防音2重内窓を作る

安価で高性能、防音2重内窓を造ろう!

まず、今ある窓を簡単に防音2重窓にしてしまう方法です。

防音の基本はできるだけスキマを造らない事、つまり気密性を高めれば良いのですが、部屋の防音をする時に1番厄介なのが窓やドアなどの開口部ですよね。

レコーディング・スタジオの場合、普通は最初から窓などは造りませんが、自宅スタジオの場合、生活の一部であり1日の大半を過ごすのですから、全く窓が無いとかなり辛い事になります。

窓を防音サッシに付け替えれば良いのですが、業者さんに頼むと軽く数十万円単位の出費になります。

そこで、もっと手軽に2重窓が出来ないモノかと調べるとサッシの内側に取付けるタイプの内窓があることが判りました。さっそくリフォーム会社に聞いたところ、内窓が約3万円、工事費が2万円から3万円という事でした。(注・シングルガラス仕様で防音ガラスではありません。)

う〜ん、他に手段が無ければしょうがないけれど、この他にもフローリングと壁の防音工事もあるので、窓1つゴトキにそんなにお金をかけたく無いなぁ、ハメ殺しの2重窓なら前のスタジオの時に自作しちゃったしなぁ...などとと考えながらホーム・センターで素材を探していたところ、ガラス戸レールというパーツが目に止まりました。

ガラス戸レール

ガラス戸レールには溝が平行に2本切ってあって、ここに3mmのガラス板をはめ込むようになっています。

これを木枠に組込んでガラスを2枚入れるだけで、自作ペアガラスの出来上がりです。

それを今ある窓のフレームの内側に組込めば、なんと3重窓になってしまうという寸法です。

単純計算でも3mm+3mm=6mmですから5mmの単板ガラスよりも効果はあるハズですし、まあ空気層はほんの1ミリ程度ですが、これだってあるのと無いのとでは大違いですから何とかなるかも知れない!。

 
他の材料は?

1本200円のレール(1,820mm)4本とプラスチックモール用の接着剤(200円)、フレームに適当な材木数本(1本250円程)、ガラスのスキマを埋めるのと固定の為にコーキングのシリコン・シーラント(クリア)を1本購入しました、しめて2,000円程。(レールには、ガラス戸をハメ込むために上用と下用がありますが、今回使用したのは全て上用です。)

ガラスは1枚3,000円×4枚で12,000円でした。

しめて14,000円弱也。

 
フレームを作る

さっそくフレームを造ります。構造は図の通り、非常に簡単な作りです。

材は安くて手頃なノブチ材を使いました。(ガラスはかなり重いので、強度は考えてね。)

大きさはサッシの窓枠の大きさマイナス3mm程度で作り、外側からコーススレッド(粗目造作ネジ)で止めました。ネジ止めの前には下穴をドリルであけておきましょう、木枠が裂けてしまったら何にもなりませんからね。今回は左右2枚の内窓を作りました。

この時点ではまだフレームの上の部分は止めません、(ガラスが入れられませんからネ!)コの字形にしておいてくださいね。次に窓枠の上の部分は内側にガラス戸レールを切って接着剤で止めます。

 

ガラスを入れて完成

接着剤が乾いたら、ガラスを入れます。

まず慎重にレールにコーキングガンでシリコン・シーラントを入れて行きます。ここで入れ過ぎると後で垂れてくるし、どうせガラスの圧力で広がってくれるのでどちらかと言うと少なめの方が良いでしょう。

いよいよガラスを入れていきます。上からゆっくり入れていけばOKです。多少シリコンがあふれて来ますが、すぐにボロ布などで拭けば問題ありません。

1枚目が入ったら、2枚目を入れます。2枚目の内側はシリコンが溢れても拭き取れませんから、慎重に。

ガラスが2枚入ったら、窓枠の上の部分にもシリコンシーラントを入れて、ゆっくりかぶせ、両脇からビス止めをすれば完成です。

後は1晩寝かせてシリコンが固まるのを待ちましょう。

シリコンが固まると、思った以上にシッカリした出来です。

最初は、ヒンジを付けて開閉できるようにとも考えましたが、防音効果を考えるとシッカリ止めた方が良いですし、なにより造作が簡単ですから内窓をサッシ窓枠にハメ込み、外側を細い角材で押さえるようにしました。

内窓事体はネジ止めしてありませんから、押さえの角材のビスを外せば、簡単に取外す事ができます。


内窓をはめ込む前に、フレームに戸当たりテープを張付けました。これは、どうしても窓枠との間に隙間ができるからです。スポンジタイプの製品よりはラバータイプのモノが良いと思います。今回使用したのは「ふすま戸あたりテープ」と言う製品で、厚さ4mm×幅15mm×長さ2mの物です。

仮に窓枠にはめ込んだ時は隙間があって楽に入りましたが、戸当たりテープを貼った後は、かなりキツくなり良い感じです。

後は、フレームの周りに押さえの角材をビスで止めて完成です。本来はフレームに塗料を塗った方が良いのですが、付けて...それっきりです。

 

で、その効果は?

この窓の外はかなり交通量があるバイパス道路で、日夜、大形のダンプカーやトラックなどの音に悩まされ、テレビの音もかなり音量を上げていてもかき消されるほどでした。それが、内窓を付けると窓からはほとんど音は入ってきません。音は家の色々な場所から入り込んで来る為、まだ道路の音はかすかに聞こえますが、ビックリする程静かになりました。効果抜群です!

友人たちも、「これは凄い!」と一様に驚いておりました、大成功です。

大音量で音楽をモニターしても、窓の外側では小さな音が聞こえる程度で、これはエアコンのドレイン・ホースや天井、床下などから漏れて来る音の方が大きい感じでした。心配していた窓ガラスのビビリもありませんでした。

こんなに簡単に2重窓が作れるなんて、世の中にはうまい話があったもんだ!。
(笑)

(写真)新居にスタジオを造った時、この自作2重窓はハメ殺しの窓としてそのまま再利用しました。

普通の吐き出しサッシを壁で潰して、明かり取り用に壁に組み込みました。

なんと、元のサッシ+2重窓の2枚重ね=5重窓!です。音は全く漏れません。(笑)