タイムスリップ
--second chance--

第10話
1億人が出会う街

1977.4月
一浪するという
選択もあったが
巡矢は海峡を
渡る事に決めた

東京駅から快速で
20分程の街にある
舘ひろし
伊勢正三
先輩が在学していた
工業大学だ
初めて渡る海
異国のような首都圏
札幌より多い
人、人、人

1年待てばなれる
北大生を
選ばなかったのは
その大学で待つ
たくさんの友達
楽しい日々が
巡矢の記憶の中に
はっきりあるからだ
そして後に
妻になってくれる
女性もいる
皆にもう1度逢いたい
一緒に過ごしたい

巡矢は
千歳発羽田行きの
JALに乗って
風になった

勉強もバンドもやって
一流大企業に入ろう
今のようなさえない
高齢者にはならない
ガッツリ稼いで
同窓会で大きな顔
してやろう
欠席に〇をつける
槇原状態の
男にはなるまい

ただひとつ
違う事がある
今の巡矢は一浪して
その大学に入った
1年前の1977年に
入学すると
歴史にズレが生じる

信長が本能寺で
討たれなかったら違う
21世紀になったような
巡矢が出会う人達の人生
変えてしまうかも
知れない

どうする巡矢
巡矢にそんな影響力
ねーか??

つづく