銀牙外伝
-甲冑の戦士-雅武

高橋よしひろ 集英社/少年ジャンプ
赤目度 2000% ジャンプ黄金期ダイナミズム100% 甲冑かっこいい度 100%

  あらすじ
時は戦国時代…。諸国の大名が取りに鎬をけずっていた頃、謀略渦巻く情報戦に必要不可欠な存在である忍者集団。中でも牙忍(がにん-忍犬)を操る“陽炎一族”は、侵略者に対する非情なまでの武勇で恐れられ、群雄割拠の乱世にその名を轟かせていた!
“陽炎一族”が犬を使役するための秘奥義『牙忍降ろし』。この奥義は、兜の裏に〈世の全の万物の生命体が凝縮されているという〉秘薬を塗った針をしのばせ、それを犬に装着する。秘薬はやがて脳髄まで浸透し、年を追うごと犬の脳は活性化し、数年のうちに人間の能力をはるかに上まわり、知力だけでなく動態的にも進化する。そして恐るべきは人間の言葉を操るのはもちろん、頭目の牙忍らは念動力さえ操るのである!
  鬼火屋敷の魔犬

犬漫画界のペレ・高橋よしひろが、銀牙の完結後にドロップした戦国犬漫画。以前から戦国モノを描きたかったよっすぃ(高橋)は、編集者の「時代物は売れ難い」という意見を実績で咬み殺して連載をスタートさせた。結果 は、本編が単巻にしかならなかった事で押して知るべし。(犬漫画はドッグイヤーだから人間漫画の6倍は時間の流れが早いのかもしれない。)戦国時代で犬幻想を巨大に膨らますよっすぃは、この作品でダイナミックな畸形犬たちを生み出した。
『牙忍降ろし』でフィジカルとメンタルで進化を促成された犬たちは、刀をくわえ人間の言葉を喋るのはもちろん、 サイコキネシスを駆使し、果ては翼が生えた猛禽に進化したキメラ犬までも現われる。 そのなかでも、一番この漫画を象徴していて痺れるのは「馬で駆ける雅武 」であろう。
戦国ロマンに生命の進化というテーマをからめた作者よっすぃは、そうとう先まで話を考え膨らませて、「こりゃあスケールのでかいコトになるぜ」と鼻息を荒くしてたらしいが(フジテレビ721 『週間少年「」』より)ジャンプの論理の前に、尻切れトンボも甚だしい結末を迎えてしまったのだった…。
ゴラクかバンチあたりでリスタート希望っす!


犬が馬に乗っている! 強えェ!