呪われたふたつ顔

さがみゆき ひばり書房/怪奇ロマンシリーズ
魔犬度 80% しぶとい度 85% 恐ろしい度 97%

  あらすじ

美津江(16)は家が貧しかったため、奉公に出されることになった。
奉公先の鬼火屋敷に向かう途中、村人達から屋敷に近付くなと忠告される。
でも美津江は手当てが欲しいのでシカトして屋敷へ行く。
屋敷に着き、お母さまから仕事ブリーフィングを受ける美津江。
屋敷の住人は娘の「お品」とそのお母さま、そして使用人の辰吉(マッチョ)とお藤(ババア)。
美津江はお品の世話をするよう命じられる。
すると、いきなりお品が発作を起こし井戸に身を投げようとする。
お母さまは、わめきまくるお品と、必至に止めようとする辰吉に分け入り、
お品を思いっきり引っぱたく。お品は母に抱きつき「もう死にたい!」とか言ったあと、
美津江の存在に気付く。するとお品は美津江に「民江かえってきてくれたの…」などと
トンチンカンなことを抜かし、嬉しがるのだった。
それから色々と訳わかんない事がおきて、美津江は「私はどちらかというといえば好奇心の強い性格」と自負するとおりに、屋敷の事を嗅ぎまわるのだった。が、やっぱり結構ヤバいってことに気付いて逃げ出そうとするが……
そんで、ラストはレザボアドッグスみたいに壮絶な殺しあいが勃発しちゃう!コワ〜!

 

  鬼火屋敷の魔犬

この物語には一匹の登場犬物して次郎というクリーチャーが描かれる。
次郎は、屋敷の 秘密がバレないように、庭で脱走者をスイープするのが役割である。
お品曰く「あの犬は辰造(筆者注:多分誤植)とお母さましかあつかえない」、
「まるで狼みたいでしょ」、 「人を殺したこともあるのよ」
ババア曰く「変な振舞をすると繋いである 縄を食いちぎり襲ってくるよう訓練されている」とのことで、どうやら殺人前科としてババアの孫・民江を食い殺したということも明かされて、次郎は相当にヤバいマッドドッグだということが分る。
その情け無用のキラーな性格と、禍々しいルックスが作品の中で爆発し、この作品の事実的な主人公となっている。

ワン!ワンワン! 次郎初登場!
猫にみえるかも知れないが、 驚異的な跳躍力を持つ、鍛え上げられた柔軟な体であるという 証拠なのだ。

ギャオンギャオン!
美津江の帯を食いちぎる次郎。
まさしく狂犬だ。
ババアに攻撃する次郎。
次ページでババアは孫と同じ運命を辿ることに。
3コマ目の次郎の顔がこわい! ギャー!
長ドスで刺殺された次郎。
あ〜死んじゃった。
と思ったら生き返った!
地獄のマッドドッグ !
背景がベタになって本気になった!