黒い姿のシリム



ノイズがひしめく街角の 暗闇に一人の少女
娼婦のように口紅を塗る あどけなさの残る少女
必死にオトコに媚びを売る 少女の名前はシリム
肌の色は人より浅黒く 周りの奴らとは違う

少女の両親は首を吊り 最後に真実を残す
この世の中は平等など 存在しないのだと

感情無くした少女シリム
行き場を無くした少女シリム
恋さえ知らず 愛さえ知らず
生きている理由さえ知らず
周りと少し違うだけで
生きていけるハズなのに
陰に隠れて目を閉じる 黒い姿のシリム


身寄りを失ったそれ以後は 毎日が苦痛の日々で
涙の色も黒いのかと 気が狂れて感じ出す

感情無くした少女シリム
行き場を無くした少女シリム
一度でもいい 一度だけでいい
人の優しさに触れてみたい
周りと少し違うだけで
生きていけたハズなのに
陰に隠れて目を閉じる 黒い姿のシリム


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