田「なんかこの絵ってさみしい感じがするよ」
テ「オレが守ってあげたいって思っちゃうような人がホントは好きなんだろぉ」
崎「ホントはってなんだよ」
田「理想は理想だもんな(笑)」
マ「うわぁー、みんなの言葉ってチクチク刺さるような言葉だねぇ」
崎「自分の順番が済んだと思ったら、オレに集中攻撃してきた(笑)」
--では理想像を言葉で説明するとすれば?
崎「夜空に浮かんだ月って、自分がどこにいても見えるでしょ。一緒についてくるみたいで。そういう・・・いつも静かにそばにいてくれるな人がいいかなと思って。」
マ「わかるなぁ、崎yたんの言おうとしてることって。いやぁ、なかなかこの絵は崎ちゃんの理想をしっかり描いてますよ」
テ「(含み笑いしながら)結構イイところをついてる、とでもいっておきましょう」
田「理想と現実ってやっぱり世の中の常なんですね(笑)」
崎「もう何とでも言ってよ(笑)」
マ「まぁ、強引にしめるならば、好きなこと言ってるけど、結局は理想は理想であって、好きな人ができたら、みんなその人が好みの女の子になってしまうってことですね。ということはこの絵はいったい何だったんでしょうか(笑)」
--では最後に崎山クンの絵に行きましょう。
崎「なんかオレのって、今までの傾向と全然違うんだけど・・・」
テ「顔じゃないじゃんこれ」
--お月様と月にかかる雲にしか見えませんけれど私には。
田「まわりのテンテンは星ですかね」
崎「月と雲だけじゃさみしいと思って(笑)」
マ「太陽よりも月と描いたっていうのはなんとなくわかるような気がするな」
テ「夜に出没してくるような、危ない女が好み?」
崎「アハハハ。そうじゃなくてぇ!静かな雰囲気のあるような女の子がいいかなあとおもって。オレ、絵って描けないんですよ。どうもうまく描けなくて・・・。どうしようかなぁって考えた据え、こういう絵になってしまったという」
--まぁ、月は太陽の光がないと輝けない存在ですし。オレがいないとダメだよっていうような女の子がいいなってことですか?
崎「そこまでこじつけられるといいですねぇ。オレ、そんなに深く考えてなかった(笑)」
崎「こういう女の子が夜に道端で待ち伏せしてたら怖いじゃない」
テ「この絵は理想の女の子がなかなか絵に描けなかった裏返しなんだって」
--理想像を説明するとすれば?
テ「かわいい女の子かな。顔とかじゃなくて雰囲気とか性格とかが、ね」
--メルヘンチックなかわいさというのもありますけれど。
マ「あ、そういう女の子は三輪のこと好きになりませんから(笑)」
--あらら
テ「まあ、こんな絵のヤツだったらオレもいやだなってことですね」
田「じゃあ、なんでこんな絵を描いたんだよ」
テ「だから気持ちの裏返しなんだよ(笑)」
--では、三輪クンの絵を見せてもらいましょう。
テ(ゴソゴソと袋から出してくるが、自分でウケている)これはわかりやすいだろー」
--怖い・・・。夢に出てきそう。
崎「スゴイな、こりゃ。女の顔じゃない(笑)」
田「オマエも顔しか描いてないじゃないかよ」
テ「オレは風になびくような髪をていねいに描いてるだけ、顔オンリーのオマエとは違う」
--もしかして、ロングヘアー、ワンレンのタイプが好みなんですか?
テ「髪の量は多いほうがいいですね」
田「この絵の女は薄いぞ」
マ「“うしろの百太郎”に似てる(笑)」
田「妖怪じゃん(笑)これさぁ自画像じゃないのかよ。髪の毛を洗った直後の三輪(笑)」
マ「富士山の大噴火にも見えるよ。やはりこれも郷土愛から生まれた結果ですかねぇ」
田「マユゲのない不良が好きなんじゃないの?」
テ「ホントに好き勝手言うな。自分に言われた分の100倍言ってないか?」
田「いや、核心には触れてない(笑)」(このとき三輪田村のご両人は目を見合わせて含み笑い)
マ「さらりとクールだけども、実はミサイルのようなパワーを秘めた女性。なめてると迎撃されてしまうような、ね。顔つきもクールな感じに描いてあるでしょ」
テ「このヘビは何なんだよ。また模様かよ」
マ「ヘビが近づいてきても驚かない女性」
田「そりゃ怖いよ。ヘビよりもその女の子の方が怖い(笑)ねえ、これはシッポ!?」
マ「実は秘密を持っているようなかんじですね」
崎「とって付けたようなこと言ってない?」
マ「バレた?それは今、考えた(笑)」
--スタイルの方は?
マ「ボーリングのピン体型ですね」
テ「安産タイプってやつ(笑)」
マ「丈夫な子供を産んでくれそうな女性がいいですね。まあ、なんだかんだ言ってますけど、ホントはオレ、好きになったら関係ないんだよね。好きになった人がタイプになっちゃう」
テ「何でもありってことですか!?」
マ「さばけてて、テキパキしてて、ハッキリしてる性格がいいですけどね、基本ラインは(笑)。髪型や服装はその子に似合っていれば何でもいいんだけど、金髪に染めてると親に紹介できないんでちょっと困っちゃうな(笑)」
--では草野クンの理想像について聞きましょうか。この絵はまず説明してもらわないと、抽象的でわかりづらいんですけど・・・。
マ「そうですか、すごくわかりやすいと思うんだけどな、オレ」
崎「人間には見えないけど(笑)」
テ「頭がロケットの女(笑)」
田「いねぇよ、そんなヤツ」
テ「ねぇ、これって何なの?」(と身体の真中にある模様を指す)
マ「これは樋口可南子さんをモチーフにしてみました(笑)」
テ「毛深いのがスキだってことかよ」
マ「ウソに決まってんだろ。これはあとから模様を入れてみただけ」
田「イレズミのある女が好きだとか」
マ「違うって。絵を描いたらなんとなくここらへんが白くって、じゃあ模様でも入れようかなと思ったんだよ」
崎「でも、ヘソのところにイレズミ入れたら痛いだろうな」
--話が脱線しそうなので軌道修正します(笑)でこの理想像ですが・・・
田「アハハハ。なんとなく描いたの。あまってる部分がさみしいから(笑)でも静岡の女の子ってノンビリしてそうで良さそうでしょ」
テ(同じく静岡出身)「そうかぁ!?オマエそうじゃなかっただろうが」(といって田村君の顔を見てニヤニヤしている)
田「あ、そんなこと言っていいのかよ」(どうやらこの2人。付き合いが長いだけにお互いにいろんなことを知っている様子なのだが・・・。暗黙の了解といったかんじでなかなか核心に触れないのだ)
--顔しか描いていませんが、スタイルの方はどういう女性が理想です?
田「そうですねぇ。順番から言うと顔→スタイル→性格ですね」
マ「性格が最後にくる!」
田「性格はあとからついてくるもんです」
テ「うわぁー、その発言は重みがある」
田「あとで覚えてろよ(笑)」
--この絵はすぐに描けました?
田「1週間考えに考えて下描きを20枚くらい描いたあげくにこれだろ(笑)」
マ「やっぱり“静岡県”しかないって?」
田「そういうことにしておきましょう」
マ「好きなアイドルは原田知世チャンだけどね」
田「しまった。知世チャンだと(出身地の)長崎県のマークを描かなきゃいけなかったんだ(笑)

テ「これはヤラレたな。オレ、もう自分のやつ出したくなくなっちゃった」
マ「オイシーよなぁ。この絵はオイシーよ」
崎「田村の理想がこの絵にはよく出てると思いますね、ハイ」
田「どこがだよォー」
テ「結局オマエは“顔”がいちばんなんだよ」
田「なんでそうなるわけ?」
テ「だって顔しか描いてないじゃん」
マ「顔たって、結構ギリギリの線だよね。かわいいような、そうじゃないような」
--ではご本人から説明してもらいましょうか。
田「説明と言ってもねぇ。目があって、鼻があって、口があって・・・」
崎「これって三ツ編み?」
テ「オレにはダンゴに見える(笑)」
田「ホントにみんな好き放題言ってるな」
--あのォこのマークは何なんです?
田「あ、これは“静岡県”のマーク、オレ、静岡県出身っすから」
マ「“理想の女性”に静岡は関係ないだろ」

女性の理想と現実

B−PASS91年8月号。これは何回見ても笑っちゃいます。