音楽CDを作る(焼く)のに必要な機材


現在のところ、一般アマチュアが自分でオリジナルCD(オーディオ)を作るには、私の知る限り以下の4~5種の方法の、いづれかの方法になると思います。
以下、それぞれの方法の特徴と制約について、簡単に記します。

  1)オーディオCDが作れるパソコン環境
  2)単体のCDレコーダー*(家電品)(使えるCD-R盤は「オーディオ用」のものになります)
  3)単体のCDレコーダー*(業務用)
  4-1)音楽制作用ワークステーション(CD-R内蔵タイプ)
New!4-2)レッスン型? ハイブリッドCDレコーダー(家電品)

*単体のレコーダーは通常のCDプレーヤーでもあります。


1)オーディオCDが作れるパソコン環境

●最近のメーカー製パソコンの多くは、CD-Rを焼けるドライブ装置が標準で装備され、OS自体が焼き込み機能をサポートしていたり、あわせて焼き込みソフトがプリインストールされたりもしていますので、別途焼き込みソフトを用意しなくても、既存CDの丸ごとコピー(バックアップ)や、ネットから集めたMP3オーディオを構成して、オリジナルCDを作成できる可能性があります。
●パソコン自体にマイクや、アナログ・オーディオ入力(マイクの印がついた接続端子)がある場合、取り込めるオーディオのサイズ・品質に制約がありますが(マイクつきの場合は何も買い足さずに)マイクないしラインからオーディオを取り込むことができます。試してみられることをおすすめします。
●手持ちのカセットやMD(etc...)等のオリジナル音源から、アナログ・オーディオ・データ、あるいはデジタル・オーディオ・データを取り込んでCDを作る場合、パソコンへ音を取り込むための「装置」と「ソフト」と「知識」が必要になります。この方法については、求める音質要求レベルにより、たいへん多様なシステム構成が考えられ、簡単に「できる」と言えないのが現状です。
●摘要のハードとソフトをインストールし、オーディオ編集(焼き込み)用としてチューニングすれば、他の方式よりも優位な音質・操作性のシステムを構築することができます。
●いわゆるバンドル・ソフトの場合、プレス(大量生産)の原盤=プレスプリマスターが作れない場合があります。
●以下、私が実際に使って知っているもののみ、挙げておきます。これらのもの(に近い環境)については、アドバイスできることがあるかもしれません。
-----------Mac環境
Power Macintosh G4 933 Super Drive/Apple  パソコン本体(メイン機)
Power Macintosh 8500/Apple パソコン本体,G4Card/Sonnet,CDR-58S/TEAC換装済(CD焼き用)
DELTA2496/M-AUDIO PCIオーディオインターフェース
CBX-D3/YAMAHA SCSI接続オーディオインターフェース
ADVC-100/Canopus  FireWire接続オーディオ/ビデオインターフェース
Logic Pro/Apple Computer オーディオ編集ソフトウェア
Wave Burner Pro/Apple Computer オーディオCD専用マスタリング、焼き込みソフトウェア
Final Cut Pro/Apple Computer ビデオ編集ソフト(CD規格のオーディオの書き出しが可能)
-----------Win環境
SE-U55/ONKYO USB接続オーディオインターフェース

参照→K-recのCD工房見学コース


2-1)単体のCDレコーダー(家電品/使えるCD-R盤はオーディオ用のものになります)

 電気店のオーディオCDプレーヤーの売り場にいくと、CD-R(W)Audioが焼けるCDレコーダーが売られています。 これら家電扱いのCDレコーダーで使えるCD-R盤は、著作権保護料金が価格に含まれた、いわゆるAudio用のCD-R盤になります。
 記録媒体としてCDを使いたいというだけであればこの種のCDレコーダーで十分です。既に生産完了ですが、マイク入力をもった機種もありました。

なお、オーディオ用のCD-Rでは、完全無地・鏡面の盤をみたことがありません。最近、太陽誘電の音楽用で、ギラギラした鏡面ではありませんが非プリンタブルのメタリックゴールドのものが発売されました。

●よくある、ミニコンポサイズのCDレコーダーです。
←ONKYO/CDR-201A(S) 46,000円

●同じCDの焼き増しをする前提で買うなら、ドライブが2機装備されている(ダビングCDデッキ)のものが便利です。
←SONY/RCD-W50C  56,000円

●ただ記録するだけではなく、ハードディスクを搭載し、音質や音量の整ったより本格的なコダワリのCDが作れる機能を搭載した上級モデルもあります。従来音響エンジニアの手にかからないと出来なかった「音圧」のコントロールなどが、プリセットされたコマンドで容易に行える機種もあるようです。精密なタイミングでトラックを切り分けたり、細かな編集をほどこしたりもできるようですが、操作を習得するのは困難だと思います。

←YAMAHA CDR-HD1000 100,000円

他に多くの家電オーディオ・メーカーが同等機能のレコーダーを作っています。これらの製品については、家電製品並のアフターサービスが望める(可能性がある)ので、初めて導入する場合にはよいと思います。


ちょっと変わり種

パソコンの外付けドライブ(USB接続)としても使えるCD-Rレコーダーです。オーディオレコーダーとして使う時は、オーディオ用のCD-R盤の使用になります。パソコン用として使う時はオーディオ用でもデータ用でも使えます。Win,Mac用の焼き込みソフトも付属してきます。

←TASCAM/CD-RW4U 59,800円


3)単体のCDレコーダー(業務用)
上記のCDレコーダーと同様の機能で、業務用のものがあります。業務用音響機器/楽器店扱いの製品です(家電店でも取り寄せられるかもしれません)CD-R盤はデータ用のものが使えます。機械としては家電品とほぼ同じものと言えます。鏡面無地のデータ用CD-Rにも書き込めます。
書き込み方法の選択により、プレスCDの原盤(プレスプリマスター)も作れます。

←TASCAM/CD-RW700  69,800円
これは業務用とされていますが入出力は家電品仕様とかわりません。現在はCD-RW750  69,800円 にモデルチェンジしています。

他に  MARANTZ, SONY, ALESIS 等のメーカーが同ジャンルの製品を作っています。


4-1)オールインワン・音楽制作用ワークステーション(CD-R内蔵タイプ)

楽器店扱いの製品です。オーディオミキサーと合体したもので、これ1台で収録から編集、そして高度に完成されたオリジナルCDが制作できる、というものです。大容量のハードディスクを内蔵し、長時間収録できます。

VF-80←FOSTEX/VF80 39,800円(ハードディスク別売)
もっとも安い種類のオールインワン・タイプのマルチトラックレコーダー+CD-R(W)機です。直流バイアス式コンデンサー型マイク用の電源も搭載しています。
これ1台でパソコンを使った大掛かりな録音&編集システムと同等のことができてしまいます。これと任意のコンデンサー型マイクロフォンが導入出来れば、現在望みうる最高のコスト/パフォーマンスを得られます。単にステレオ2チャンネルのCDレコーダーとして使うには、余分な機能がありすぎて却ってメンドウかもしれませんが、使いこなせれば、こんなに安いマシンはないと思います。

他に YAMAHA, Roland, KORG, AKAI Professional, Vestax, ZOOM, 等のメーカーが、同ジャンルの製品を作っています。

この種のレコーダーについては、一般的には雑誌 Sound&Recording Magazine/リットーミュージック が参考になります

4-2)レッスン型? ハイブリッドCDレコーダー(家電品)

ローランドからコンパクトフラッシュカードとCD-R/Wと両方を搭載,本体内蔵マイク/スピーカーなおかつファンタム電源供給可能なマイクプリアンプ、さらに内蔵エフェクト等等、およそ2チャンネルレコーダーとして現在考えうる機能をほぼ網羅した、機能的には完全無欠としか言いようの無いレコーダーが発売されました。

←ROLAND ( ローランド ) / CD-2 価格オープン
メーカーの謳い文句は、「CD-2は、シンプルな操作で簡単にオーディオCDが作成できるレコーダー。マイクとスピーカーをステレオで搭載、スタンドアローンで使用できます。CD再生のピッチやテンポをコントロールできるなど、音楽レッスン/トレーニングに便利な機能も備えています。」とのことです。
しかし、工業製品としてのツクリは、写真からは伺い知れぬチャチさがあり、店頭で見てビツクリしました。機能は申し分ないだけに残念です。もちろんルックスや操作フィーリング、機械的信頼性・堅牢性を問題にしない方には超オススメです。

CD-Rに関する知識
●CD-Rは、レーザーで色素を焼き切ることによってデータを記録するので、CD-Rにデータを記録することを一般に「焼く」と言います。
●家電品のCD-Rレコーダーは、基本的にCD-R for Audio規格、いわゆる「オーディオ用」のCD-R、ないしCD-RW盤しか使えません(ディスクを入れても認識しない)。その他の焼き込み環境では、オーディオ用・データ用、特に意識することなく、無差別に使えます。
●データ用だからといってオーディオ用より音質的に劣る、ようなことはありません。ただ、オーディオ用はユーザーの幅が広い分(年齢・知識・要求度)、より厳密な品質管理がなされている、ことは想像できます。
●CD-R/W等の表記の後につく(W)は、消去ー再利用ができる(ReWritable)タイプの盤が使えますということを表しています。現在市場にあるほとんどのCD-Rドライブ(レコーダー)はこのリライタブル盤に対応しています。通常RW盤で試し焼きをしてみて、プレイバック・チェックをしてから、CD-R盤に焼くという手順をとります。
●リライタブルに対して、通常のCD-Rをライトワンス盤、と呼ぶ場合もあります。
●CD-Rレコーダーにマイクアンプ(ないし相当の機器)とマイクをつなげば、生録をすることもできます。


まとめ

オリジナル音源からCDを作るためには、現在のところ(録再に使うレコーダーのほかに)上記のような装備・機材が必要になります。ただ個人で、記録メディアとしてCDを使いたい、というだけなら家電扱いのCDレコーダーでよいと思います。音質を追求するには、家電のレコーダーの上級モデル以上の、他の選択肢になります。どの方法であっても音質を追求する以上要求レベルに相当する(数千円からン十万円)投資と多くの時間(と根気)が必要です。特にパソコンを利用した方法は、既にそれを実現している人から直接教わることができる、なら、取り組むのもよいかもしれません。

*K-recでは各種音源をパソコンで編集可能なデジタルオーディオデータに変換するサービス、加えて複製可能な音楽CD(マスター)にするサービスを行っています。→マスターディスクの製作/メディア変換\5,000~

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