タイムスリップ
--second chance--

2024/01/05
第5話
遅いよ巡矢

1月5日目が覚めると
窓の外が白い
1974年だ冬休みだ
やっぱり
タイムスリップ
現実に違いない

2024年の自分が
気にかかる
1月5日そこに
巡矢はいないのか

2人いるのか
同時進行しているのか
様々な疑問が
脳裏をよぎる

朝ドラ”ブギウギ”
スズ子の事が
気にかかる
敗戦が近づいている

15の巡矢は秀才だった
勉強ができた
スポーツも得意
中間期末テストの
上位順位が
廊下に貼りだされた
上から見てすぐの所に
巡矢はいつも
名前があった

恵まれた遺伝に感謝
しなければならない

高校は同じ進学校を
選んで間違いはない
そうしよう
従兄弟も全員
巡矢の背中を見て
入学してきた
お手本にならなければ

問題はその先だ
100番位の成績で
入学したのに
したにも関わらず
巡矢は
高校に入ったら
遊ぼうと決めていた
進学校に入ったら
羽を伸ばそう
青春だ!と

これが間違いだった

気付いたのは3年の夏
遅い
遅すぎるよ巡矢

つづく