TED CURSON

 on JAZZCRITIC VOL.66

テッド・カーソンの幻のソロ・デビュー作がドイツでも復刻!
TED CURSON/Prenty of Horn
<G:BOPLICITY CDBOP 018←OLD TOWN 2003)
Ted Curson(tp)
Jimmy Garrison(b)
Kenny Drew(p)
Bill Barron(ts)
Roy Haynes(ds)
Eric Dolphy(fl replaces B.Barron on 3&7)
Danny Richmond(ds on 2,4&9)
Pete La Rocca(ds on 5&8)
1/Caravan
2/Nosruc
3/The Things We Did Last Summer
4/Dem's Blues
5/Ahma(See Ya)
6/Flatted Fifth
7/Bali-H'ai
8/Antibes
9/Mr Teddy
チャールズ・ミンガス主義者としては、ミンガス親分の子分共に対してはどう
しても贔屓目になってしまう。特に、このテッド・カーソンは過小評価組なの
で肩入れにも力が入ろうというもの。

“Prenty of Horn”は、テッド・カーソンのリーダー・デビュー作。
太い音色、生真面目なプレイをするトラッペターであるがゆえに、叉、活動の
拠点がヨーロッパ中心となってしまった為に知名度は低いが実力派。このディ
スクも、超マイナー・レーベルから発売されたため一部のマニアックなファン
に弄ばれ幻の名盤扱いされてきたが、内容は優れたバップ作品。サポートする
ミュージシャンにも注目して頂きたい。

この作品以降、フォンタナのニュー・ジャズ・シリーズに録音したこともあり
フリー・モードに入ってしまったと誤解され、大多数の心無いジャズ・ファン
から疎外されることになるのだが、そうした偏見を捨てて一度聴いてみて頂き
たい。そうすれば、フリーの系譜に入るミュージシャンは、出鱈目をやってい
るのではなく、既存のスタイルからの自己解放と革新を指向するという、実に
当たり前の創造行為をしているのに過ぎないという事が御判り頂けると思う。
特にテッド・カーソンは、フリーのイディオムを使用することはあっても、本
質的にはメイン・ストリームに背を向けることのない保守主義者なのだ。
<1> を冒頭に採り上げるなど、ミンガス一家の家訓を守っており実に微笑まし
い限り。

<memo>
90年代中期にイギリスのBLack Lionや日本のP-Vineからも復刻されていたが
世紀末にドイツから久しぶりの再発売となった事は喜ばしい。
再々の復刻は、エリック・ドルフィーの参加に依拠するのだろうね。
<21/Dec./2000>

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