めんこい通信2011年8月11日号

 ええ、バーンスリーのHIROSです。
 この通信はBCCでお送りしています。皆さまの生活向上にはまず役に立たないと確信していますが、ふとお時間のあいたときにでも一読下されば幸いです。
 前期のジュギョーもすべて終わりやれやれ感に浸りつつだらだらした夏を過ごしていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 例年ならば、テイシューニューにもかかわらずそれなりに平安かつ怠惰な生活を送っているはずでありますが、今年は状況が違ってしまいました。京大の小出先生によれば「世界が変わった」。相変わらずハラハリ君はしっかりと定住し腹部不愉快感はあるものの、そういうものとは違った重苦しい気分を起こさせるのは、やはり大震災と原発事故です。
 それにしても、政府や電力会社の事故処理および被災者支援対応があまりに絶望的です。なぜこんなことになってしまったのか。ほぼジョブレス・ミュージシャンがぶつぶついってみたところで何の力にもならないとはいえ、考えざるを得ません。
 起きた出来事をできるだけ小さく見せたい。被災者の状況よりも保身や責任回避を優先したい。根拠のない願望によって現実認識を歪める。大戦時の大本営、公害や薬害に対処すべきときにも共通すると思える態度の根本的原因はなんだろうか。そうならないようにするにはどうしたらよいのか。いろいろと指摘する本も読んでみましたが説得力のあるものは見当たりません。
 この国の指導者というのは、専門分野ではそれなりに優秀なんでしょうが、知恵のある自立した社会人とはとても思えない。でなければ、「炉心溶融可能性は想定不適当だ」(つまり考えないことにする)とか、九電や保安院の「やらせ」など、あんな見え透いた子供っぽい発想は出てこないはずです。しかもばれてしまってからの往生際が悪い。証拠書類なんかもばんばん処分する。で、コクミンはそうした姿を何度見ても、そのときはちょっと騒ぐけど、大きな変化につながる動きはせずいつしか大人しくなってしまう。同じことが指摘され続けても変わらない社会。ホースから勢い良く放水して腸内のひだひだまで洗い流したい気分です。
 もっとも、この現象は日本社会だけの特殊なありようではなく、現代の巨大化した科学技術のシステムにはらむ問題でもあるのかもしれません。
「技術は悪を匿名にした。科学と技術によって、悪は官僚的に組織され、どんな個人も生じた事態に対して責任をとらなくていいようになった」
 これは、物理学者フリーマン・ダイソンの『宇宙をかき乱すべきか』にある言葉です。
 ともあれ、われわれの生活も含め、今のあり方を根本的に問い直す必要があるような気がします。とりあえず、お腹はすっきりさせたい。

これまでの出来事

■5月14日(土)「まちカフェ京都・第2回 原子力ってホントにいるの?」/百万遍知恩寺山内瑞林院、京都/小出裕章:講演
 原発事故以来すっかりファンになり、ほぼ毎日ネットで彼の発言を聞いている京大原子炉実験所助教小出裕章さんの話を聞きに久代さんと京都へ出かけました。会場はわがお坊さんバンド<七聲会>メンバーの河合真人さんのお寺でした。ナマ小出さんのお話は、ほとんどすでに聞いて知っている内容とはいえとても説得力のあるものでした。150人くらいの聴衆のなかには気功協会の天野夫妻、堺町画廊のふしはらさん、山科居候先の奥山さん、首固定コルセット姿の痛々しい岡本さんなど知り合いもチラホラ。帰りがけに今や大忙しの鎌仲ひとみさんも現れ久しぶりに再会。
 散歩しながら鴨川沿いの途中の汚い居酒屋でビールを飲み、地下鉄「烏丸四条」駅で、なんと、おおたか静流さんと遭遇。まったく世の中は油断がなりません。
 
■5月21日(土)15:00~21:00/ガムランエイド「震災から5年、そしてこれからの5年」/大淀アートセンター、大阪/主催:ガムランを救えプロジェクト/ダンス:佐久間新、バーンスリー:HIROS他
 岡野さんのやかんパフォーマンスが不思議でしたね。ワダスもちらっと演奏しました。メンバーのパフォーマンスから例によってたらーっとしたミーティングでした。

■5月25日(水)、26日(木)/金比羅参り
 西明石に住む久代さん両親サービスとして車で金比羅さんへ。スポンサーは義妹の駒井家。金比羅一豪華な「紅梅亭」の豪華ディナー付き宿泊。次の日は、途中までタクシーで上がっただけの両親を待たせて金比羅さんにお参りしました。讃岐といえばうどん。10年以上ぶりに「わら家」で釜揚げを摂食し無事戻りました。久しぶりの長距離運転はちとくたびれました。

■6月4日(土)ガムランエイドうどんパフォーマンス/西真奈美、西田有里、西岡美緒、佐藤高仁、岡部太郎
 前日から仕込んだ1kgのうどんを7人で消費。

■6月15日(水)「岩手県沿岸地方の民俗芸能-東日本大震災以降の現状と課題」/大淀アートセントー、大阪/講師:橋本裕之氏(盛岡大学教授)
 被災地沿岸の村々を巡業する黒森神楽や鵜の鳥神楽のありようが実にユニーク。ほとんど練習もしないがハイレベルの芸能者たち。「あの人たちはみんな天才です」(橋本)もうなづける。知らないことがいかに多いことか思い知らされました。橋本さんは機関銃のようにしゃべりまくりました。

■6月17日(金) 世界音楽における即興シリーズその1
<北インド古典音楽3夜連続トーク+コンサート>第1夜「ラーガ:即興の旋律」/CAP CLUB Q2、神戸/はなし:HIROS、聞き手:下田展久
・6月18日(土) 第2夜「ターラ:循環する拍節」
・6月19日(日) 第3夜「インド音楽のたのしみ
・6月25日(土) インド音楽~竹の笛、バーンスリー/タブラー:田中りこ、バーンスリー:HIROS/CAP CLUB Q2
 テーマが超オタク的だったからか、宣伝が行き届いていなかったせいなのか、トークもライブも超厳選聴衆でありました。広島から寺内大輔夫妻、西洋音楽がご専門の椎名亮輔さん、京大でサンスクリットを教えていらした元教授など、油断ならない人たちでした。レクチャーの模様はネットで映像が流されました。
http://www.youtube.com/watch?v=KBFS_3y1Ffw&feature=player_embedded

■6月30日(土)奥山家来宅うどん
 いつも週1居候でお世話になっている山科の奥山隆生さん、雅子さんが来宅、うどん摂食大会。

■7月1日(金)井上想、岡林立哉来宅
 インドで音楽修行中の井上想君がいきなり「セエーンセー」と訪ねてきました。彼はたいていアポなし訪問なのです。相変わらず元気がよく大声。その夜実家のある東京へバスで戻る井上君と入れ替わりに、最近高知に移り住んだホーミーの岡林さんが来宅。2時くらいまで飲みました。岡林さんもよく飲む。

■7月9日(土)3組合同結婚パーティー「コトブキ・シックス」/CAP CLUB Q2 
 けっこういい年なのに独身が多いなあと思っていたCAPのメンバー、鳴海さん、林延子さん、松田晶子さんの3人がいきなり結婚を表明し、コトブキ・シックスなる合同結婚パーティーが開かれました。ワダスは例によっておめでたい秋田長持ち唄を披露しました。結婚式は久しぶりでした。

■7月18日(月)大谷大学前期最終講義
 小レポートの日。収容人数300人の教室に入りきれない学生には別室を用意してもらいました。それにしても、最大教室に収容しきれない学生数が受講登録されているというのは釈然としません。普段のジュギョーに出席していたのは150人ほどなので、登録した半数以上の学生のほとんどジュギョーに出ないで単位を取ろうという魂胆はけしからん。

■7月20日(水)ガムランエイド勉強会/大淀アートセントー、大阪/プレゼンター:中川真
 ガムラン・エイド活動の意義、今後の活動指針についてのプレゼン。震災支援の新しい形の模索です。
 
■7月23日(土)20:00~/サズ・カフェ・ライブ/サズ・カフェ、大阪/森内清敬:トルコ・パーカッション、アポ:トルコ・パーカッション、セファ:バーラム・歌、HIROS:バーンスリー
 アポからの誘いでトルコ音楽とセッションしました。場所は心斎橋商店街に近い小さな店「サズ・カフェ」。前夜にアポから大量の楽譜が送られてきたのですが、何をどうするかも分からぬままにお昼過ぎに店に。かなりアバウトなリハーサルでしたが、本番はまあまあでした。バーラム演奏家のセファが経営する「サズ・カフェ」はなかなかに落ち着く店でした。阪大からトルコに留学したという森内青年のパーカッションは安定感がありました。

■7月27日(水)大淀アートセントープレゼン「Acte Kobe運動」/大淀アートセントー、大阪/プレゼンター:HIROS
 プレゼンのために過去の資料を整理したのですが、マルセイユやベルンの人たちと毎日宴会したりセッションしたりという幸福な日々を思い出しました。

この間に読んだ本

 ラインナップを見るといかに脈略のない読書をしているか歴然です。ベスト・ファイブをあえて挙げれば、1.『傍観者の時代』2.『苦界浄土』3.『マイトレイ』4.『空気と戦争』5.『虐殺器官』というところか。
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『最終謀略』上下(トム・クランシー+スティーヴ・ピチェニック/伏見威蕃訳、新潮文庫、2009)
『時間の発見』(コリン・ウィルソン編著/竹内均訳、三笠書房、1990)
『街場の中国論』(内田樹、ミシマ社、2011)
『アジャストメント』(フィリップ・K・ディック/大森望編、ハヤカワ文庫、2011)
『封印された系譜』上下(ロバート・ゴダード/北田絵里子訳、講談社文庫、2011)
『核燃料サイクルの闇』(秋元健治、現代書館、2006)
『日本の国境問題』(孫崎亨、ちくま新書、2011)
『マネジメント』(P.F.ドラッカー/上田惇生編訳、ダイヤモンド社、2001)
『傍観者の時代』(P.F.ドラッカー/風間?三郎訳、ダイヤモンド社、1979)
『TPP亡国論』(中野剛志、集英社新書、2011)
『滅びゆく国家』(立花隆、日経BP社、2006)
『日本人が誤解する英語』(マーク・ピーターセン、光文社知恵の森文庫、2010)
『紛争屋の外交論』(伊勢崎賢治、NHK出版新書、2011)
『苦界浄土』(石牟礼道子、講談社、1969)
『マイトレイ』(ミルチャ・エリアーデ/住谷春也訳、河出書房新社、2009)
『軽蔑』(アルベルト・モラヴィア/大久保昭男訳、河出書房新社、2009)
『日本辺境論』再読(内田樹、新潮新書、2009)
『虐殺器官』(伊藤計劃、早川文庫、2010)
『異端の数ゼロ』(チャールズ・サイフェ/林大訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2009)
『ハーモニー』(伊藤計劃、早川文庫、2010)
『空気と戦争』(猪瀬直樹、文春選書、2007)
『インド夜想曲』(アントニオ・タブッキ/須賀敦子訳、白水Uブックス、1993)
『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』(大沢在昌他、集英社、2007)
『9.11の標的をつくった男』(飯塚真紀子、講談社、2010)
『夜想曲集』(カズオ・イシグロ/土屋政雄訳、ハヤカワepi文庫、2011)
『ホルモー六景』(万城目学、角川書店、2007)
『ピュタゴラスの復讐』(アルトゥーロ・サンガッリ/冨永星訳、日本評論社、2010)

これからの出来事

■8月26日(金)19:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第1夜
<トルコの音楽3夜連続トーク+コンサート>/CAP CLUB Q2、神戸/1回1000円/問い合わせ:CAP 電話078-222-1003/はなし:Abdurrahman Guelbeyaz、聞き手:HIROS
・8月27日(土)19:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第2夜
・8月28日(日)16:00~/世界音楽における即興シリーズその2-第3夜
 6月に行った集中講義+コンサートの第2弾です。今回はトルコの音楽がテーマです。日本では一般にトルコの音楽に関してなじみがありません。この際、集中して勉強してみたいという人はぜひおいで下さい。講師は、阪大准教授にしてトルコ音楽のエキスパートであるアポことアブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ氏。

■9月2日(金)/トルコ音楽アンサンブル・学校訪問/八雲小学校、忌部小学校/松江
■9月3日(土)/第19回庭火祭「トルコ音楽」/トルコ音楽アンサンブル(Turan Vurgun: Oud+Kanun, Tolga UNALDI:Ney, Sefer SIMESEK:Balam+Vocal, Abdurrahman GULBEYAZ:percussion)+石川利光(尺八)/企画制作:天楽企画
「HIROSっさん、今年なにしましょ」という松江の瀬古さんからの相談がきっかけでトルコ人を招聘しての庭火祭が実現しました。セファとアポは関西在住ですが、トゥランはハンブルグから、トルガはイスタンブールからやってきます。来日する二人ともワダスは知っています。とくにトルガは、昨年<七聲会>イスタンブール公演で現地でいろいろとお世話になったネイ奏者です。「あんたを日本に呼ぶからね」が実現することになりました。かがり火に照らされた熊野大社境内でのコンサートです。
http://www.niwabi.jp/

■9月4日(日)19:00~/トルコ音楽コンサート/CAP CLUB Q2、神戸/トルコ音楽アンサンブル+石川利光
 八雲村から移動してすぐに神戸でコンサート。ワダスはずっと運転手というかお世話係なんですが、最後の曲でセッションに合流する予定です。
http://www.cap-kobe.com/club_q2/2011/07/17171932.html

■9月11日(日)<七聲会コンサート>“Colors of Voice, Colors of Wind”/ルールトリエンナーレ/Jahrhunderthalle Bochum、Bochum(ドイツ)/七聲会:聲明、石川利光:尺八
 トルコ人演奏家を送り出した次の日、同じ関空から今度はドイツへ向かいます。去年イスタンブールへ行った七聲会が今度はドイツで公演です。ウェブサイトを見るとすでにチケットは売り切れとありました。奇しくも公演は9.11です。
今回は去年ワダスのコンサートにゲスト出演していただいた尺八の石川利光さんにも演奏してもらうことにしました。
http://www.ruhrtriennale.de/en/programm/2011/colors-of-voice-colors-of-wind/

■9月24日(土)14:00~/レクチャー・コンサート・シリーズ「音楽世界旅」~インド/岸和田自泉会館、大阪/西岡信雄:解説/柳田紀美子(東インド古典舞踊=オリッシィ)、ナリニ・トシニワル(カタック)、田中峰彦(シタール)、田中りこ(タブラー)、HIROS(バーンスリー)
 短いソロと、久しぶりに舞踊の伴奏をします。
http://www2.sensyu.ne.jp/fontaine/event/event.htm