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掲示板 石井信也
理科実験を楽しむ会

稲葉正さんへの手紙8  E-126 No264  2011310日(木)

 

   稲葉正様              200983日    石井信也

 

  No8  3段アンプ(その3)

@ 3段アンプでは, 圧電や熱電の実験もできますが, ここでは省略することにします. あとは電磁誘導です.

  LEDをつけたコイルの近くで磁石を動かしたり, LEDをつけたコイルを磁石の近くで動かしたりして, LEDを点灯させるには,コイルの巻数を多くしたり, 強い磁石を使ったりしなければなりません.

A 準備

 はじめは, 磁石を動かす方です.

  コイルは, 0.1mmφのエナメル線を直径60mmの円形に1000回巻いて(以後1000Tと書く)100T毎にタップを出したものと,100T10T毎にタップを出したものの二種を使いました.

  磁石は直径15mm, 厚さ3mmのタブレット型のネオジム磁石(1100, ダイソー)6個重ねて使用しました.

B 実験    

  磁石の出し入れでは, 1000TLEDが点灯しました. 磁石に凧糸をつけてブンブンゴマにして回すと, 100TOKです.

  LEDを取り除いたコイルを3段アンプにつなぐと, 磁石の出し入れでは20TでアンプのLEDが点灯します. 磁石ブンブンごまでは2TでもOKでした. 写真は4Tの巻線使用.

  このことから, 磁石ブンブンごまを使うと, コイルの巻数は1/10程度で済み, 3段アンプを使用すると, コイルの巻数は数十分の1で済むということになります.

  これらの値はおよそのもので, 実験のやり方によっても異なります. 例えば, 磁石の出し入れでは, 磁石をコイルから出すときの方が, 入れるときより効果的ですが, 磁石をコイルに入れて止める(コイルを床に置いて, ここに磁石を落とす)方法では, 更に効果的なことがあります.磁束変化が大きいからでしょう.

C コイルの直径を小さくすると, 磁束密度が大きくなるかも知れないと思って, 直径33mmのフィルムケースにエナメル線を巻いてみました. 磁石ブンブンごまでは60TLEDが点灯しました.

D 次は,磁石をとめておいて, LEDをつけたコイルをブンブンごまにする方法ですが, 磁石を回転させるのと比べると, 少々面倒です.  

  そこで, コイルとして, 巻き始めの端子が引き出されているエナメル線を使いました.0.2mmφで1kgのエナメル線(秋葉原で30004000)を横にして2本の凧糸で吊り, いわゆる縦型ブンブンごまにして回しました. エナメル線の巻き数が多いので, 効率的です.

  これに3段アンプをセットしてコイルと一緒に回すと, LEDは地磁気で点灯します. 教室でやっても, 校庭の真ん中でやっても同じでした.
 
 注:<YPC 6> を参考に.
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち