John Lennon / Imagine <1971>

おすすめ度 ★★★☆


71年に自身の広大な自宅に設けたスタジオにて9日間という集中したセッションで作り上げたソロ2ndアルバム。

前作に続いてPhil Spectorが製作に協力しているものの必要最小限のバンドで作り上げた前作とは異なり、本作には様々なセッションミュージシャンから気心の知れた仲間がセッションに参加している。

特にGeroge HarrisonNicky Hopkinsの活躍は目覚しく、それぞれに持ち味を充分に出した演奏振りを随所に披露している。

全体に決定的な名曲を中心としてハードな曲も挟みながらのポップな響きがとても心地良く、Johnの両面性をよく捕らえたアルバムに仕上がっている。

プロデューサーの一人としてクレジットされているYokoの貢献度も意外な程大きかった様で、最近公開された本作製作のドキュメンタリーGimme Some Truthでは彼女のその的確な指示に少し驚かされた。

また本作が発表された時は完全にPaulと喧嘩状態にあったJohnは、8といった当てつけソングも収録し裏ジャケでは名作Ramをコケにした写真も載せている。

ま、Paulもそれ相当の事をしてるのですが、彼はこれほどおおっぴらでなかった。これはそれぞれの性格の違いって感じで今では微笑ましいのですが....

このJohnの行為を「自分に正直なお人」と受け取るか「大人げねぇ」って取るかは個人の自由。僕は...微妙な所だけど前者かな、今は。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

まずは誰が何と言おうとRock史上燦然と輝く名曲Imagineで幕を開ける。内容が現実離れしてるとか色々あるけど、素直に「そうなると良いなぁ〜」っと聴くのも悪くない。

とにかくシンプルで美しいアレンジと彼の透き通った心に浸るのみだ。美しいよ。

続くCripple InsideはNicky Hopkinsの奏でるホンキートンクピアノに乗って展開されるちょっと皮肉っぽいナンバー。ガチャガチャした手作りな音作りから顔を出すGoergeによるドブロもかなり良い感じだ。

Jealous Guyはタイトル曲と双璧となる名曲。Nicky Hopkins自身もセッション活動のベストの一つとしてあげたというココでの美しいピアノに誘導されながら、ぎこちなく告白するJohnの心情が切なく響くナンバーだ。

Rock界の別格的ポジションに位置しながら、どこまでも切なくて弱々しく響く彼のヴォーカルに全てが溶け込んでいく。Johnのこのリアルで等身大的な側面は永遠でありますね。

Give Me Some Truthでは再びGeorgeのギターとても良い感じで入ってくる。彼のセッション活動では本作での演奏は出色のできである。

ちなみに前述のドキュメンタリーでこのナンバーのヴォーカル録りをしてるJohnが「Eric Clapton風は駄目だね」って言ってたのは面白かったなぁ。

Georgeによる印象的なエレキの響きで始まるOh My Loveも名曲。シンプルな構成の中で響くJohnの声がまた染み渡る。

問題のHow Do You Sleep ?は、サウンド的にはファンキーなアレンジがカッチョ良いナンバーだ。しかしココでは何と言ってもGeorgeのスライドギターに尽きるだろう。

彼自身も同感したようにワイルドに響く演奏振りは彼自身の作品も含めてベストと言っても過言でないソロをキメている。

前述のドキュメンタリーでも「悪意を持って作った曲なんだから悪意を持って演奏しろぉ!」っと指示を出すJohnが印象的だった。結構Johnを端的に表しているシーンだったな。

How ?はPhilとの共同作業が最も良い形で現れたポップな名曲。実は個人的な本作のハイライトはこの曲だったりする。Johnのヴォーカルとストリングが絶妙に絡んで展開するアレンジが最高だ。

ラストを飾るOh Yoko !はタイトル通りYokoに捧げたラヴソング。楽し気に響くヴォーカルと間奏のハーモニカがとても心地良い。こんな曲を歌ってあげれる人がいるってイイなぁ〜っとか思ったりする。がんばるぞー!

 


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1 . Imagine
2 . Cripple Inside
3 . Jealous Guy
4 . It's So Hard
5 . I Don't Want To    
                    Be A Soldier
6 . Give Me Some Truth
7 . Oh My Love
8 . How Do You Sleep ?
9 . How ?
10 . Oh Yoko !

 

 

 

 

 

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お前のアルバムなんて
こうだ!ってポーズ...
はい、Paulへの当てつけです。

(2004.7.17 再更新)

 

 

 

 

 

 

〜関連映像作品の簡単な紹介〜
Gimme Some Truth

Imagine製作風景をドキュメンタリータッチで捉えた映像作品で
本作を録音するJohnの姿や未完成状態の名曲の数々を聴きながら
見ることも出来るという素晴らしい作品。

当時のインタビューに始まりKlaus VoormannNicky Hopkinsといった
名うてのセッションミュージシャンや狂う前のPhill Spectorの動く姿、
解散後にGeorgeと共演する姿などは貴重。

中でも本作収録のHow Do You Sleep?を聞かせる得意気なJohnと
「ホントにやるの?」っと少しビビるGeorgeの姿が印象的だ。

しかし作品中の一番の注目は上記にも書いたがYokoの素晴らしい貢献度だろう。
すこしヤかましい感じだが、言ってる事は正しい。。。見直した。

ちなみに僕が所有しているのはWOWOWで録画したビデオと中国版コピーDVD。
中国版DVDを見るとき日本語の字幕が入ってないので英語の字幕を入れると
発言者の名前がセリフの前に( )で表示される仕様になっていた。

Nickyの発言の前が(Man)と表記されるのには悲しかったなー。
貴重なのになー、動いてるNicky Hopkins。

 

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順路はこちら
John Lennon / Mind Gamesへ

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

Paul McCartney / Ram
そうです、このジャケを真似してるんです

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Geroge Harrison / All Things Must Pass
GeorgeとPhilの共同作業の素晴らしき功績

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The Rolling Stones / Exile On Main ST
Nicky Hopkinsも参加したStonesの名盤

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