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草原の砂漠化




世界で最も深刻な中国北部の砂漠化

 ある日の午後、空が急に真っ暗になったかと思うと砂塵が急に降り始め、道行く人の上に降り注いだ。砂塵はあらゆる隙間に入りこみ、首都北京を襲った。
北京を砂漠化させると言われている砂嵐である。

  世界銀行の専門家によれば、砂嵐は土地の「退化」と砂漠化が原因だ。
中国の土地の「退化」は既に全国耕地面積の3分の1まで進んでおり、世界で最も深刻な状態にあるという。

  19日出版の『遠東経済評論』では、中国北部の砂漠化は加速しており、以前は年平均20回だった砂嵐が過去数年で35回に増えている。
その多くは春に発生し、「黄砂」として日本にやってくることもある。

  危機解決に必要なのはハイテク技術ではない。家畜数を減らし、休耕によって地力を回復し、華北と西部の痩せた土地への負担を減らすなどの基本的な方法だ。
また、貴重な水資源を管理し、農業と牧畜に頼る生活方式を変えることが必要だ。

  土地の退化は規模が大きいために解決が難しく、環境問題であると同時に、また貧困の問題でもある。基本的な解決方法を実施できれば、
退化地域の約半分が自然に回復するだろうと言われている。

  土地の退化は中国に限らず、東北アジアから中東に至る巨大な弧状地域全体が直面している問題だ。
環境問題の専門家によれば、砂漠化は人災であり、人と家畜がアジアの草原のデリケートな生態を破壊していると訴えている。
中国の多くの地域では、土地1平方メートルあたりが養えるのは15から30人が限度だが、実際は100から150人が生活している。
生態系の弱い地域の移民と、生態を破壊する使い捨ての耕作方式がアジアの砂漠拡大の最大要因だ。

  中央政府の政策だけに頼ることはできない。
措置にあたっては現地の事情、土壌の性質、気候条件と人口、家畜数などの考慮が必要だ。
政府は過去の一刀両断政策ではなく、専門家の意見を募り現地に合った解決方法を見つけようとしている。
措置のいくつかは、棚田を作って水土流出を防ぎ、節水貯水技術を進め、農民に果樹を植えて収入を増やすよう奨励するなど、
現行の政策を発展させたものである。(※編集部)


内モンゴルでは、1960年頃から砂漠化が急速に進行しています。内モンゴル自治区の使用可能な草原の面積は、1960年の82万kuから、1999年には38万kuに減少しました。

右図は、中国の砂漠分布図です。

中国では、降水量が東南ほど多く西北へいくほど少なくなります。図の青のラインは年間降水量400mmの等値線。
これより西北は一部を除いて400mm以下の降水量です。

この値は、木が大きく育つかどうかの境目といわれ、砂漠や沙地もこのラインより西北に分布していることがわかります。

「砂漠」と「沙地」
中国では、乾燥など厳しい気候条件下で自然に形成されたものは「砂漠」と呼び、人間の活動で砂漠に似た状態になったものを「沙地」と呼んで区別しています。

図をみると、西側に砂漠、東側に沙地が広がっているのがわかります。
内モンゴル自治区にある4つの沙地は、気候的には草原が広がるはずのところなのです。





要因T−社会背景
1949年に成立した新中国は、定着型の農耕と牧畜を進めました。やがて食糧増産の必要から、内モンゴルへの漢民族の移住が始まり、人口は爆発的に増加しました(1ku当り:'53年5.0人→'83年16.3人)。
そして、社会変化に伴う生活形態の変化や人口増加は、過剰な土地利用を生み出しました。

要因U−自然条件
中国北方はかつて海や湖があったことから、草原の下には砂が堆積しています。そのため植生が破壊し表土が剥がれると、砂の層が表出します。
土地は保水力を失い乾燥し、地域特有の強風に砂が流されます。砂丘が形成され流動がおこり、砂漠化が加速する―これがこの地域の砂漠化のしくみです。

こうして内モンゴルでは、土地の再生能力を超えた過剰な開墾・放牧を原因に、砂漠化が進んでいます。

一方、開発から守られた自然保護区では、今も豊かな森が残されています。このことからも、砂漠化が人間の活動を背景に引き起こされたものだとわかります。

砂漠化が中国襲う、日本の4倍が砂に埋もれる



中国全土の約18%に当たる173.97万平方キロメートル(日本の面積の約4.6倍)が砂漠化し、4億人の生活に影響が及んでいる。イメージ検索:黄砂