BILLY BAUER

 on JAZZCRITIC VOL.62

ビリー・バウアーの名作ヴァーヴ盤が未発表4曲を追加して復刻!
BILLY BAUER / PLECTRIST
(US:VERVE/ELITE EDITION 314 517 060-2)
Recorded Jan.&Mar.1956 in NYC
Billy Bauer(g)
Andrew Ackers(p)
Milt Hinton(b)
Osie Johnson(ds)
1/It's a Blue World
2/Maybe I Love You Too Much
3/Lincoln Tunnel
4/Night Cruise
5/Too Marvelous for Words
6/Lady Estelle's Dream
7/You'd Be So Nice to Come Home To
8/When It's Sleepy Time Down South
9/The Way You Look Tonight
10/Lullaby of the Leaves
11/Blue Mist
12/The Way You Look Tonight
13/The Way You Look Tonight
14/The Way You Look Tonight
15/Lullaby of the Leaves

ビリー・バウアー唯一のソロ名義作品が、未発表テイク4曲を追加して復刻
された。

バウアーの経歴というのが面白い。バンジョー奏者としてディキシーバンド
を経て、1944年ウディ・ハーマン楽団に入団。2年後に退団すると、ベニー
・グッドマン楽団で生活費を稼ぎながら、一方ではレニー・トリスターノに
師事し、当時の先鋭的なジャズを研究。その後リー・コニッツなどトリスタ
ーノ門下生達と行動を共にするが、いつしかスタジオ・ミュージシャン的な
活動やジャズ・クラブのオーナー、ギター教師などの職を転々とした。
俺は、こういう常に前向きでありながら、山師的な側面を持つミュージシャ
ンを愛する。

このディスクもそうなのだが、バウアーは実にオーソドキシーなジャズ・ギ
タリスト。ジョン・スコのように「ワシがワシが的な、自己主張全開」的な
躾けの悪いプレイはしない。その音色は、実にセクシーで脳下垂体を刺激す
る。

<1> の甘美なバラード以下、ギターという楽器の持つ性的な魅力を充分に堪
能できるディスクだ。手垢にまみれた<7> におけるクールネスぶりも実に魅
力的。
<15/Sep./2000>

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