合わせ:CAP 電話078-222-1003/はなし:HIROS、聞き手:下田展久
・6月18日(土)19:00~/第2夜「ターラ:循環する拍節」
・6月19日(日)16:00~/第3夜「インド音楽のたのしみ
・6月25日(土)インド音楽〜竹の笛、バーンスリー/タブラー:田中りこ、バーンスリー:HIROS/CAP CLUB Q2、神戸/当日2500円、前売り2000円■8月26日(金)19:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第1夜
<トルコの音楽3夜連続トーク+コンサート>/CAP CLUB Q2、神戸/1回1000円/問い合わせ:CAP 電話078-222-1003/はなし:Abdurrahman Guelbeyaz、聞き手:HIROS
・8月27日(土)19:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第2夜
・8月28日(日)16:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第3夜■9月2日(金)/トルコ音楽アンサンブル学校訪問/八雲小学校、忌部小学校/松江
■9月3日(土)/第19回庭火祭「トルコ音楽」/トルコ音楽アンサンブル(Turan Vurgun: Oud+Kanun, Tolga U¨NALDI:Ney, Sefer ?IME?EK:Balam+Vocal, Abdurrahman GU¨LBEYAZ:percussion)/企画制作・招聘:天楽企画
■9月4日(日)/トルコ音楽コンサート/CAP CLUB Q2、神戸/トルコ音楽アンサンブル/詳細未定
■9月11日(日)<七聲会コンサート>“Colors of Voice, Colors of Wind”/ルールトリエンナーレ/Jahrhunderthalle Bochum、Bochum(ドイツ)/七聲会:聲明、石川利光:尺八
去年に引き続き、七聲会は今年も海外公演があります。今度はドイツです。
めんこい通信2011年1月18日号
ええ、バーンスリーのHIROSです。
この通信はBCCでお送りしています。皆さまの生活向上にはまず役に立たないと確信していますが、ふとお時間のあいたときにでも一読下されば幸いです。
ダラダラと過ごしているうちにいつの間にか2011年になり、もうお正月とはいえない雰囲気になりました。オーストラリアやブラジルでは大洪水、ヨーロッパは大寒波の大雪、なんと島根県の松江市も大雪、北海道ではマイナス23度などという町まで出てきて、今年の冬は、むっちゃ暑かった夏とは一転して寒い日が続いていますが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
年賀状を送っていただいたかたがた、ありがとうございました。年賀状というものを出さないわれわれにも律儀に出していただき恐縮しています。まだ1月中は有効として、ツーゾクテキではありますが、
新年あけましておめでとうございます。
正月は例年通り、西明石の配偶者実家でした。元日は、89歳の義父が「心房細動でちょっとしんどい。寝てるわあ」となったり、近所に住む義弟の駒井さんが単独でエベレストのベースキャンプに行っていたので、81歳の義母、配偶者、義妹の駒井恭子さんとワダスの4人でおせちと、静かな宴会でした。毎年恒例の麻雀も、ホストの植松奎二夫妻がドイツで中止。というわけで、お正月気分はほとんどなく、あっさりと16回目の震災記念日が過ぎ去り、今日に至っています。
まずは宣伝といきたいところですが、例年のようにこの時期はなあーんもありません。
前回は白内障手術報告でした。眼球をぐりぐりとえぐられる恐るべき手術は痛みもそれほど感じることなくつつがなく終わり、今では、かつて視界が白濁していたことすら思い出せないほどクリアになりました。右目の度数が変化したので、近眼および読書用のメガネも変えました。医療技術の進歩は素晴らしいものです。最近はこの白内障はブームのようで、知り合いの何人かからも報告が届いています。いっぽう、親友のボーマン君はあいかわらず居心地がいいらしく立ち去るそぶりも見せていません。■再びインド
さて、この時期はなあーんもないので、1月22日から2月20日までの約1ヶ月間インドへ行ってきます。
今回はムンバイとプネーでコンサートと日本の伝統音楽についてレクチャーをする予定です。他国の音楽文化にほとんど関心のないインド人音楽家たちははたして聞いてくれるのか、ちと心配です。
予定は以下です。
1月22日関空-ムンバイ/23日(HIROS生誕61年記念日でもあります)午前1時半ムンバイ空港着、そのままバスでプネーへ/24日知り合いの結婚式参加/25日プネーからムンバイ移動/26日〜28日レッスンなど/29日コンサート/30日レクチャー/31日レッスンなど/2月1日ムンバイからプネー移動/4日音楽祭BaajaaGaajaaのセミナー参加/5日BaajaaGaajaaでレクチャー/7日ホームコンサート/8日プネーからムンバイ移動/9日ムンバイ空港からボーパール、グンデーチャーの道場へ/12日ボーパールからデリーに移動。たぶんその日に友人スニール車で8時間かけてカートゥゴダムへ移動/19日カートゥゴダムからデリー移動。デリー空港から関空へ/20日帰国。
いっけん移動が多くてせわしく見えますが、暑いインドでかなりだらだらできそうです。===これまでの出来事===
■11月13日(土)/「インドと日本の音楽」3/CAP CLUB Q2、神戸/ゲスト:石川利光(尺八)/田中りこ:タブラー、石尾真穂(予定):タンブーラー、HIROS:バーンスリー
石川さんの虚無僧尺八をじっくりと聴きました。お客さんたちも尺八には興味をもったようで、石川さんの「全部で車が買える」という何本もの尺八を触ったり試奏したりと大人気でした。最後のセッションもかなり面白いものになりました。■11月14日(日)/インディア・メーラー2010/メリケンパーク、神戸/ムケーシュ・ケマネー:カホン、大橋一慶:タブラー、HIROS:バーンスリー
神戸在住の関西語丸出しインド人ムケーシュに誘われて出演することにしました。12:20〜12:40の出演時間いうことで特設舞台の横のテントの控え室で待っていると、『スラムドッグ$ミリオネア』の原作者でもあるヴィカス・スワラップ総領事が「来日インド人舞踊団をもう一回やってもらうので時間をずらしてほしい」とリクエスト。こんな感じでスケジュールが崩れていくのがインド的です。当日のメリケンパークには、カレー、スパイス、雑貨、占い、観光などを扱うテントが3列に並び、人出もけっこうありました。舞台横のプログラムにはどういうわけか「インド音楽とラテン音楽」などとなっていました。ムケーシュの叩くカホンがラテン楽器だったということか。ともあれ、演奏時間20分ということなので、ベンガルの舟歌のみ演奏しました。タブラーの大橋カズ君もなかなかでした。■12月18日(土)/「インドと日本の音楽」4/CAP CLUB Q2、神戸/ゲスト:森美和子(篠笛・能管他)/田中りこ:タブラー、石尾真穂:タンブーラー、HIROS:バーンスリー
シリーズ最後のコンサートでした。1部はしんみりとした篠笛。尺八とは違った情緒です。森さんの、聞かす笛と踊らす笛がある、という話は新鮮でした。ワダスのインド古典の後のセッションは、森さんのオリジナル曲「水々」をベースにしたものでした。これがなかなかにうまくいきました。■年末疾走宴会
2010年最後のジュギョー後の奥山家「ふぐ宴会」、クリスマス・レッスン宴会、ムケーシュ宅乱入セッション宴会、などなどデッド・エンドに向かって宴会は続くのでありました。===この間に読んだ本===
横になったり狭小個室でだらだらと読んだ本は以下。
○『必生 闘う仏教』(佐々井秀嶺、集英社新書、2010)
・・・インド国籍となった日本人仏教者の本。この人に関しては、ご本人の書いたものよりも山際素男の『破天』がよく分かる気がします。
○『ネクタイと江戸前』(日本エッセイスト・クラブ編、文春文庫、2010)
・・・モノレール駅の本棚にあったもの。ま、あっ、そう、という感じのエッセイ集。
○『あのころの未来』(最相葉月、新潮社、2003)
・・・星新一の評伝のようなものかと思ったら違った。著者の、科学についてこう思うのよね式エッセイ。かなり期待はずれでした。
○『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル/鬼澤忍訳、早川書房、2010)
・・・ベストセラーになった本。ベストセラーというだけで読むことはほとんどしないけど、図書館にたまたまあったので読んでみました。これがなかなか。サンデルはんは結局、現代は考え方もなんだかんだと複雑でこれが正解みたいなものはないが、考え続けることが大事なのよね、ということを主張しているのだと理解しました。
○『甘い薬害』上下(ジョン・グリシャム/天馬龍行訳、アカデミー出版、2008)
・・・集団訴訟でえぐく一儲けしてしまった若い弁護士が、実は最初から巨大企業にはめられたことに気がつき、弁護士の仕事ってこんなんやってたらあかんなあと、最後は田舎にもどって父の事務所で地味な仕事をする。グリシャムはけっこう好きなんだけど、高速読書のみに特化した超訳というのはな。
○『法然の涙』(町田宗鳳、講談社、2010)
・・・仏教研究者による小説。まあまあ、さっと読めますが、話の進行がいかにも「まじめ」でした。同じ著者のNHK教育テレビ用解説『法然を語る』を小説にしたということか。
○『宇宙に隣人はいるのか』(ポール・デイヴィス/青木薫訳、草思社、1997)
『タイムマシンをつくろう!』(ポール・デイヴィス/林一訳、草思社、2003)
『宇宙 最後の3分間』(ポール・デイヴィス/出口修至訳、草思社、1995)
『宇宙を支配する6つの数』(マーティン・リース/林一訳、草思社、2001)
・・・同じ出版社の同じシリーズの本で、すべて図書館から借りて読みました。どの本もちよっと難しいけど読むのは楽しかった。今まで物理学、天文学関係の本はかなり読みましたが、有名らしいポール・デイヴィスは恥ずかしながら初めてでした。全部読み終わって思ったのは、この種の、宇宙規模的人類的視野で書く日本人は少ないということ。どうしてなんだろう。単にワダスが知らないだけなのかもしれませんが。
○『梅原猛の授業 仏教』(梅原猛、朝日新聞社、2002)
○『アジアのポピュラー音楽』(井上貴子編著、勁草書房、2010)
・・・編者の井上さんから送られてきました。アジアのポピュラー音楽状況を知ると、現代のグローバリズムと地域性、トランスナショナルなどについて考えさせられる。特に印象的だったのは、松村洋と井上さんのNRIの論文。世界は恐ろしい勢いで変化しつつあると実感。
○『困ります、ファインマンさん』再読(R.P.ファインマン/大貫昌子訳、岩波現代文庫、2001)
『聞かせてよ、ファインマンさん』再読(R.P.ファインマン/大貫昌子・江沢洋訳、岩波現代文庫、2009)
・・・いいなあ、やはり。で、彼の本はすべて他者に語ったものか講演したものだけど、語り口が実に心地よい。スペース・シャトル事故調査の顛末が小気味いい。翻訳もいいんだろうなあ。
○『海馬』(池谷裕二・糸井重里、新潮文庫、2002)
・・・対談なので軽く読めましたが、あっ、そうレベル。物忘れは老化のせいではないらしい。
『拡散する音楽文化をどうとらえるか』(東谷護編著、勁草書房、2008)
・・・メディアが大きく変化しつつあることもあり、音楽文化を総体でとらえることがますます難しくなっていることがよく分かります。
○『CIA秘録』上下(ティム・ワイナー/藤田博司・山田侑平・佐藤信行訳、文芸春秋、2008)
・・・その失敗の多さ、失敗を隠すための欺瞞、秘密工作相手地域への無知、ものすごい資金と武器と人命の無駄遣い、無邪気で恐ろしいパワーゲームなどに呆然としてしまいます。安保条約締結を強引にすすめた岸信介がCIAと関係が深かったことをあらためて知りました。
○『地球生命は自滅するのか?』(ピーター・D・ウォード/長野敬+赤松眞紀訳、青土社、2010)
・・・ちと難しいが、かつて流行ったガイヤ仮説というのもかなりあやしいことが分かる。自然を尊重する人たちというのは相当ナイーブなのかもしれない。自分が生まれたときの世界人口は20億人。現在は65億。人間という種だけが激増する地球。
○『遥かなる未踏峰』上下(ジェフリー・アーチャー/戸田裕之訳、新潮文庫、2011)
・・・「そこに山があるから」という有名な言葉を残したイギリスの登山家ジョージ・マロリーを主人公にした長編小説。新しい小説ですがスタイルが古典的。丸二日は楽しめます。