タイムスリップ
--second chance--
第8話
狂い始めた歯車
高校時代は
殆ど思い出がない
記憶がない
クラスの友達と
語り合った記憶も
今思うと本当に
もったいない
勉強もスポーツも
バンドもしなかった
どの娘が好きだとか
そんな事ばかり
バカ野郎だ
人生で最も愚かな
3年間だった
歌だけは作っていた
13歳の時からずっと
誰にも聞かれない歌
巡矢だけの歌
高校3年巡矢は成績が
200番以上下がっていた
授業に出てないし
家で勉強もしていない
恥ずかしいとも
カッコ悪いとも
思っていなかった
何故そんな風に
過ごしたのか
今考えてもわからない
やればできる子なのに
優秀な遺伝子
受け継いだのに
大切に育てられたのに
夏に進路面接があった
これでは北大はおろか
他の国立大にも入れない
全員が進学する中
順矢だけ就職するのか
父さんが立派な
就職先見つけてきた
やっと目が覚めた
2年半ぶりに
勉強再開するべ
今回はこうはならない
勉強しながらでも
青春はおくれる
大学へ行こう
同窓会の出席に
〇が書ける
田中巡矢になろう
さてどこの大学へ
つづく