叫び

歌・作詞 Kin'sRoo　　（作・編曲 Hiro Kotake）

誰かが叫んでいる
深い暗闇の中で
堅く閉ざされた扉
怯えた魂がそこにある

いくつもの呪いの言葉
その身を黒く塗り潰して行く
壊れた時計のように
新たな時刻む事もなく

いくつもの呪いの言葉
全ての輝きを奪って行く
そして閉ざされた扉の向こう
凍えそうな魂がある

誰かが叫んでいる
深い暗闇の中で
堅く閉ざされた扉
怯えた魂がそこにある

©Kin'sRoo

不恰好に大きく立派な靴をはいた子どもがひとり。

日本で言うなら、さだめしおカタイ会社の入社試験の面接へはいてゆくが似合うと思われるシロモノ。

どう考えてもこの子どものものではない。
略奪成功した分け前とでもいうところか。

手に長さ１Ｍ、幅４ｃｍほどの、目の醒めるような朱赤色したマジックテープを持ち、ぶんぶんと振り回したり、ばりりと引き剥がしたり、ざらざらと引きずったりして遊んでいる。

通りは６～７０Ｍもあろうか。
数時間前に降ったスコールは、かっきり線を引いたように道を半分に分け、袈裟をまとった男の側は水たまりのいくつもできるほど濡れているが、マジックテープで遊ぶ子どもの側は砂塵の舞うほどからからに渇いている。

風。

男の持つ傘の柄には拭き取りきれなかったような血の塊。

涸びてぱらりと落ちるのを、タイヤを焼いた臭いと煙とを抱きかかえた風がさらってゆく。