JOHN LEWIS & SACHA DISTEL


 
on JAZZCRITIC VOL.54
 KOCH JAZZ part1

サッシャ・ディスディル+バルネ・ウィラン+MJQが仏に残した幻の名盤が復刻!
"JOHN LEWIS & SACHA DISTEL / AFTERNOON IN PARIS"
(US:KOC-CD-8509)
Recorded at Paris,Dec.4&7 1956
<Verailles 12005→Atlantic SD 1267>

John Lewis(p)
Sacha Distel(g)
Barney Wilen(ts)
Pierre Michelot(b)
Percy Heath(b)
Conny Kay(ds)
Kenny Clarke(ds)


1/I Cover The Waterfront
2/Dear Old Stockholm
3/Afternoon In Paris
4/All The Things You Are
5/Bag's Groove
6/Willow Weep For Me

長らく幻の名盤扱いを受け、オリジナルには犯罪的なプレミアが付いていた。
1998年に「アトランティック・ジャズ・コレクション」の一枚として紙ジャケ
復刻され「幻の名盤」という呪縛からは解放されていたが、あまりにもいい加
減なリマスター作業故に、一部のコアなファンからは激しいブーイングを浴び
ていた曰く付きのディスク。(この担当者は後に左遷された。)
そうした意味においても、新たにデジタル・リマスターされ音質を向上させて
のKOCH JAZZからの再発は歓迎したい。

聴き処は、油が乗りきっていたバルネ・ウィランの伸びのいいトーンとセンス
のいいフレージングだろう。どんな捻くれ者でも(俺のことだが)否定する奴
はいないだろう。そして、サッシャ・ディスディルのジミー・レイニー節とも
といういうべき芳醇なプレイも注目に値する。
しかし、これは本当に名盤なのか?
希少性故に、コレクターの幼児的蒐集癖が、「名盤」という妄信的なデマゴロ
ギーを流布したに過ぎないのではないか。
集中して聴くと、アルバムとしての統一感にかけた「そこそこ盤」であると評
価せざるをえない。知性あるジャズ・ファンは、萬札を束ねてオリジナルを購
入する必要はない。そんな、行為は成り金趣味の前頭葉が欠落したコレクター
に任せておけばいい。バルネの元気な音を確認したい方にのみ此のCDはお薦め。

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