蜘蛛



うつむいた斜陽を眺め 己の心に問い掛ける
慕ってきた優しさなど 偶像ではないのかと
振り返るとソコにはいつも 薄暗い陰が佇んで
芯の部分を見透かされて いるような感覚になる

目を閉じた先に見える トゲに覆われた善世界
くだらねぇと鼻で笑う そんな俺がソコにいた 
嘘になったって

どうか 蜘蛛の糸よ
どうか どうか 蜘蛛の糸よ

顔を上げるとソコにはいつも 薄暗い蜘蛛が佇んで
俺の脳を狙っている かのような感覚になる

目を閉じた先に見える 華に覆われた悪世界
自我に囚われ固執する そんな俺がソコにいた
強くなれず

どうか 蜘蛛の糸よ
どうか どうか 蜘蛛の糸よ

強くなくたって

どうか 蜘蛛の糸よ
どうか どうか 蜘蛛の糸よ

あのうつむいた斜陽を眺め 己の心に問い掛ける
培ってきた誇りなど 偶像ではないのかと



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