Mick Taylor / Mick Taylor <1979>

おすすめ度★★★★


Rolling Stonesの黄金期を支えた若きギタリストMick Taylorが脱退を発表して4年の歳月を経て遂に発表した初のソロアルバム。

元Stonesのギタリストという看板に押しつぶされること無く、しっかりと「今」の自身の音楽性を自然に発揮したかのような味わいがとにかく好印象な秀作で、個人的には断然気に入っている作品だ。

バックメンバーはその後も活動を共にするロンドンを中心に活動をしていた日本人セッションベーシスト、クマ原田を始めとした腕利きセッションマン達とLittle FeatのリーダーLowell Georgeがゲストに参加するという意外な顔合わせもある。

内容の方はStones時代からその縦横無尽なリードギタープレイとは裏腹にメロォな側面も見られた彼の音楽性が遺憾無く刻まれてるかの様な印象で、一貫してレイドバックしたアメリカンロックサウンドがアルバムの前半を覆っている。

どれも絶妙に力の抜けたリラックスしたトラックが並び、意外に渋いTaylorのヴォーカルも十分に堪能できる。また随所で聴かれるギタープレーは派手さこそ無いものの的確なフレーズを連発して自らの楽曲を盛り上げている。

また後半には当時から台頭してきたフュージョン(いわゆるクロスオーバーですか)系のサウンドも聴かれ、彼のミュージシャンとしての成長も伺うことが出来る。

とにかく、等身大のサウンドがどこまでも好印象なのだ。好きだなぁ、この謙虚な佇まい。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(って、長くなったらどうしよう ^^;)

オープニングはLeather Jacket。アルバムは美しいギターに乗ってTaylorのささやきが聴こえてくるというエラク爽やかでポップな幕開けをする。ひとつ間違えると凄く熱くなりそうなこのRockナンバーをTaylorは絶妙な力加減で軽くアレンジ。

いつの間にか大人のミュージシャンに成長してたかのような彼の知的なプレイがいきなり好印象。エンディングにチラっと登場するエフェクトをかけたギターソロも絶品。

続くAlbamaは生ギターによるストレートなブルースナンバー。途中から絡んでくるスライドギターの伸びやかな音色も最高の味わいで、派手さこそないものの本作の聴き所のひとつとなっている。Taylorのヘタウマっぽいヴォーカルも好印象です。

ストレートなタイトルとなっているSlow Bluesはその名の通りスローなブルースといった感じで、現在の彼のスタイルにも通じるサウンドだ。自らの代わりに歌わせてるかのような変幻自在のギタープレイにただただ耳を傾けるのみである。

続くBaby I Want Youはアルバム中最もポップな仕上がりとなっているお気に入りナンバー。Taylorのヴォーカルもしっかりとハマったメロォなアレンジは彼のもうひとつの魅力を初めてストレートに表現した作品と言えるのではないでしょうか?

ミディアムテンポで展開する曲の中で、ここでもきらびやかに輝くスライドギターの音色と、それに対比するかのような間奏での生ギターの響きが何とも美しい。彼のギタリストとしてのセンスが十分に堪能できる名作だ。

Broken Handsは一転Rockっぽいアレンジ。Stones時代を想わす攻撃的なギタープレイが堪能できるナンバーだ。ココでもTaylorのヴォーカルがなかなかの味わいで、ギタリストらしい仕上がりといった印象。

Lowell Gerogeが参加したGiddy Upは、なるほど納得のLittle Featっぽいクロスオーバー的なアレンジ。Featのこの辺の味わいはPaul Barrereによる物かと思っていたが、これを聴くとLowellにもその気が十分にあった事に気付かせてくれる。良い感じのインストである。

再びメロォなS. W. 5も味わい深い出来。ちょっと演歌っぽいメロディであるものの随所で聴かれるスライドギターや丁寧なギターフレーズにやはり耳が奪われる。しっかりと作りこまれている雰囲気が好印象な秀作。

 


Taylor1.gif (17577 バイト)

1 . Leather Jacket
2 . Albama
3 . Slow Blues
4 . Baby I Want You
5 . Broken Hands
6 . Giddy Up
7 . S. W. 5
8 . Spanish
9 . A Minor

 

 

 

 

 

 

 

 

Taylor2.gif (6394 バイト)

孤独な天才ギタリスト...
でもそのソロ作品は本当に
素晴らしいのだ

(2003.7.12 更新)

 

 

 

 

 

 

 

順路はこちら(工事中)
Mick Taylor / Stone Alone へ!

 

 

 

 

 

 

 

〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

Little Feat / Waiting For Columbus(工事中)
Taylorがゲスト参加したトラックも含むFeat絶頂期のLive盤