JAZZ INC./Tony Crombie

 on JAZZCRITIC VOL.66

スタン・トレーシーの参加が注目される60年録音の英オーケストラ作品。
JAZZ INC. / Swinging Music in the Modern Manner
directed by Tony Crombie
<E:Jasmine/JASCD 612←Tempo>
Reissue of previously issued on
Tempo 12"LP TAP 30 "Jazz Inc.-Swinging Music In The Modern Manner"
Recorded 6 Jan.1960 at London
Tony Crombie(Leader,ds)
Al Newman(as,cl)
Bobby Wellins(ts)
Harry Klein(bs)
Leon Calvert(tp)
Les Condon(tp)
Stan Tracey(p)
Kenny Napper(b)
1/Caravan (Ellington/Mills/Tizol) - 4:09
2/Boo-Bah (Tracey) - 5:41
3/Lullaby (Napper) - 4:15
4/Reelin' (Crombie) - 5:16
5/Li'l Ol' Pottsville (Tracey) - 6:24
6/Jamba (Crombie) - 3:02
7/I Let a Song Go Out of My Heart (Ellington/Mills/Nemo) - 6:46
8/Summertime (Gershwin) - 4:44
トニー・クロンビーがオルガナイザーとなったオーケストラ作品。
注目したいのは、スタン・トレーシー(その人脈とでもいうべきボビー・ウ
ェリンズも含めた)の参加。彼が参加していることだけでも歴史的な意味を
持つ録音だ。

スタン・トレーシーは、ロニー・スコッツ・クラブのハウスピアニストとし
て60年代にロリンズをはじめ合州国のビッグネームとの共演を重ね、英国
ジャズの重鎮の一人となる。ジョン・サーマンやキース・テイペットなどに
も影響を与え、70の齢を重ねた現在もフリー・インプロヴィゼーションに
積極的に取り組む真に偉大なアーティスト。
この作品でもトレーシーのプレイは突出しており、彼のアグレッシヴなソロ
は一聴に値する。

作品全体は、表面的にエリントンへの憧憬を打ちだしているが、アレンジの
大胆さは、この作品の10ヶ月後に録音されることになるギル・エヴァンス
「クールからの脱出」にも匹敵する。
もちろん、トレーシーもアレンジに加わっている。
<21/Dec./2000>

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