THE ART OF EUPHONIUM

深石宗太郎 (ユーフォニアム) / 大野真理子 (ピアノ)


コンチェルティーノ・クラシコ / J.ホロヴィッツ (10'25")
Concertino Classico / Joseph Horovitz

イギリス民謡による6 つの練習 / R.V.ウィリアムズ (9'42")
Six Studies in English Folksong / Ralph Vaughan Williams

キーン / C.V.スタンフォード (6'18")
Caoine / Charles Villiers Stanford

ホリー・ボーイ / J.アイアランド (2'59")
The Holy Boy / John Ireland

シリア / W.グラント・ジョーンズ (9'57")
Celia / W. Grant Jones

メモリーズ / J.ヴァン・デル・ロースト (5'08")
Memories / Jan Van der Roost

ユーフォニアム協奏曲 / P.ウィルビー (20'14")
Concerto for Euphonium / Philip Wilby

Total CD playing Time 65'07"



 私の英国DOYENレーベルからの3作目のソロCD「THE ART OF EUPHONIUM」: English Landscapes の発売に際しまして、謹んでご挨拶を申し上げます。

 私にとって、1作目の「Ave Maria」、2作目の「Memory」、そしてこの3作目ソロCD 「The Art of Euphonium」は交響曲や協奏曲の各楽章の様に関連し、すべてあわせて一つの大きな作品として考えております。1楽章の1作目で'出発'を意図 し、2作目では'悲哀'や'暗さ'などの多くの2楽章の作品が共通に持つ性質を表し、3楽章のこの「The Art of Euphonium」では、新たな希望を、ユーフォニアムで創造する「芸術」の未来への「展望」を考えながら作成致しました。

 今回の選曲 は、「芸術」の未来への「展望」を考えるうえで日本のユーフォニアムの歴史を振り返り、その歴史と深く関わりのある英国の作曲家、又、英国に馴染みの ある作曲家の作品で揃えました。英国の後期ロマン派の作曲家スタンフォードの作品 から、現代作曲家のウィルビーの作品までをとりあげ、そして、日本でよく演奏された「ユーフォニオン」のために書かれたグラント・ジョーンズの作品'シリア'の新たな発見を紹介致します。

 ユーフォニアムの作品を録音する機会がまだ少ないために、なかなか様々な奏者が同じ曲を演奏するのを聞く機会にめぐまれません。個々の演奏を聴き比べるという行為は若いユーフォニアム 奏者の育成課程に必要であり、また この行為の積み重ねも音楽文化の一面であると私は考えます。

 我々の活動がユーフォニアムの可能性をひろげ、音楽文化の担い手として益々注目される存在になれれば嬉しく思います。

皆様の感想を楽しみにしたいと存じます。

                              2007年6月吉日 深石宗太郎