Art Farmer-Phil Woods
 on JAZZCRITRIC VOL.65

幻のCampi盤CD復刻!フィル・ウッズとアート・ファーマーの超Q盤
WHAT HAPPENS?.../ Art Farmer-Phil Woods Together
(I:Campi→A CAM/CAM 498377-2)
Recorded 12 Oct.1968,Rome
Art Farmer(flu)
Phil Woods(as)
Martial Solal(p)
Henry Textier(b)
Danniel Humair(ds)
1/WATCH WHAT HAPPENS
2/CHELSEA BRIDGE
3/BLUE BOSSA
4/BLUE LIGHTS
5/THE DAY AFTER
6/SUNRISE SUNSET
Campiレーヴェルの3枚がCD復刻された。
中古屋で法外なプライスがつけられ幻の名盤化されていた音源が、此処に解
放されたことを祝福したい。しかも、イタリア盤としては奇跡の高音質リマ
スターとなっている(高音域の処理に文句は言うまい)ことも素直に喜びた
い。

鬼籍に入ったアート・ファーマーを今更詰ってもせん無いことながら、「右
顧左眄」大王にして強欲の塊だったファマーと常に真ん中高めのストレート
を勝負球として走者牽制も行わない愚直の塊であるフィル・ウッズがローマ
で出会った。
二人は、ジェラードを舐めあったわけでも、ベスパでお散歩したわけでもな
い。

1968年8月パリに居を移したウッズとヨーロッパに活路を見いだそうと
目論んでいたファーマーが、マーシャル・ソラルとテキシェ・ユメールとい
う優れたバックを得て「はい、こんなん出来ました」と一枚仕上げただけの
話しである。

11月に、テキシェ・ユメールとともにヨーロピアン・リズム・マシーンの
"ALIVE AND WELL IN PARIS(Pathe)"を吹き込むことになるウッズはノリにノ
ッテいる。ストレートに吹ききるフレーズを否定するものなど、嫉妬深く偏
狭なアマチュア・ミュージシャン以外いないだろう。素直に、アルティニス
トとしてのウッズの才気に拍手したい。

え?アーティ?いつも通りです。当時ブロードウェィでロングランを続けて
いた「屋根の上のヴァイオリン弾き」の <6>を採り上げる士魂商才ぶりとい
うかセンスのなさには笑うしかない。主旋律を朗々と奏でるアーティを生真
面目に支えるウッズのアドリヴは涙なくしては聴けない。

でも、何故これが幻の名盤なんだ。
中古屋やジャズ喫茶の親爺どもの耳の悪さと算盤勘定には呆れるぜ。
昔は「ふぉっほぉほ、お聴きになってない?それは残念ざんすね。幻の名盤
数あれど、これほどのブツはありませんことよ」などと騙される少国民もい
たであろうが、CD時代には、そんなテキ屋訛りの戯れ言に騙されることは
ねえぜ。中古屋の親爺どもよ、1000円で仕入れたブツに0一個多くつけ
て売るんじゃねえぜ。
<5/Nov./2000>

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