Joe Harriott
 on JAZZCRITIC VOL.65

ジョー・ハリオットと英国ジャズのコアなファンに向けて発掘された希少録音
Joe Harriott / Genius
(UK:JAZZ ACADEMY JAZA 6)
Recorded 27 Jan.1961 at Manchester(on #1-4)
unknown(5-9)
     Sep.1999(C0leridge Goode<b> added to #6-9)
     mid 60's(on #10)
     3 Mar.1963 at St.Pancaras Town Hall(on #11)
Joe Harriott(as)
Les Condon(tp on #1-4)
Ian Carr(tp on #10)
Shake Keane(tp on #11)
Tony Coe(ts on #10)
Don rendell(ts on #10)
Pat Smythe(p on #1-4)
William Haig-Joyce(p on #5-9)
Michael Garrick(p on #10&11)
Coleridge Goode (b on #1-4,6-9)
Dave Green(b on #10)
Johnny Taylor(b on #11)
Phil Seaman(ds on #1-4)
Trevor Tomkinks(ds on #10)
Alan(Buzz)Green(ds on #11)
<Joe Harriott Quintet>
1/Moanin'
2/Round About Midnight
3/Joe Explains Freeform
4/Tempo
<Joe Harriott duo>
5/Confirmation
6/Love For Sale
7/The Song Is You
8/How Deep Is Ocean?
9/Bodu And Soul
<Michael Garrick Septet>
10/Shiva
<Michael Garrick Quintet>
11/Calypso Sketches

ジョー・ハリオットは、ロンドンのクラヴ・シーンで再評価され、邦盤でも
CD復刻された "Indo Jazz Suite"等のインド・シリーズばかりが注目されて
いるが、元々はパーカー派。

ジャマイカ生まれの彼は、1951年に地元のバンドの一員として英国を訪れた
のを契機に移住。ロニー・スコットのビッグ・バンド等で活躍していたが、
1960年代からは、バップから脱出するかのように革新的な実験を繰り返し、
70年代に花開くニュージャズの牽引役となった。

このディスクの面白さは、当時の代表作である "Free Form(Jazzland)1961"
の収録曲 <3&4>のライヴ・バージョンを聴くことが出来るところにある。
<1&2>のような人気曲の次に、 当時としてはアブストラクトに聞こえたであ
ろうプレイを展開するのだから堪らない。タイトル通り天才だ。

また、ハードバッパー時代のイアン・カーをはじめ、ニュー・ジャズ・ムー
ヴメントを代表するプレイヤーの未発表録音が聴けるのも貴重。
英国ジャズのマニアなら泣いて喜ぶに違いない。

この時代の英国在住ミュージシャンの技術の高さや、米国ジャズとの対抗軸
であるヨーロッパ前衛としての認識レベルが,60-70年代の創造的な「革命」
を生み出す過程の記録なのだ。

しかし、このディスクには心から推薦出来ない汚点がある。
<6-9>における、 アルトとピアノのデュオへのベースのダヴィング作業だ。
音質は私家録音レベルだが、チャーリー・パーカーへの深い愛情を感じるこ
とが出来る貴重な記録なのだ。それを何故、1999年にダヴィングする必要が
あったのだろうか。
それだけが残念だ。
<29/Jan./2001>

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