・夜明け前の薄暗い早朝5時、ブリティッシュ・キャンプ。テントの外は烈風が林を叩き、霙(みぞれ)がちらついている。
昨夜の暴風雨で濡れた寝袋から身体を抜き取り、寒さに震えながらガスコンロに火を入れ、湯を沸かす。
・フランス谷の最深部、ブリティッシュ・キャンプにアプローチした昨日の天候は悲惨だった。
フェリーで横断したぺオエ湖西岸に今シーズンから建て替えオープンした、Refugio Pehoe 改め Lodge De Montana "Paine Grande"
を青空のもと出発したのが 12/16午後1時。パタゴニアの空が突如として荒れ狂ったのは、それから10分たったかどうかの時間だった。
青空が一瞬にして、横殴りの暴風雨に変貌し、風に身体がさらわれてルートから弾き飛ばされそうになりながら、イタリアーノ・キャンプに
着いたのが午後4時。小休止後、フランス谷を登り詰めながらブリティッシュ・キャンプを目指した3時間の間に天候はさらに悪化し、
午後7時、全身ぐしょ濡れ状態でブリティッシュ・キャンプに辿り着いた。速攻でテント設営とインスタントラーメン、アルファ米、シーチキン
による夕食を済ませ、濡れた衣服にカイロを貼り付けまくった状態で湿った寝袋にもぐり込んだ。それが昨夜。
・朝、空が明るくなり雨は止んでくれたようだが、山々には白いガスがかかったままで展望は期待できそうにない。
キャンプ地には、俺のほかにテントが3張り。そのうち2張りは共に欧米のカップルトレッカーで、午前10時過ぎにイタリアーノ・キャンプに
下っていった。うち1組は8日間かけてパイネ・サーキット(1周コース)を周回してここに来る過程で、女性の方が足を痛めたらしい。
残る1張りはブリティッシュ・キャンプに相応しいイングランド野郎コンビ。俺と同じく今夜もブリティッシュ・キャンプに連泊を決め込むらしい。
・キャンプ地から上記写真の Mirador(展望地)までは徒歩15分の距離にあるので、この日は天候が回復するたびに写真撮影のため
キャンプ地と Mirador をピストン往復し、結局この日だけで計4往復もしてしまった。そのかいあって昨年の日帰りフランス谷ハイキング
では上半身を拝むにとどまった Co.Catedral の全容を目に焼き付けることができた。