モル　その１　C-6　No196    数えてみよう      2010年4月1日（木）

 

 

　水の1モルは18グラムで，その数は 6×10^23 個です. この数が如何に多いか実感してみたいと思って砂粒を数えてみました.

  九十九里浜の砂をとってきて，水で洗いましたが殆ど濁りませんでした. その後で乾燥させました.

  グラフ用紙の縦横10cmを区切り，その1cm^2の枠に1から100までのナンバーをふりました. このグラフ用紙の上に，小匙一杯の砂をほぼ平均して撒きました. それぞれの枠の中の砂粒をルーペで数えた後，全部を加えると，11261粒あり，この質量を測ると0.275g ありました.

別にこの砂の5ccをメスシリンダーで測って，その質量を測ると 8.470g ありました. メスシリンダーに5ccの水を入れておき，そこに，この5ccの砂を入れると，全体の体積が7.9ccになりました.

  これから，次の計算をしてみました.

  1gの砂粒の数: 41000粒

  1ccの砂粒の数:70000粒

  砂の密度:1.7g/cm^3

  砂の空隙:42%

  九十九浜を50kmとし，幅200m， 深さ1000m の砂粒数を計算すると(この数値には特別な意味はありません)

  50[km]×200[m]×1000[m]＝10^16[cc]

  10^16×70000＝7×10^20[粒]

  1モルは6×10^23個だから，この数は約1ミリモルです.

  次は米粒をカウントしてみました. 一つかみの米を紙の上に広げ，楊枝の先で一度に5粒ずつ数えていき，2000粒を分け取りまた. 

        2000粒で     38.877[g]

        1合の質量は 148.73 [g]

 つまり 1合で        7650  粒

        1[kg]で     51500  粒  です.

  世界の米の生産額を300,000,000,000[kg] とすると，その数は1.5×10^16個

こんな調子で，4000年作り続けたとしても, 米粒はやっと，約1ミリモルです.

  涙1粒の中の水の分子は1ミリモルよりずっと多いのですから(20粒で1cc位か)分子数が如何に多いかわかります.

  ちなみにいえば，タラコの1腹は数万から十数万ぐらいだそうですが，これも一度は数えてみたいものです.

  この計算では密度の考えが利用されています. 密度というのはものの詰まり方です. 従来の密度という概念は単位体積当たりの質量をいいました. 単位でいうと[kg/m^3]又は[g/cm^3]で表される概念です. しかし，ここでは，単位質量当たりの数をとりました. 単位でいうと[1/kg]または[1/g]になります. [1/kg]に, 例えばグレイン[G]というあだ名でもつけておけば, 砂は約40メガグレイン(メガは1,000,000)，米は約50キログレイン(キロは1,000の意)ということになります.