タイムスリップ
--second chance--

第11話
謎の先輩TELE

1977年4月
巡矢は窓のない
アパートを出て
入学式に向かった
リーバイス517に
エンジニアブーツ
JUNのジャケット
オシャレ番長だ

ひと月少しした頃
古びた木の看板の
部室の扉を
恐る恐る開けた
煙草の煙の充満した中
呼吸が一瞬止まった
下野がいる竹葉がいる
鈴林も大野も二三も
--以下略--m(__)m

何故だ今は1977年
奴等は来年入学
してくるハズだ
巡矢がタイムスリップ
したせいで
歴史が変わったのか
やはり巡矢は
信長レベルの男なのか
いや下手をしたら
家康レベルの
スーパースターか

困惑して背中を向け
部室を出ようとしたが
誰かに呼び止められた
田中く〜ん
楽器何やってるの?
巡矢の呼吸は
再び止まった
まだ
名前を言ってないのに
立ち去るべきか
振り返りギターです
と言うべきか
巡矢は勇気を出して
振り向いた

白いテレキャスター
膝に乗せ
煙草くわえた長髪の男
ライヴ’73のジャケ写
思い出しながら
木の長椅子に腰かけた
巡矢の秘密知ってるのか
彼もタイムスリップ
してきたのか
予言者か化け物か

不思議な事があり過ぎて
とても疲れた1日だった
サントリーホワイトの
水割り1杯飲んで
布団にもぐりこんだ
翌朝目が覚め
窓のない薄暗い部屋で
目をこらすと
カレンダーは
1978年5月21日に
なっていた

つづく