三丁目の夕日[犬の思い出]

西岸良平 小学館/My First BIG
涙ホロリ度 90% ファンタジー度 50% 貧乏そうな犬度 80%

〈昭和30年代――飼い犬を鎖でつないでおかなくても良かった時代。〉

「三丁目の夕日」コンビニ販売用シリーズの、犬コンピレーション。
死んだ犬が守護霊となって狐の悪霊をバウンスしてくれたり、バカだけどアーティスティックな犬が登場したり、犬を失ったババアが再び犬を飼い始め若返る話などを収録。ただの人情話に終らず、オカルトはじめSF、犬ストリートの厳しい現実、などの要素をもりこんだ西岸節が堪能できる。
人が死んでも何とも思わないならまだしも、「いいぞ! もっとやれ!」とはしゃいでしまい、犬畜生一匹が死ぬ とエンエン泣いてしまう、慈悲深いハートフル派の方にお薦めの一冊。
筆者もずいぶんとこれで涙を流しました。
イラクには犬が派兵されないよう、心から祈ります。