タイムスリップ
--second chance--

第12話
卒業

2年になる少し前
巡矢は引っ越した
今度は窓がある
自称
ハートブレイク
マンション
木造二階建て
畳の上にカーペット
タワマンはまだない


新しいバンドを組んだ
オリジナル曲
演奏するバンドだ
デビュー曲は2021製作
セピアストーリー
未来から持ってきた
切ない歌詞のLovesong
80年代風Citypop
バンド名は
frontierにした

4年になり研究室に
詰めなければ
ならなくなった
卒論もある
巡矢はドラムとギター
変え新しいバンドで
最後のライヴをやった
人前で最後の演奏

8年ぶりに髪を切った
耳が白い寒っ
大学で学んだ知識
活かせる仕事
見つけなければ

1982実は就職先は
木道橋の空調会社に
内定を貰っていた
通勤≒30分
ところが偶然
同名の10倍大きな
一部上場会社に入れと
父さんが言ってきた
地元に支社があった
戻ってくることも
心中にあったのだろう
一人息子の巡矢を
父さんは溺愛していた
幼い頃に父を亡くした
生い立ちが背景に
あるのかも知れない

今まで親孝行らしい事
してこなかった巡矢は
唯一の孝行と考え
悩んだ末に
父さんの言葉に従った
嫌だったが…

これは間違いだった
本当の親孝行は
自分で選んだ会社で
結果を出し
両親を安心させる
事に違いない
違いますか?

つづく