KEITH TIPPETT
on JAZZCRITIC VOL.57
<a>
キース・ティペットの初期名盤３作が96KHz・24Bit高音質リマスター仕様で復刻！
THE KEITH TIPPETT GROUP / You are
here ... I'm there
(UK:Polydor 2384 004→ANDORRA:disconforme DISC1963CD)
Recorded Jan.1970,London
Keith Tippett(p,e-p)
Mark Charig(cornet)
Elton Dean(as)
Nick Evans(tb)
Jeff Clyne(b,e-b)
Alan Jackson(ds,glockenspile)
Giorgio Gomelsky(bells)
1/This Evening Was Like Last Year(To Sarah)
2/I Wish There Was A Nowhere
3/Thank You For The Smile(To Wendy And Roger)
4/Three Minutes From An Afternoon In Jly(To Nick)
5/View From Battery Point(To John And Pete)
6/Violence
7/Stately Dance For Miss Primm
8/This Evening Was Like Last Year-short virsion
<b>
THE KEITH TIPPETT GROUP/ Dedicated to you,
but you weren't listening
(UK:Vertigo 6360024→ANDORRA:disconforme DISC1964CD)
Recorded 1971,London
Keith Tippett(p,e-p)
Elton Dean(as,saxello)
Mark Charig(cornet)
Nick Evans(tb)
Robert Wyatt(ds)
Bryan Spring(ds)
Phil Howard(ds)
Tony Ulta(conga drums,cow bell)
Roy Babbington(b,bass guitar)
Neville Whitehead(b)
Gary Boyle(g)
1/this Is What Happens
2/Thoughts To Geoff
3/Green And Orange Night Park
4/Gridal Suite
5/Five After Dawn
6/Dedicated To You,But You Weren't Listening
7/Black Horse
<c>
KEITH TIPPET'S CENTIPEDE / Septober energy
(UK:RVA Neon NE9/1→ANDORRA:disconforme DISC1965CD)
Recorded June 1971,London
Keith Tippett(p)
Ian Carr(tp,flh)
Mongezi Feza(pocket cor)
Marc Charig(cor)
Peter Parkes(tp)
Mike Collins(tp)
Elton Dean(as,saxcello)
Jan Steel(as,flu)
Ian McDonald(as)
Dudu Pukwana(as)
Larry Stabbins(ts)
Gary Windo(ts)
Brian Smith(ts)
Alan Skidmore(ts)
Karl Jenkins(bs,oboe)
Dave White(bs,cla)
John Williams(bs,ss)
Nick Evans(tb)
Dave Amis(tb)
Dave Perrottet(tb)
Paul Rutherford(tb)
John Marshall(ds)
Tony Fennell(ds)
Robert Wyatt(ds)
Brian Godding(g)
Brian Belshaw(b)
Roy Babbington(b)
Jill Lyons(b)
Harry Miller(b)
Jeff Clyne(b)
Dave Markee(b)
Maggie Nicols(vo)
Julie Tippett(vo)
Mike Patto(vo)
Zoot Money(vo)
Boz Burrell(vo)
Wilf Gibson(lead vln)
Wendy Tracher(vln)
John Trussler(vln)
Roddy Skeaping(vln)
Carol Slater(vln)
Louise Jopling(vln)
Garth Morton(vln)
Channa Salononson(vln)
Steve Rowlandson(vln)
Mica Comberti(vln)
Colin Kitching(vln)
Philip Saudek(vln)
Esther Burgi(vln)
Michael Hurwitz(cell)
Timothy Kramer(cell)
Suki Towb(cell)
John Rees-Jones(cell)
Katherine Thulborn(cell)
Catherine Finnis(cell)
Produced by Robert Fripp
1/Septober Energy - Part1
2/Part2
3/Part3
4/Part4
キース・ティペットの初期作品が復刻された。
70年代には入手困難＋高価だった作品が、96KHz・24Bit高音質リマスター仕
様で限定盤とはいえ手に入るようになったことに感謝したい。
ご存知ない方のためにご説明申し上げると、キースはキング・クリムゾンの
2nd以降のアルバムにおいて美しい音色を奏でたことで、 ワールドワイドに
知られるようになったジャズ・ピアニスト。近年も、フリーフォームなソロ
作や婦人のジュリー・ティペット（旧姓ドリスコール、ブライアン・オーガ
ーのトリニティのヴォーカリストとしての活動は有名。６０年代にはトップ
モデルとしても知られた美貌の持ち主だった。先頃の来日時のあまりの老け
ようには腰が引けてしまった。）とのデュオなどでも精力的な活動を行って
いる。
しかし、70年代初頭リリースの<a><b>ではスタイリッシュなハードバップ、
モード寄りのジャズを聴かせている。英国の白人がやっているのだから、ア
フロ・スピリチュアリズムを体感することは出来ないが、その煌めく様式美
には聴き惚れてしまう。
否定的要素もある。 <a>-3における「ヘイ・ジュード」のリフの引用などは
どう考えても不要だ。また、通俗的なメロディが支配する瞬間には、プロデ
ューサーのゴメスキーの顔がチラチラと見え隠れして非常に不愉快な気持ち
になる。当時のブリティッシュ・ロックに詳しい方なら解って頂けるでしょ
う。
とはいえ、ジャズ・ロックなるカテゴリーに入れて「サヨナラ」することは
出来ない。<c>などは、50人ものアーティストによって繰り広げられる実験的
要素の強いオーケストラ作品（ロバート・フリップのプロデュース）だが、
そのアプローチの方向性は現代でも通用する普遍性を持っている。
<a><b>は、ストレート・アヘッド派にも評価されている。その濃密な音空間
は、フリーは訳解らないという方にお薦めしたい。
一聴すれば、フリーフォームなジャズって「イケてる」などと喚いて、転向
するに違いない。妄想ではなく、表現行為の深層部に通底する美意識は不動
のものであるという意味を認識する瞬間に出会うことが出来るという事を申
し上げているに過ぎない。<b>-3は必聴曲。騙されたと思って聴いてみてね。
*御注意
御紹介の作品は輸入盤ダフ屋＜マーキー／ベル・アンティーク＞によって日
本製オビを付けて3,000円近い法外な値段で売られています。
輸入盤なら2,200円程度でお買い求め頂けますので御用心下さい。
最後にANDRRAは、アンドラ公国。disconformeは、savoyやdial、spotlite原
盤のCDリイッシューをドカドカ出しているのだが、ちゃーんと版権料払って
んだろうな。それとも、１０年位前のイタリアのように著作権フリーなのだ
ろうか。誰か御存知の方がいらっしゃれば御教示頂きたい。免税国家だとは
聞き及んでいるのですが。
メンバー個々人については、いつの日か言及する日が来ようかと思います。
ソフトマシーン人脈をはじめ興味深いアーティストばかりですからね。