George
Harrison |
おすすめ度★★★★ |
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Betlesが解散した直後、Georgeがそれまで溜まりまくっていたウップンと楽曲を一気に放出した名盤。プロデュースはBeatlesの「Get Back セッション」の手直しを手がけたPhil Spector。 参加ミュージシャンもEric Claptonを始めとするDerek & The DominosやBilly Preston、Ringo Starr、さらにAppleの新人アーティストBadfingerと豪華散漫。彼の交友関係もフルに生かされ、楽曲的にはBob Dylanとの共作も含まれている。 Dylanとの共作は、68年にアメリカに渡っていたGeorgeがDylanの自宅に訪れた時に書かれ、本作製作直前には二人で12時間によるレコーディングを行ったという。 何とDylanのBootleg SeriesVol.1〜Vol.3に、その時のバージョンによるDisk1-6が収録されている。幸せ!っだけど、持ってない... セッションの方では、やはりこの直後に名作Laylaのレコーディングに入るDerek & The Dominosの貢献度が見逃せない。(本作レコーディング中もシングルナンバーを録音している) RingoとKlausの重たいリズム隊とは一味違うJim GordonとCarl Radleが吹き込んだファンキーな乗りは本作の味わいを一層高める結果となっている。 またアルバムの最後尾ではGinger BakerやDave Masonの名前も見られ、粗削りなジャムセッションまで展開している。 オリジナルではLP3枚組というヴォリュームという事で、当時のGeorgeのフラストレーションの溜まった気持ちも分からないでは無いが、今聴くとやはり少し絞った方が良かった気がする。 さらにPhilのプロデュースもややオーバー気味で、ちょっと聴き苦しいところもある。(これは個人的意見ですがね)楽曲自体は非常に優れていると思うしバックのメンバーもかなりの凄腕ミュージシャンだけに、もうちょっとシンプルに仕上げてもらいたかった。 そういう意味でも、2000年にこのアルバムの「発売30周年記念BOX」を期待しちゃいます! Beatles解散後、自分への再発見を模索していたJohnとPaulを尻目に、失うものの無いGeorgeは真っ直ぐに自分の信じる道を走り始めたのである。
〜特にお気に入りな曲達〜 ジャケットのイメージそのままに、アルバムはDylanとの共作曲のI'd Have You Anytimeで静かにスタートする。イントロを含めた美しいギターはClaptonによるもの。Georgeの素朴な味わいが充満した名曲。 そして、シングルでも大ヒットを記録して元BeatleのBIG2にも嫉妬を買ったのがMy Sweet Lordだ。後に彼のトレードマークともなるダブルトラックのスライドギターによるイントロでノックアウトだ。このオープニング2曲の素朴なノリで最後まで行って欲しかったなぁ。 っと言ったそばから音の壁にぶち当たる。Wah-Wahだ。でも、この曲も元気な時に聴くとなかなかカッチョエエ。特にバングラディッシュの救済コンサートなんかでのテイクは最高だった。主役のWah-WahギターはClaptonによるものだが、ここでの意味は頭痛という事らしい。まぁつまるところ、Paulへの御不満ソング。 さらにウォールオブサウンドは続きIsn't It A Pity(Version One)だ。2テイクも収録するのもちょっと革命的だったんでしょう。しかし、今聴くと「くどいぞ、George...(もしくはPhil)」っと言いたくなる。でも、これもこれで好きなナンバー。 どちらかと言うと比較的シンプルでゴスペルっぽいアレンジのVersion2の方が好きだけど、Version1のClaptonギターも捨て難い。足して2で割ってくれぃ。 Orivia Newton-JohnもカヴァーしたWhat Is Lifeも良い曲..だけど、これこそオーバープロデュース気味。Oliviaのバージョンを聴いて初めてこの曲の良さに気付いた気がする。 一転して素朴なカントリーテイストで迫るIf Not For YouはDylanの作品。ドブロギターをClaptonが担当、Georgeも渋いヴォーカルを披露。その後ろでは控えめでではあるがDylan風の素朴なハーモニカとキーボードも.....名曲である。 続くBehind That Locked Doorではペダルスティールも加わり、さらにカントリーテイストが増している。とても美しいナンバーです。イイ! Paulへの複雑な想いを切々と歌ったRun Of The Millも、楽曲的にはとても味わい深い出来になっている。結構好き。Leon Russellが取り上げたBeware Of Darknessも彼独特のメロディが光るナンバーだ。 そして、突如としてフォークタッチになってしまうApple Scruffsも楽曲的には好きなナンバーだが、ここでは上手く収まってない気がする。 僕にとってのアルバムのハイライトが I Dig Loveだ。一聴してRingoとわかるヘビーなドラムに乗ってシンプルに展開するRockナンバーだ。 Billyと思われるオルガンや間奏の粘っこいスライドギターもカッコイイが、何と言ってもココではRingoのドラムに圧巻!独特なグルーヴのあるRingoのこんなドラムが大好きだ。彼の専売特許だね。 そして妙に派手なArt Of Dyingは、イントロのClaptonのワウワウギターで決まり!これにつられて聴き入ってしまう。いかにもDominosといった感じのリズム隊にも心が躍ります。 そしてOut Of The Blue以降が「Apple Jam」と名付けられたジャムセッション集である。ここでもイタらんエフェクトやエコーが施されちょっと勿体無いが、当時としてはこんなジャムセッションが収録されること自体がとても革命的だったハズ。 個人的にはDominosのバックを従え、GeorgeとDave
MasonがClaptonに必死に食いついていく様なPlug Me Inがお気に入り。でもクレジットにある通り、ここではMasonのギターが出色の出来栄え。 |
Disk 1 Disk 2
My Sweet Lord |
(2001.2.25 再更新)
〜関連アルバムの簡単な紹介〜
George Harrison / All Things Must Pass <New Edistion>
っと上で鼻息を荒らしている僕に情けを覚えたか、
一年遅れた形になりましたが本作のリィシュー盤が発売されました!
嬉しいぃー!!
George自身も今にして聴いてみると、本作のコーティングに
少しだけ大袈裟なニュアンスを感じていたらしく
リマスターと共に少しだけシンプルなリミックスを加えたご様子。
ボーナストラックも収録されているものの、やはり最大の聴き所は
音の抜けが断然良くなってヴォリュームレベルまで上がってる
オリジナルの楽曲の数々。
細かいところは抜きにして、改めて本作に触れることができ
レココレに本作の特集を組ませた意義は僕にとって非常にデカい。
ボーナストラックは未発表曲のI Live For Youの美しさと
弾き語りで収録されている2曲がやはり出色。
特にI Live For Youはとても未発表曲とは思えない
クオリティを誇り、僕の心を離さないです。
オリジナルのレコードと同じようにBOX仕様になってる作りも素晴らしい。
欲を言えばセッション中のフォトとかがブックレットにあったらな。
順路はこちら
The Concert For Bangladesh へ
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
Derek & The Dominos / Layla &
Other 〜
本作にも全面的に参加したClaptonを中心としたバンドの歴史的名盤
Dave Mason / Alone Together
ジャムセッションに参加したDave Masonの名作1st
Leon Russell / Leon Russell
Beware Of Darknessは入ってないけど名作です