『905』 written by John Entwistle
母親は孵卵器だった 父親は冷蔵庫の中に在る試験管の内容だった 出生の工場にて 私の名前は905 丁度今 生を享けた所だ 最も新しき人口構成員 我々が地球と呼ぶ遊星の 仮死状態で 私の幼年期は過ぎ去った 私が感情を欠いて喋るのなら 君はその理由を知っている 宇宙の知識が私の心に吹き込まれた 私の青年期の身体が 思春期を後にするに連れ 私が知っていることの全ては 私が知る必要のあるものだ 私が為す事は嘗て為された事だ 私の頭の中に在るあらゆる文章は 他の誰かが言ったことだ どの人生の終わりにも 扉が放たれている 自動的に解凍され 私の壮年期は定刻に訪れた 私は大人に成り 氷の学校を後にした 私は開始することになっている 命じられた人生を 嘗て千回は 使い古された人生だ 心の奥底に 何かが欠けているという感覚がある それは私の魂の感覚だ 私はこう望まずにはいられない 何時の日か 暴いてみせる 我々が偽りの生を送っていることを そうしてその理由を全世界に告げるのだ だが それまでは 私が知っていることの全ては 私が知る必要のあるものだ 私が為す事は嘗て為された事だ 私の頭の中に在るあらゆる考えは 他の誰かが言ったことだ どの人生の終わりにも 扉が放たれている |