タイムスリップ
--second chance--

2024/01/01
第1話
窓の外は雪景色

2023.12.31
紅白を観終わって
中学の友人の
グループLINEの後
巡矢は眠りについた

大泉や有吉は
あまり好きではない
紅白にそんなに
笑いなど
求めてはいない
ふざけなくていい

子供の頃
両親やばぁちゃんと
過ごした
楽しかった大晦日を
想い出したいのだ

翌朝目が覚めると
窓の外が白い
おー雪か、えっ
予報では三が日
冬晴れだったハズ
アメダスのトラブルか

時間を見ようとしたが
iPhoneがない
青いアナログの
目覚まし時計がある

部屋の中がおかしい
机がある
見覚えのあるシールが
貼ってある
寒い

カレンダーを見ると
1974年1月1日(火)

父さんと母さんが
食卓で話をしている
笑っている
まだ若い

テレビを見ると
ドリフが出ている
長さんもチューも
仲本も志村も
死んだはずだ

母さんに
リモコンどこ
と言いそうになり
慌てて
チャンネルを回した
8にしても
フジテレビが
映らない

北海道弁が
すっと出てこない
今の巡矢は標準語だ
「いんじゃね」
とか言っちゃうし

とりあえず語尾に
「かい」とか「だべ」
つけておこう

夢か・・・
中学生の頃の夢は
さすがに見ない
子供が小さかった頃の
夢が多い
あとは
怪獣やゾンビに
追われる夢

もし夢じゃなかったら
50年前に
タイムスリップ
できたんだとしたら

ここは
北海道登別市

巡矢以外の全ては
記憶の中の過去と
同じように過ぎる

巡矢だけが
それを知っていて
別の人生を送る事が
できるのだ

どしたらいんだべ

つづく