Stephen Stills / Manassas <1972> |
おすすめ度★★★★★☆ |
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Stillsが3作目のソロアルバムを製作する際に誘ったというFBBのChris Hillmanの参加が引き金となって結成されたスーパーバンドの1st。 HillmanはStillsバンドのツアーメンバーだったDallas TaylorやPaul Harris、Fuzzy Samuelsらの演奏を多いに気に入り、FBBからペダルスティールギタリストのAl Parkinsをも引き抜き、遂にはFBBを解散させてしまっている。 さらにStillsのラテンロック指向を満足させる為に声を掛けたパーカニストのJoe Lalaまで加えたManassasは、既に7人の大所帯バンドになっていた。 彼ら個々のメンバーの実力は誰もが素晴らしく、様々なアメリカンティストを吸収した上で独特のManassasサウンドの実現を成功させている。 特に活躍の目立つのは副キャプテンといった感じのChris Hillman。「The Wilderness」というパートはほとんど彼の個性を中心に展開され、Byron Berlinをも加えて独特のカントリーロックの世界を作り上げている。 前2作では何かとスーパースターと共演していたStillsだったが、ココでは通好みの職人的なバックを得て終始自分の中にあるフォーク、ブルースからラテンミュージックまでをも網羅したアメリカンロックの真髄を表現。 それぞれに名前まで冠した4パートが曲間もほとんど無く一気に流れる約70分。Stephen Stillsの魅力が充分に味わう事のできる名盤である。 ちなみに前半2パートにはベースでThe Rolling StonesのBill Wyamanの名前がクレジット。彼がStonesにおけるアメリカンロック探求のキーマンの一人だったことを物語っているのか??定かでない....
〜特にお気に入りな曲達〜 まずはSong Of Loveで幕開け!重心の低いリズム隊に乗ったハードなギターを中心に、ワイルドなオルガンが絡んでくるナイスなRock'n Rollだ。まさに「The Raven」の魅力を集約したかの様なカッチョ良さが印象的。 連作のRock & Roll Crazies 〜 Cuban Bluegrassは、前曲をひきずっているかの様なヘビーな展開からのラテンへの転調がたまらない。転調の瞬間はいつ聴いても気分爽快ですね。 一転ブルース調のJet Set (Sigh)も単独作ながら後半の転調を期にAnywayになだれ込んで行く。ここでは間奏部分で一瞬フワリと宙を浮いてるかの様になるアレンジが妙。このアクセントがこの曲の真骨頂だ。 Both Of Us (Bound Of Lose)はStillsとChrisの共作でChrisのヴォーカルも聴く事が出来る。二人のヴォーカルを中心とした展開が何となくByrdsを思わす様で嬉しい。やはり最後はラテン調でキメている。
続くJesus Gave Love Away For Freeは美しきカントリーワルツ。Gram Parsonsの元で活動を共にしたChris Hillmanの貢献度が顕著に出たナンバーだと思う。Chris Hillmanを中心とした重厚なコーラスや華麗なピアノが印象的。 本パートの個人的なハイライトは間違いなくColoradoだ。悲しくも力強いAl Parkinsのペダルスティールギターと、それを盛り上げる美しいPaul Harrisのピアノが最高の貢献度を放つ。Stillsのヴォーカルとそれを引き立てるChrisの独特のコーラスもイイです。 Hide It So Deepは別れた恋人への思いを歌った、Stillsさんにはよくある未練ものソング。しかしココではByron BerlineやAl Parkinsといったカントリーロック王道組の力も借りて、切実に歌うStillsのヴォーカルが光りまくる。思わず浸りたくなりますね。
ソロ時代のStillsナンバーを思わすHow Farもイイ。彼独特のエレキとアコギの使い分けが印象的。Buffalo SpringfieldのようなサイケナンバーMove Aroundもナイスだ。 続くThe Love Gangsterは、何と!StillsとBill Wymanの共作によるファンキーなロックナンバー。ちゃんと貢献してるのですね、安心しました。ワウペダルとスライドを使ったギターサウンドが印象的で、彼のもう一つの持ち味を存分に発揮した好トラックだ。
Right Nowは独特のリフを中心としたスピーディなロックナンバー。当時のL.Aを思わすLeon Russellばりの重たいピアノサウンドもカッチョ良い! The Treasure (Take One)では後半でのブギ調ギターバトルが何と言っても魅力。Al Parkinsのとてもスティールギターとは思えないワイルドな演奏には脱帽!フェイドアウトさせないところもエライ!と言いたいね。 長い2枚組アルバムを締めくくるのはStills自身の弾き語りによるBlues Man。アコギ1本での味わい深い世界を堪能できる。 |
〜The Raven〜 〜The Wilderness〜 〜Consider〜 〜Rock & Roll Is Here To Stay〜
って言うより1曲間で転調を でも本作で全てを出し切って |
(2002.2.3 再更新)
〜関連作品の簡単な紹介〜
Stephen Stills & Manassas / Muslk Laden Live
何とぉ!Manassasのスタジオライヴ映像が発売されましたぁ!!
僕はこれとLittle Featの為にDVDプレイヤーを購入したと言っても過言ではありません。
内容の方はスタジオが会場となってはおりますが、バリバリの生演奏モン!
興奮はいつまでも続きます。
動いてるメンバーを拝めるだけでも感謝感謝といった内容ですが
収録曲も本作におけるモノばかりで、当時の彼らのノリノリの演奏を堪能できます。
Chris Hillmanは相変わらずのボンバーヘッドをなびかせながら
抜群のコーラスワークを披露!Al ParkinsのRock調ペダルスティールも魅力的だ。
当然Stillsも絶好調で得意のギターソロを各楽曲で伸び伸びと演奏し
ラテンロック的なジャムも余裕でこなしている。
これは買いでしょう!!
Bill Wyman / Monky Grip
Rolling Stonesから飛び出した記念すべき初のメンバーソロアルバム。
彼とアメリカンミュージシャンの交流を証明するかの様にメンバーは豪華散漫!
基本パーソナルとしてギターにCityやJoe Mamaで知られるDanny
Kootch、
ManassasからはJoe LalaとDallas Taylorがドラムとパーカッションで参加。
他にもDr. JohnやLowell George、そしてClapton BandのGeroge Terry等の
名前も見られ、終始楽し気なアメリカンロックを奏でる。
Billのヴォーカルは取っ付きにくいけど、彼の抜群の音楽的趣味の良さを
堪能できる良盤。結構イイよ。
順路は未定
(探索中)
〜関連アーティスト / アルバムへのリンク〜
Flying Burrito Bros / Flying Burrito
Bros
Rick Robertsを中心とした一期FBBのラストアルバム
The Rolling Stones / Exile Of Main ST
Al Parkinsも参加したStonesのアメリカンロック集大成