タイムスリップ
--second chance--

2024/01/03
第3話
夢かそれとも現実か

1月3日目が覚めると
窓の外が白い、雪か
カレンダーを見ると
1974年1月3日(木)

枕の下に手を入れたが
ばぁちゃんに貰った
お年玉聖徳太子がない

巡矢は
地震の被害どうなった
と母さんに聞いた

何言ってるのさ
夢見たのかい
顔洗ってきなさい
ご飯だよ
台所から声がした

この頃
箱根駅伝を観る
習慣はなかったが
65歳の巡矢は観ている
正月の朝早くから
懸命に走る大学生
観ながら飲む
ルービーは旨い

文科系サークルで
バンドやってた巡矢
もし当時観ていたなら
ダセェ
と感じたかも知れない

だが今
自分の学生時代と
真逆の青春に
涙する事もある
箱根カッケー

年賀状が来ていた
好きなあの娘から
3回読み返す
確か結婚して
父の会社を継いだ
懸命な選択だ

これからどう生きよう
まぁ先は長い
50年ある

パジャマのポッケに
手を入れると
小さな紙が入ってた
タイムスリップ(仮)
と書いてある

つづく