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理科実験を楽しむ会
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稲葉正さんへの手紙5  E-123  No261       201133日(木)

 

 稲葉正様               200941日    石井信也

 

  No5 電子メロディーを鳴らす

@ 単3乾電池1本で作動するタイマーの<メロディーIC>を,直流発電のチェッカーとして使う試みです.

  点検項目はコイル, 整流子, キャパシター, 磁石です. 

A 0.4mmφのエナメル線を, 直径60mm250回巻いたコイルに, 整流子としてLEDをつなぎます. これに蓄電用のキャパシター(数千μF)ICをつなぎます.コイルの上で, 磁石のブンブンごまを回すと, 交流が発生し, 整流され,キャパシターが充電され,メロディーが鳴る, という仕組みです.

 これの長所は発電している時にはLEDが点灯することです.  

B 整流子として, 種々のダイオードも使ってみます. 

  トランジスタはダブルのダイオードなので, 3本の端子の適当な2本を,向きを考慮して使えば整流できます. 下表の矢印の先の端子をICのプラス電極につなぎます. ○印が使えるケ−スです(*1).

       EB     EC     BE     BC     CE     CB

2SAB    ×     ×             ×            

2SCD          ○       ×              ×       ×

C スライダックで, 数ボルトの交流をキャパシターに一瞬触れると, メロディーが鳴ります(*2).  

  これは交流の各時点における, 電流×時間 の電気量がキャパシターに溜まるからでしょう. 従って, 電荷が逆向きに充電されたときには, メロディーは鳴りません.

  このことを確認するために, 空のキャパシターをこの方法で充電して電極の正負を3段アンプで確かめると,ほぼ同じ割合で, 正・負が逆向きに充電されることが確認できました(*3).

D この装置では, 数千μFのキャパシターでも, 1曲を「ゆるみなく」演奏できません. そこで, 大きいキャパシターが欲しいと思って…

  両端を削った鉛筆を2本を炭素電極としました. フィルムケースの中央に厚紙の隔壁を設けて, その両側にこの鉛筆を立てます.

  8分目ほど食塩水(硫酸がないので)を入れて, これを<ブンブンごま発電機>で充電しました.(*4)

  ブンブンごま発電機を100回も回せば, 曲を10回以上も再生することができます(*5).

 

(*1) メイカー, 機種などにより異なることがあります.

(*2) 40W60Wの白熱電灯を介して100Vの交流を一瞬触れてもOK.

(*3) 40回のトライアルで21:19でした. 0ポイントで充電したいのだが!

(*4) ケミコンの意味がわかります.+極で塩素臭,―極でアルカリ触(指がヌルヌルする) 

 NaClNa+Cl-  陰極で NaH2ONaOH1/2H2  陽極で 1/2Cl2

(*5) 「帽子を被せ」てLDR(Light Dependent Resistor)を作動させます.

 

注:実験<電子メロディー>,<YPC 17> を参照に。