雨宿り

水溜りの上をトラックが走る
泥水を傘で避けるブーツの少女
下校の少年が傘で塀を叩いた
残響残して君に

梅雨の季節は人を回想させる
誰かのものは他の誰かの元へ
アパートで聞こえる誰かの悲鳴
雷の恐怖だけではない

青ざめた色したアジサイを
風流だと思えるほど、
僕の心に余裕なんてないさ
ただ傘をさして歩いていくだけさ

雨が降り止むころにはここをたちさろうね
次にここに立ち寄れるのは自分を捨て去ったときだ

公園でつぶされた砂の山と
アスファルトの匂いも忘れられない
下校の少年が傘で塀を叩いた
残響残して君に

赤くなって熟れたアジサイを
風流だと思えるほど、
僕の心に余裕なんてないさ
ただ傘をさして歩いていくだけさ

雨が降り止むころにはここをたちさろうね
次にここに立ち寄れるのは自分を捨て去ったときだ※

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