NLL




北、NLLを拒否…また「衝突再発時は全面戦争」主張



北朝鮮が25日、西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)を拒否する立場を再確認し、
「武装衝突再発時には全面戦争に拡大」の可能性を繰り返しながら「公正な海上分界線」の設定を要求した。

朝鮮中央放送と平壌(ピョンヤン)放送は韓国戦争(1950−53年)57周年のこの日、
「民族の頭上に戦争の惨禍をかぶせるNLLの真相を論ずる」という軍事論評で、
「対決と衝突の危険な火種を抱えるNLLの真相とわれわれの原則的な立場をもう一度
明確にする」とし「西海には公正な海上分界線だけがあるべきだ」と主張した。

放送は「西海NLLは双方間のいかなる合意もなく設定され、停戦協定の‘不可侵’要求にも背くだけでなく、
国際的に公認された海洋法にも反し、われわれは…その存在自体を否定してきたし、
撤回されるべきだと主張してきた」と伝えた。

また「NLLに対する立場は、西海で平和を願うか願わないかを分ける試金石」とし「再び西海上で武装衝突が起きれば、
過去の西海交戦とは比較にならない戦いになるはずであり、地上と空中を含む全面戦争に拡大し、
民族の生死はもちろん、世界平和も深刻に脅かすものになるだろう」と強調した。

放送は「火には火で、狂犬には棒で仕打ち」という極限表現を使い、「無慈悲な懲罰の意志」を警告した。
北朝鮮は、韓国の戦艦が先月10日、21日、30日、今月12日、21日と相次いで領海を侵犯したと主張し、強力に対応すると主張している。


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独島と西海5島

  10日前に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、鶏竜台(キェリョンデ、陸海空軍の統合基地)で主要指揮官と対話を交わした。
南北(韓国・北朝鮮)関係は、安全、平和そして統一の順に進め、
経済分野を優先にし、文化、そして政治へと協力が拡大されるべき、とのことだった。
全体的には正しい方向だったために、各メディアはそれを大きく報じなかった。

  筆者も原文を直接読んでいないため見すごしてしまった。
その席で大統領が非常に危険な話に触れたことに一歩遅れて気付いた。
それはNLL(北方限界線)に関連したコメントだった。
大統領は「NLLに関連、合理的な共存の方法を見いだしていくべき」と述べた。
また「われわれを危うくしようとのことではなく、危機の要因を除去しようとのこと、
圧力を低めようとのこと、信頼を高めようとのこと」と付け加えた。

  まとめてみると、NLLが紛争の要因になるからその紛争の要因をなくそう、とのことだ。
先月末、南北鉄道の開通に向けた軍事会談で、北朝鮮側は「鉄道開通のための軍事保障策を作るには、
韓国西海(ソヘ)上の衝突を防ぐ問題などといった軍事的緊張問題を先決すべき」と求めた。
危機の要因を除去しよう、という大統領のコメントと同じ脈絡の内容だ。

  北朝鮮は70年代からNLLを認めないまま、絶えず挑発行為を続けてきた。
韓国の一貫した立場は、NLLには触れるな、とのことだった。
休戦ラインを作り直そうとの主張だからだ。
常に北朝鮮による挑発行為のターゲットになってきた地域が、白リョン島(ぺクリョンド)、延坪島(ヨンピョンド)を含む西海の5島だ。
地図を見てみるように。西海の5島はNLLが崩れると同時に、北朝鮮の影響圏に入らざるを得ない。

  そのすぐ下が永宗島(ヨンジョンド)の仁川(インチョン)空港だ。
ソウルの関門である。そのため韓国海軍の戦力はそこに集中している。
だが国防部が今回の軍事会談で、北朝鮮側の提案を受け入れ「NLL問題を協議できる」とした。
現政府がなぜ韓国領海を妥協の対象にしたのだろうか。その後、NLLを譲るだろうとの見方が絶えず出ている。
「現在より南方に少しだけ譲れば、北朝鮮が満足する」、
「長い回廊を作り通行を保障しよう」といった具合の案が政府官吏の口から出ている。

  国民は全く気付かずにいる間に、緊張緩和という名目で、韓国領海を北朝鮮に渡そうとしているのではないだろうか。
現政権には、北朝鮮を「理解する見地」から考えるべき、という内在的接近を主張する人が集まっている。
だから「北朝鮮の核は防衛用」と大統領が弁解し、ミサイル試験も「人工衛星の実験」だと
青瓦台(チョンワデ、大統領府)の参謀が代弁している。

  あげくには韓国領海のNLLについても、北朝鮮の立場を代弁する境地に達した。
北朝鮮はNLLが緊張の原因だというが、韓国にとって北朝鮮の核とミサイルより大きな緊張要因はない。
それなら、当然北朝鮮に緊張を作らないよう求めるべきだ。そうしたことには一切触れることができず、北朝鮮の主張ばかり受け入れている。
これだから「北朝鮮支持勢力」と言われるのだ。東海(トンへ、日本名・日本海)では逆に納得いかないことが展開されている。

  NLLについてはあれほど寛大な大統領が、独島(ドクト、日本名・竹島)に関連「日本の挑発に対抗できる防衛的対応力を備えるべき」と述べた。
あたかも日本の脅威で、韓日戦争が目前に迫っているような悲壮さが感じられる。
正直にいって、韓国民のうち何人が日本の武力脅威を心配しているだろうか。
現実的に脅威がない日本に対しては、独島を掲げてそれを誇張し、
実際に脅威がある北朝鮮に対しては無条件かばおうとする。

  なぜ大統領の目には、北朝鮮の脅威は見えず、日本の脅威だけが見えるのだろうか。
大統領の独島に対する観点に、西海5島とのかかわりはないだろうか。
独島でもって西海5島を隠そうとしているのではないだろうか。
独島を強調することで、領土の責任を負う大統領としてアピールし、こっそりNLLを譲ろうとしているのではないだろうか。

  植民地の歴史による辛い教訓のため、日本に勝とうとすることに反対する国民はない。
それを利用して、危機のない独島には危機を作り、危機が高まっているNLLは譲ってもいいという錯覚を作っているのか。
NLLは大統領が勝手に決められる懸案ではない。
韓国の国境線だ。憲法は、大統領には領土を保全する責務がある、としている。

  その義務を守らない場合、その責任を取らなければならない。与党議員さえも、
現政府の安保政策に懸念の意を示している。NLLが崩れる場合、どんなことが起きるかは誰も壮語できない。
残った任期の1年半の間に、大統領が憲法の義務を忠実に履行してくれることを切実に願いたい。

文昌克(ムン・チャングク)主筆 <moochain@joongang.co.kr>



韓国大統領がNLL(北方限界線)及び西海五島放棄検討

 盧武鉉大統領はこのほど、鶏竜台(キェリョンデ、陸海空軍の統合基地)で主要指揮官と対話を交わし、NLL(北方限界線)についてコメントし、大統領は「NLLに関連、合理的な共存の方法を見いだしていくべき」と述べた。また「われわれを危うくしようとのことではなく、危機の要因を除去しようとのこと、圧力を低めようとのこと、信頼を高めようとのこと」と付け加えた。また、6月29日付けの東亜日報では元軍幹部の話として、「西海交戦後、NLL死守の意志がもっと堅固にならなければならないのに、現実はそうではないようだ。何があっても、NLLを北朝鮮に譲歩してはならない」と、強い口調で語り始めた。
 韓国が何らかの形でNLLを放棄するか西海五島で北朝鮮に対して何らかの妥協点を見出す方針だ。
 大統領や最近の韓国首脳、軍関係者の話を総合すると、NLLが紛争の要因になるからその紛争の要因をなくそう、とのことだ。先月末、南北鉄道の開通に向けた軍事会談で、北朝鮮側は「鉄道開通のための軍事保障策を作るには、韓国西海(ソヘ)上の衝突を防ぐ問題などといった軍事的緊張問題を先決すべき」と求めた。危機の要因を除去しよう、という大統領のコメントと同じ脈絡の内容だ。
 地政学的に解釈するとこの西海五島は北朝鮮にとってのどに刺さったとげのようなもので、もし西島五島が北朝鮮の勢力下に入ればソウルやインチョン攻略も容易になる。西海五島のすぐ下がインチョンである。もし仮に北朝鮮が攻撃すればインチョン空港を容易に封鎖できる環境が整うわけで、北朝鮮としては地政学的にはどうしても欲しいとされる地域である。
 5月末の軍事会談では、韓国側は、「北朝鮮側の提案を受け入れ「NLL問題を協議できる」とした。その後、NLLを譲るだろうとの見方が絶えず出ている。「現在より南方に少しだけ譲れば、北朝鮮が満足する」、「長い回廊を作り通行を保障しよう」といった具合の案が政府関係者の口から出ている。韓国政府・与党はどうやら次の軍事会談までに何らかの譲歩を迫られるものと思われる。
 中央日報はこのような状況に危機感を持ち、「独島でもって西海5島を隠そうとしているのではないだろうか。独島を強調することで、領土の責任を負う大統領としてアピールし、こっそりNLLを譲ろうとしているのではないだろうか。」とコメントしている。

日本(竹島)には強く北朝鮮には甘いバカ大統領

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2006/05/29

日本には強く中国にはビビル韓国


「独島(日本名竹島)は韓国の領土だが、延坪(ヨンピョン)島は中国領土だ」

24日午前6時30分、西海(黄海)大延坪(テヨンピョン)島の北側約1キロの沖合、
霧が立ちこめる中で中国漁船約100隻がびょうぶのように立ち並んでいた。
北方限界線(NLL)を400メートルも越えて操業しているのだ。ワタリガニ漁船ヨンソン号の船主チャ・テスン氏(40)は軽く舌打ちした。

「ここは明らかに韓国の海じゃないか。あんなのを取り締まらないで海洋警察や海軍は一体何をしているのか…。
今日ぐらいのことは何でもない。夜になれば延坪島の南側を除いた東西北側の3面を囲んで操業をしている。
中国漁船の明かりで不夜城になるんだ。今日は霧がかかっているからよく見えないだろうが、
ソク島近辺に停泊している船まで合わせたら200隻くらいにはなるだろう」

NLLを越えてはいないものの、大延坪島から約2.8キロ離れたソク島周辺は群れをなす中国漁船で沸き返っていた。
ソンジン号船主イ・ジンドゥ氏(39)は歯ぎしりした。「中国漁船はNLLを越えて夜通し延坪島近海を独り占めし、昼は休んでいる。われわれの
漁船は操業区域ではないという理由であそこには立ち入ることもできない。
操業区域であっても、軍事地域だという理由で夜は操業できないんだ」

漁民たちの憤りは、韓国の警察と軍に向かって浴びせられた。

チャ氏は「海洋警察統制所へ6時10分に通報したが、海洋警察や海軍の警備艇は現れもしない。
あそこは操業区域ではないという理由で、われわれの漁船は立ち入ることもできないんだ。
一歩でも入ったら、すぐに海洋警察や海軍が現れて捕まえるのに」と
不満をこぼした。

午前7時8分、通報から1時間して韓国海軍の取締船が現れた。海軍の6人乗りゴムボート2隻が警告放送を流しながら近づくと、
中国漁船はへさきを北に向けて逃走を始めた。

(中略)

興奮した漁民たちは叫んだ。「このまま、ただやられるわけにはいかない。中国漁船に火炎瓶を投げつけるか、
昨年のように自分たちで捕まえてこなければならない。座して死のうが立って死のうが、結果は同じだ」

海上デモは午後5時ごろに終わった。しかし、漁民たちは再び明日もデモを計画している。
これ以外にほかの方法がないと漁民たちは訴えた。

延坪島=アン・ジュンホ記者

中国漁船の不法操業に頭悩ます韓国の漁民

(2006/05/28 朝鮮日報)
韓国漁船が日韓暫定水域を越えて隠岐島の北方や浜田沖など日本の排他的経済水域(EEZ)内で不法操業をするのを阻止するため、
水産庁は4日、取締体制を強化すると発表した。

不法操業が多い北部暫定水域周辺の同海域を管轄する境港漁業調整事務所(境港市昭和町)の現行の取締体制に加え、
水産庁本庁や九州漁業調整事務所など、日本海側の漁業取締船を同海域に集中的に派遣し監視、取締体制を大幅に強化する。

強化体制は違反の状況を勘案して継続。また、日韓双方の民間漁業者団体で行われている 民間協議を促進するため、
北部暫定水域内の韓国漁船の操業状況も調査して日本の漁業者団体へ情報提供する。

水産庁指導監督室によると、北部暫定水域を隠れみのとして日本のEEZに密漁漁具を敷設する韓国漁船には
カニ篭(かご)、バイ篭、底刺し網漁船などがある。
漁船はレーダーマストを高く改造し、漁業取締船の接近をいち早く把握して早めに逃げるなど、手口が巧妙化している。

境港業業調整事務所管内の密漁漁具の今年の押収状況は、刺し網、バイ篭など24件(10月20日現在)で、
押収件数が年間34件と過去最高だった2004年の同期と同数。

ただ、バイ篭が減少して総量は減る傾向にあるが、ズワイガニの漁も可能な底刺し網が増えており、
日本のズワイガニが解禁される6日を控えて警戒を強める。

取締体制強化 韓国漁船の不法操業阻止へ
(2005/11/05 山陰中央新報)

二つの記事を読み比べて、どう思われたであろうか?

『北方限界線(NLL)』を北朝鮮は認めていない。延坪(ヨンピョン)島は韓国の領土だが、
北朝鮮はそのはるか南側に『海上軍事境界線』を引いている。(掲載図参照)
つまり、『北方限界線(NLL)』と『海上軍事境界線』の間は朝・韓の係争海域なのだ。
「NLL北側の海上には200隻をはるかに越える中国漁船が雲のように群れをなしていた」と朝鮮日報は書いているが、
中国は北朝鮮から許可を得ているから韓国に文句を言われる筋はないという立場なのである(笑)
「延坪島の南側を除いた東西北側の3面を囲んで操業をしている。
中国漁船の明かりで不夜城になるんだ」と言ったところで、南側以外は係争海域である。
また、中国漁船が南側にはみ出してきても、『軍事地域』である以上、
韓国側は海洋警察の警備艦を出動させるわけにはいかないだろう。

一方、韓国漁船の我が国領海における不法操業はどうか???

竹島周辺海域は、竹島の帰属が係争中であるために、日・韓両国の主張する排他的経済水域(EEZ)が重なっている。
『日韓暫定水域』は、この海域における争いを漁業面に限っては棚上げする目的で、
両政府の協議によって設けられたものである。
したがって、ここは日・韓共同管理水域であり、我が国の漁船にも操業権は認められている。
が、実質的に韓国によって我が国漁船は締め出されている。
要は、政府による二国間の取り決めを、韓国は一方的に踏みにじっているのだ。
しかも韓国漁船は、その『暫定水域』を独占するに止まらず、我が国領海にはみ出してまで違法操業を行っている。

以上が上記の記事の内容である。

なぜ韓国漁船は、水産資源が極めて豊富と言われる『日韓暫定水域』内に止まらず、
我が国のEEZ内にまで侵入して違法操業を行なうのか?
それは、韓国漁船が、日本漁船には認められていない『底刺し網による操業』を繰り返し、
水産資源を根こそぎ奪い取っているからである。
つまり、韓国漁船の乱獲によって『日韓暫定水域』内の水産資源が激減している。
だから隠岐島の北方や対島周辺まで出張ってくるのだ。

北朝鮮との係争海域で操業する中国漁船を非難する前に、二国間の取り決めを踏みにじり、
事もあろうに我が国の領海にまで侵入する自国の漁船をたしなめる、
これが責任あるメディアの立場ではないのか?
朝鮮日報は、上記の引用記事の中で、中国漁船のせいで延坪島周辺の水産資源が激減していると書いている。
が、君たちの国の漁民は、我が国との係争海域でまったく同じ行為を働いているんだよ。
しかも、それだけでは飽き足らず、我が国のEEZ内でも
不法操業を繰り返す。
君たちが中国漁船に向けた非難、それはそっくり君たちに返ってくる。
まさに「天に唾する」とはこのことである。

それにして「海軍の6人乗りゴムボート2隻が警告放送を流しながら近づく」というのも、信じられないほどの弱気だね。
それだけ北朝鮮や中国に気を遣っているわけだ。
そう言えば、去年の今頃、長崎県対馬沖で違法操業していた韓国漁船をめぐり、
我が国の海上保安庁と韓国の海洋警察庁が対立した事件があった。
あのとき、この国は、確か「海戦」と表現して国を挙げて大騒ぎしたのではなかったか。
やっぱり韓国は我が国には強気だが中国(と北朝鮮)にはビビッている。その事実を
痛感させられた記事ではある。

漁民たちの「このまま、ただやられるわけにはいかない。中国漁船に火炎瓶を投げつけるか、
昨年のように自分たちで捕まえてこなければならない。座して死のうが立って
死のうが、結果は同じだ」という激情ぶりも、いかにも韓国人。
韓国漁船の不法操業に痛めつけられている島根県や長崎県の漁民の忍耐強さとは
えらい違いだ。

水産庁も海上保安庁も、連携して韓国漁船をビシビシ取り締まってほしい。

それから、韓国は日本海を『東海』と呼んでいるが、黄海は『西海』と呼んでいるんだね。初めて知った(笑)



















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