SCHEMA SEXTET

 on JAZZCRITIC VOL.56

レーベル名を冠にしたイタリアン・ハードバップの優等生ユニットの超注目盤!
"SCHEMA SEXTET/LOOK OUT tribute to Basso/Valdambrini"
(I:SCHEMA RECORDS SCCD 320)
Recorded Dec. 6,7,8 1999

Rosario Giukiani(as)
Fabrizio Bosso(tp,Flh)
Gianluca Petrella(tb)
Pietro Lussu(p)
Giuseppe Bassi(b)
Lorenzo Tucci(ds)
1/Look Out
2/Agitazione
3/Blues For gerry
4/Young Man
5/Before Ten O'clock
6/Time Was
7/Lothar
8/Bernie's Tune
9/Like Someone In Love
10/Bob's Buddy
11/The Preacher
すべてのハード・バップ、否、ジャズ・ファンの皆様に自信を持ってお薦め出
来るディスク。ストレート・アヘッド部門では、本年度上半期のベストである
と断言しても誰も怒らないでしょう。巷のインポート族の評価も五つ星です。
レーベル名を冠したグループのネーミング通り、SCHEMA RECORDSイチ押しの若
手アーティストが、実にセンスのいいプレイを聴かせてくれます。特にファブ
リーツィオ・ボッソ(tp)の太く伸びやかな音色、洒落たフレーズには魅了され
てしまいました。
このディスクは、ジアンニ・バッソ(ts)とオスカル・ヴァルダンブリーニ(tp)
に捧げられています。この二人は、50〜60年代にかけて双頭クインテット
を率い、当時のイタリアではスター扱いされるほど人気がありました。
そのバッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテットが残した "THE MODERN JAZZ 
VOL.7(Stell→Verve/1959)"、"EXITING SIX(GTA/1967)"などのアルバムからピ
ックアップした曲を、今日的な解釈によってリメイクしているのですが、正直
な感想を申し上げれば、リスペクトすべき対象は若き6人のアーティストの方
だと言えます。バッソは現役ですが、彼としてもプレイヤーとしてのスキルや
そのスタイルに拍手を惜しまないと思います。
アメリカの若いアーティストが失いかけている、「思いっきりプレイする」姿
勢には感動すら覚えます。ケレン味の欠片もない愚直なまでのストレート・ア
ヘッドなジャズ。一度でいいからライヴで逢いたい。
それまでは、このディスクで我慢するしかありません。


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